BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

豚 さん

2013年06月28日 | 古本
 豚さんにまつわる世界の宗教や食文化などの関係リポート。
 前作「Beフラット」は、どうしてまたこんなのと思ったが、亜季どのは文章も旨くなり
抑制を利かせたほどよい文体で、愛しい豚さんを書いた。
 女性も男性も若い書き手の出現が嬉しい。
 牛さんよりも豚さん肉を好むアタシは、豚さんにひたすら感謝だ。

 「愛と憎しみの豚」 著者 中村 亜季  集英社 定価1600円+税
  ( 2013年1月30日 第1刷発行 )

 ※カテゴリーについて
  どんなに最新刊でも、古本屋さんで買えば〔古本〕
  どんなに古くても新刊書店で定価で買えば〔新刊〕としています。

パンツ考

2013年06月23日 | 古本
 古本屋さんの著者別覧「よ」の覧からは、まるで地層から発掘される土器のように
「米原万理」さんが発掘される。もちろん在る時と無い時があるのだが、まだ未読の
万理さんがあればたとえ半額だろうが躊躇しない。
 著作リストみるともう大概読んでしまっているが、まだ少しはあるようだ。しかし
その在るという確率もこの先は少なくなっていく。万理さんは2006年に亡くなって
いて、増えることは有りえないからだ。
 あたり外れのない作家 米原 万理さんがせめてもう10年生きていてくれれば、あと
10冊は面白い本が読めたはずなのに全く惜しい。
 この著作の最後のむすびは太字で「さきにパンツありき。」だ。万理さんのチァメ気
とタイトルがすばらしい。
 上野千鶴子さんの「スカートの下の劇場」とともにアタシは「2大パンツ論考本」と
名付けたい。

 「パンツの面目 ふんどしの沽券」 著者 米原 万理  ちくま文庫 
  ( 定価640円+税  2008年5月30日 第3刷発行 )

勝負あり!

2013年06月20日 | 古本
 久し振りに古本屋さんに行くと、こんな本が出ていた。
 長く須貝興行にいて、2010年に退職したとのこと。映画の仕事やそこで培った交
遊録や、懐かしい札幌の映画館の盛衰史も。
 しかし、当然あの4人組(須貝を辞めて、自分達の映画館「ジャブ70ホール」を作っ
てしまった人たち)のことだってどこかに出てくると思いきや、これが一行たりともそ
の記述はない。上司、同僚、部下のことなどは散々触れておきながらだ。いまだになに
か確執があるのだろうか。なんだか大人気ないと思うのはアタシだけか。
 黒田信一さんの書いた「突撃!グフフフ映画団」(講談社文庫)はその辺を書いてあ
るのだが、これはもう「突撃!―」の方が圧倒的に面白い。勝負ありなのだ。

 「銀幕遊びの流れ旅」 著者 横田 昌樹  中西出版 定価1400円
  ( 2010年6月19日 初版第1刷 )

ルーツ

2013年06月15日 | 古本
 どうも最近読書に身が入らない。気になることがありで、落ち着かない。

 チェ・ゲバラのことを書いた本は何冊か読んでいるが、ゲバラ自身が書いた日記は初
かな。アルゼンチンとキューバとボリビアは彼が思い描いた国になっているのでろうか。
 「ゲバラ日記」 著者 チェ・ゲバラ 訳 高橋 正  角川文庫 定価520円+税
  ( 平成17年7月5日 改版15版発行 )※初版は昭和44年

 ルーツものにほとんど興味がない。親のことさえほとんど聞かずに生きてきたし。
何代もさかのぼって調べたのは星野さんらしい。そこそこに読ませて、いやみがないの
もいい。江戸時代からの庶民のしたたかな漂流の歴史だ。
 「コンニャク屋漂流記」 著者 星野 博美 文藝春秋 定価2000円+税
  ( 2011年7月20日 第1刷 )


ベーカム

2013年06月10日 | その他
 すっかりミニ機材博物館「去年屋」している(笑)
 写真はSONY BVP-70IS+BVV-5、きわめてトラブルの少なかった
黄金のコンビのベーカムカメラとVTRだ。このカメラで何十年もメシを喰ってきた
といっていい。スイッチ類も手に馴染んでいて、暗くても全てが操作できる。ただも
う随分長い間電源も入れていない。いまでも現役だと思うから、そう信じて電源は入
れないけど(笑)
 体重を量ってあげた。BATT BP-90を入れてなんと12,6kgあった。
 マットBOXのハレ切りをあげると全長90cmにもなる。いま考えるとこんな重く
てバカでかいカメラをかつぎ、フィルドを駆け回っていたのか。
 小さくて軽いカメラに馴れた今は、手にして持つだけで大変だ。あぁ・・・

立方体展示

2013年06月05日 | その他
 3年ぶりに映像機材室を整理した。堅牢なスチール棚を買ったので、そこに8mm
映写機8台、16mm映写機が3台が納まった。すると部屋の中はやや平坦になり、
見通しがよくなった。ただ大半のものはケース入りで立方体重ね展示というべきか。
久し振りにカメラをケースから取り出して日光浴させ、アタシはうっとりと眺めた。
 この〔CP-16 SUNND CAMERA〕16mmカメラは、アメリカのケネ
ディ大統領が飛行機のタラップを降りてきた時のニュースフイルムのなかに、待ち構え
ていた記者団の中で何台か使われているのをみつけることができる。ほぼ半世紀前から
盛んに使われていたであろう機種だ。
 してこのカメラ自体は、どんな被写体に立ち向かったのだろうか。ガタイはまだし
っかりしていで、20ボルトの電源を与えたなら、たちどころに長い眠りから目を覚
まして駆動し、その役目を果たすだろう。