BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

悪だくみ

2021年05月30日 | 古本
読んでいてとても不愉快になる事がある。この本は正にそうだ。表紙の写真からしてずるがしこさが、悪人らしさが
まともに出ている。ただただ自分たちの強欲の為に「獣医学部」を計画しアベに頼んだ。悪だくみを働くのはただただ
金のなる6年制の学部をつくり、頭の悪い学生と親から金を搾り取る。私立大学なのだから金ををとる算段は尋常じゃ
ない。建物も身内だから相場の倍以上の建築費を出す。そして裏での当然のキックバックがあるだろう。
国や県や市からの補助金を合法的に手に入れ私用の遊びに使う。アベにはそんなお友達しかいない。
世界や日本の経済・文化・平和などの見識を持ったダチなど一人として及びじゃないワルばかり。
そんなアベ政権が7年も続き、また支持率も40パーセントの持続があった。バカじゃないの日本国民。これだけの
悪性が続いてもなお目が覚めないオメデタさ。全く嫌になる。ついでにスガの悪人相もこころが透けて見える。
どうにかならないのか、悪人たちよ、テメエの顔を鏡に映してはまともには見られんだろう。
 「悪だくみ」 著者 森 功  文藝春秋 定価1600円+税
  ( 2017年12月15日 第1刷発行 ) 副題は「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞

コクテイル

2021年05月29日 | 古本
わずか8坪の店舗面積から古本屋を開業した。まるで居酒屋「つぼ八」だ。始めるのは小さくてもいい。その分キズも浅い。
国立駅から2キロ、条件としては良くない。家賃は9万円、ガラクタな店舗だったが自分と彼女とでなんとか恰好をつけた。
その後に酒場も併設、ほぼ3年を過ぎ、高円寺に安い物件を探しあて移転。1階が4坪、2回が住居用6畳間。その後にまた
2004年、別な〔あずま商店街〕へと移転、酒場と古本と言うスタイルは変えなかった。2008年にこの本が出たのだから
4年は続いただろう。その後にどうなったがは分からない。ネットで調べると分かるだろうが、あくまでも手元にある本だけの
話しだし。
いまでは古本と酒場は珍しくない。札幌にもビール類を出すところへ行ったことが有る。ただ古本を買うだけでは済まない気が
して、結局ビールなど飲むと結構高い古本になる。そこには二度と近づいていない(笑) その店も移転したと聞いた。再開発で
ビルの取り壊しになったとか。古本と古機材と酒場、50坪から80坪くらいな家賃格安物件があるなら、アタシだっていつでも
移転しそこで再起したい。ただすぐに身体を壊し、そんな馬力はもうない。
 「高円寺古本酒場ものがたり」 著者 狩野 俊  晶文社 定価1900円+税
  ( 2008年8月8日 初版 )

トンデモ本?

2021年05月25日 | 古本
こういう本のデザインは大概トンデモ本かハウツー本だ。ではこの本はどうなのかだが、相当に怪しい。
(アタシは買ったおぼえが無いので誰かが置いて行った本だ)
ただ、ではほかの本やテレビの戦国ものはどうかというと、ほとんど信用出来ない。あれらはただ面白くするだけで信長・秀吉
・家康・光秀、竜馬だって相当にいいかげんな内容・展開が多い。NHKの大河ドラマも内容も時代考証だって映像上の都合だけだ。

しかしこの本は思い切った記述、竜馬は対面相談していた中岡慎太郎が真犯人で彼が殺ったという説だ。それ以外状況的にはありえ
ないと。また明治天皇もいつの間にかすり替えられて、理由もあるのだと。つまりアタシらがよくみる明治天皇は別人の御真影だと。
西郷隆盛の肖像も別人を合わせた合成肖像画だと喝破。つまりはあの時代写真も映像も無かったので、権力者の都合でどうにでも
なったのだと。だからアタシは「歴史」という教科が嫌いだった、というのは言い訳かな(笑)中の1冊とみた。
 「禁断の幕末維新史」 著者 加地 奨一  水王舎 定価1400円+税
  ( 2016年10月5日 第3刷発行 )

シブくてハクイ

2021年05月23日 | 古本
不肖・宮嶋のこの本、数ある中でとりわけシブくてハクイ。彼の女に対する情熱と執拗さは笑うしかない。
ソバに今は亡き勝谷誠彦氏がいたとはいえ、文章もリズミカルで面白い。最近はどうしているのか、盟友が
亡くなった今、著作権だけでも食っていけるのだろうか。
「ネェちやん撮らせんかい!」というタイトルもアタシには「ネェちゃん〇らせんかい!」という風に読める。
たんなるネトウヨ的人物に非ず、瞬間の機知に富んだ行動は戦場で亡くなった数々のカメラマンとはタイプが
違う。オンナをダマスことの創意工夫がタクマシイ、オトロシイ不肖・宮嶋氏初期の作品。
 「不肖・宮嶋の ネェちゃん撮らせんかい!」 著者・写真 宮嶋 茂樹  ザ・マサダ刊 
  ( 定価1400円+税 2000年6月1日 第1刷発行 )

