BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

「聖の青春」

2016年12月30日 | 映画
本当にこのシネコンはダメだ。ダメだがここでしか上映していないのでしょうがない。
シニアも他より100円高いし。混んでもいないのに、全席座席指定だ。空いている
んだから好きな処に座らせろ。上映中になるとそのチラシは撤去し、これからの上映
チラシに差し替える。観た映画のチラシ1枚もらえない映画館の在り方はどうなんだ。
何故みんな声を上げない。上映チラシの撤去は法律違反だと(笑)

大崎善生さんを最初に読んだのは「聖の青春」だった。もちろん古本屋さんでみつけて
500円くらいな値だった。それ以来好きな作家になり大崎さんのは多分全部読んでる。
映画「聖の青春」はしっくりこない部分もあったが、まあいいだろう。主演の松山ケン
イチさんは体形や動作を似せようとし過ぎるきらいが、ちょっとハナにつく。原作が
良かったから、映画はどうしても辛口になる。

登別の博物館開館中のある日のことだった。中年のご夫婦がみえた。機材よりむしろ本棚
をみている。そのうち旦那さんが1冊の本を手にして「これいくらですか」と訊く。白い
表紙で、横書きの題字が大きい。中に村山 聖さんの正面斜めの写真だ。アタシは焦って
かぶりをふる。すいません、ここ古本屋さんじゃないんです。ただ自分の蔵書を並べて
いるだけなんですと。
手にしていた本は「聖の青春」だった。アタシは恐縮しなが云った。それいま映画化されて
いて、古本なら沢山出ているし、新刊文庫も出ていますからと。

ただどうにもバツが悪かった。旦那さんには悪い事してしまった。買った時に貼ってあった
シールの値段で売ってあげ、アタシがまたあとで古本屋さんで買うという手はあったのだ。
奥さんはニコニコしてみていたが、いつかまたあのご夫婦が来てくれることを願う。

そんなこんなで本年も明日で終わる。久し振りに行った古本屋さんでは3冊を手に入れてきた。
新年1日からは20%OFFだという。きょう無理することもないという年の暮れだった。

TAO

2016年12月27日 | 古本
「逃」というタイトルは随分と訝しげだと思ったが、中身は相当濃い。副題は「異端の画家・曹勇の中国大脱出」
第17回講談社ノンフィクション賞受賞で、意外にもスペイン語版、ポーランド語版、英語版に翻訳され出版
されたようだ。登別出身のようだが、アタシは全く知らなかった。2冊目を期待したいが果たしてどうか。
この本、いつも行く100Wオバさんのいる食堂のアネさんからサイン入りをいただいた。
曹勇の書いたであろう絵が6枚、実物を是非みたいものだ。

 「逃」 著者 合田 彩  文藝春秋 定価1900円 ( 1995年3月20日 第1刷発行 )

性は無限

2016年12月11日 | 古本
この本以前文庫で読んでいた。単行で安かったのでつい手をだした。2001年刊でもう15年前
だ。文庫から単行のこんな再読も面白い。星野さん、自分で大女と言っているのだから175cm
くらいはあるのだろうか。女性で背が高いのも悩みが多いらしく笑ってしまう。未知の人と約束す
ると、ショートヘアーで人ごみの中で頭1つ抜けているのが私だと云うと、それで分かるらしい。
そんな星野さんも、もう50歳だ。今はどこで何を書いているのだろうか。
キミちゃんも酒ばっかり呑んでないで、星野さんくらいな文章力をつけて欲しいものだ(笑)
 「銭湯の女神」 著者 星野 博美  文藝春秋 定価1524円+税
  ( 2001年12月10日 第1刷 )

桜木さんの長編はどうしても仕事がくどい。まあダンサー女子の話だから多少くどくてもいいの
だが(笑)長編ともなると伏線や展開とその都合のよさにやや難が出てくる。まあ相変わらず文章
が上手いのでOKだが、桜木さんの真骨頂はやっぱり短編連作がいい。
しかしなんだ、いつもどうしてあんなにエロい動作と表現が可能なのだろう。それだけ性は無限と
いうことか(笑)
 「裸 の 華」 著者 桜木 紫乃  集英社 定価1500円+税
  ( 2016年6月30日 第1刷発行 )※限りなく新刊だが古本屋さんで買ったので。