基本は江戸時代の浮世絵師・歌川 広重の書いた「東海道五十三次」が元になり大正・平成の多分その場所からみたで
あろう写真を添えた本だ。その変わりようはすざましい。樹木だって生え変わっているし、建物や橋は全てコンクリート
製になっている。とりわけ道の様子で昔は人馬、いまは車用だ。それでも微かな面影があると、なんだか嬉しい。
 「江戸・大正・平成 東海道五十三次 いまむかし」 編者 マール者編集部 定価1400円+税
  ( 1997年9月20日 第1刷発行 )

高校生からの自主制作からや、正統に助監督から監督へと認められた映画人の、それぞれに一筋縄では行かなかった映画監督
の話。どうしてここにあの映画監督が取り上げられていないのかという不満はあるが、まあいいだろう。懐かしい映画の話が
たくさん出ていて、自分がみた映画の青春と重ね合わせて読んでしまった。
しかしどんなに映画の中身やその時の状況はいっぱい語られるが、やはり映画機材の話は出てこない。そうかここは大部屋
俳優と同じ程度かそれ以下の意味しかないのか(笑) 意味があると思うから、映像機材博物館なんぞやっているのだが。
 「逆回転のフィルムー70年代の映画作家たち」 著者 山口 猛  東京新聞出版局 定価1500円
  ( 昭和56年9月25日 第1刷発行 )
 

おかしな映画

2021年05月17日 | 古本
小林信彦さんの書く文章はちっとも魅力がない。いわば空手に例えるといつもパンチが寸止めのような。
渥美清さんとの若かりし頃からの付き合いで、その事実にのっとった話なのだがどうにも面白みがない。面白み
が無いのにたくさんの著作を書いているのが不思議なひとだ。アタシとの相性の問題か。
懐かしい喜劇人の名前がたくさん出てくる。ほとんどの人は子供の頃からテレビで見ていた人ばかりだ。道内の
田舎町に寄席やホールなど有るわけがない。
渥美さんといえばやはり「フーテンの寅さん」だが、会社の掟とはいえ、山田洋次監督は罪なことをした。48作
などこれはクレイジーというしかない。してまた合成や過去の作品をつなぎ合わせて49作目を撮ったのだから
もはや異状というしかない。68才で渥美さんは亡くなったが、もし生きていたら作品は続いたのであろうか。
寅さんファンも多いが、数作を除いてどこが面白いのかアタシには分からんかったとです。全作品をDVDで持って
いるある人を思い出すが、どうするのだろう。
 「おかしな男 渥美清」 著者 小林 信彦  新潮社 定価1800円+税
  ( 2000年4月15日 発行 )

残 念

2021年05月13日 | 古本
全くつまらないのにもホドがある。半径やく50メートルくらいな話を自虐的に書いて、読んでる内に
段々腹が立つってきた。なんどもぶん投げようとしたが、結局最後まで読んじまった。時間の無駄という
のはこういう事だろうと反省。しかしもう止めようと何度も思いながら棚につい手を出してしまうアタシ
ってバカにもホドがある(笑)
 「流されるにもホドがある」 著者 北大路 公子  実業之日本社文庫 定価620円+税
   ( 2017年6月15日 初版第1刷発行 )

インパラは四つ足なので速く走っても転ばない。しかも足元も見ずに前方だけをみて逃げる。四つ足の
草食動物は皆そうだという。転んだらそれで終わりだし。
池澤さんの軽い旅紀行もの。辺見庸さんとか、藤原新也さんなどとは随分違うタッチだ。
 「インパラは転ばない」 著者 池澤 夏樹  新潮文庫  定価360円
  ( 平成7年6月25日 二刷 )

佐藤泰志さん原作の映画も本も読んでるが、いつも脚本に不満を感じる。アタシならこう書くのにと不満
がつのる。もっといい映画になるのにと残念だ。もっとシナリオは練るべきとプロデューサーの菅原さん
には言いたいのだが、残念にも接点がない。
 「きみの鳥はうたえる」 著者 佐藤 泰志  河出文庫 定価650円+税
  ( 2018年8月30日 4刷発行 )

偶然という都合

2021年05月03日 | 古本
登別ではテレビもみないし、ラジオだって「荻上チキのセッション22」も何処へ行ったか分からないし、
従って晩メシ後は本を読む楽しみしかない。相変わらず夜のラジオはどこもガキタレの埒も無い番組だ。
高齢化社会なんて言ってるが、その高齢者が聴くに値する番組が無い。今に若者はスマホゲームにアタマ
を侵され、世界のミライは暗い。コロナはインドにおいてうってつけの病気だろう。つまり戦争も病気も
人類を滅ぼすのは宗教だろう。宗教がどれほど人間を殺して来たは歴史をみればわかる。救われてトクした
のはホンノ一握りの教祖と1パーセント金持ちだ。その1パーセントが99パーセントの富を独占する。
何たることだろう、死んで気が付く寝小便だ。

松本清張傑作コレクションを読んだ。宮部みゆき責任編集の表紙と帯のコピーにもひかれたので。
ただ短編とあったが、中編もある。しかしどうもミステリー系・推理系は本気で楽しめない。
偶然と都合のよい展開がハナに着いてしまう。まあ他の小説の類も調子のよい偶然のオンパレード
だが。
 「松本清張傑作短編コレクション(中)」 前口上と総括まとめ 宮部 みゆき  文春文庫
  ( 定価705円+税 2010年7月20日 第11刷 ) 上中下巻の3巻あるらしい。