BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

無人駅叙景ー4

2013年07月31日 | 時と事
 あす2013年8月1日 待ち望んだ作品がついに発売となります。

 『無人駅叙景-2013』 JR北海道12路線71駅 季節に巡る辺境・秘境駅物語
              作品時間77分
           DVD版 1400円+税
           DVD版+B-Ray 2枚組みセット2600円+税

 道内の各主要書店 アマゾンにて一斉発売
 (紀伊国屋書店、コーチャンフォー、文教堂書店などです)

 そして発売記念イベントを、紀伊国屋札幌本店にて 8月2日(金曜日)
 18時から行います。
 (札幌市中央区北5条西5丁目 55ビル 札幌駅横です)
 フォトライター矢野 直美さんと、40分に短縮した作品をHDプロジェクター
 に上映してのトーク&矢野さんのサイン会。たくさん出版されている写真集が
 ならびます。矢野さんファンはぜひお集まりいただければ幸いです。(1時間
 くらいのコンパクトなイベントです)

 紀伊国屋書店札幌本店に立ち寄り、偶然イベントポスターを見た方からすぐに
手紙を貰った。
 手紙を貰ってあんなに嬉しくて、泣いたのは初めてだ。あんなに幾つもの小さな
偶然が重ならなければ、これはありえない奇跡的なことだ。
 そのときしみじみ、この作品に報われたと感じた。詳しくはいずれ書きます。

 関係者のみなさまに、協力いただいたスタッフに、幾重にも感謝申し上げます。
 

無人駅叙景ー3

2013年07月25日 | 時と事
  静かな入り江のような無人の駅に
 一輌の汽車から降り立ったのは冬だったのか、夏だったろうか。
 そこは平野のなかに、ぽつねんと在る小さな無人の駅舎。
 なにか強固な意志のもとに時を刻んでいたかのようだ。
 かって、この駅に降り立った先祖を開拓に留め
 その子孫を送り出した駅だ。
 そうここは曽祖父と祖父が降り立ち、父と母が旅立った土地なのだ。
 しかしもうここには、父に聞いていた昔日の面影はどこにもない。
 待っていていてくれたのは、なんの愛想もない朴訥な駅舎だけだ。
 駅前は幾つかの店さえなくなり、一本の街灯を残した広場になっていた。
 なったとて、もう人が集まることもささやかな日々の喧騒もない。
 だが、いまの静かな駅舎の佇みが、無意味でも無力でもない。
 わたしにつながる萌芽と、人の暮らしを見守り、鉄路は続いていたのだから。 
 これは無人ではあるが無言ではない、今に伝えるべき駅舎物語だ。

  夏、祖父が暮していた一番近い駅に 私は降り立った。

  (※「無人駅叙景」企画イメージから 写真は宗谷本線 糠南駅 
                       おそらく日本で一番小さい駅舎だ)

無人駅叙景-2

2013年07月23日 | 時と事
 『一輌の汽車は木の葉のように舞い着き、踊るような音をたたて去って行きました。駅舎
のベンチのキズは、だれかと未来への伝言でしょうか。』

 木像駅舎を撮ってみたくなったのは、2010年の春のことでした。花咲線(根室本線)
という名に魅かれて釧路から根室にある趣のある駅舎を撮りました。するとこれが面白く、
たとえその駅舎がリサイクル列車であっても、そのたたずまいやホームから見た線路の寂寥
感に魅せられました。
 それならと全道の12路線にあたりをつけ、ここ3年は辺境地の駅めぐりという旅をつづ
けておりました。そして辿ったのは100駅以上になり、その中から71駅を選び編集しま
した。

 見渡す限りどこまでも真直ぐな単線レールは天を突き抜け地に潜り、野にぽつねんと建つ
小さな駅舎は儚くも愛しいもののようにみえました。無造作に留め置かれた一台か二台の
自転車は、その地域に引き継がれている生徒達の、今も「青春を汽車通学」させている証
です。その懐かしい風景において何かを思い出したり、何かの考えに耽っていただくのも
一興です。

無人駅叙景

2013年07月21日 | 時と事
 かねてより商品化の準備をしておりました「JR北海道12路線71駅 無人駅叙景」と
いう作品が、とうとう正式に8月1日に全道の主要書店・アマゾンにて発売になります。

 DVD盤が1,400円+税  DVD盤+B-Ray盤の2枚組みが2,600円+税
いずれも作品時間は77分と同じです。「JR北海道商品化許諾済」商品です。

 少々高いのではと思われますが、特にスポンサーも付いてない小部数発行の宿命です。
その分自由に気兼ねなく撮り、思いのままに編集した〔季節に巡る辺境・秘境駅物語〕と
いう作品になりました。勿論撮影機材や編集・MA作業、音楽録音においては仕事仲間に
多くの協力を得ました。改めて感謝の言葉を申し上げます。

 さて8月1日の発売に伴い、翌日2日(金)18時から札幌駅横 紀伊国屋札幌本店の
1階 インナーガーデンにて、発売記念トークイベントを開催することになりました。
フォトライター 矢野 直美さんをゲストにお迎えし、40分の短縮バージョンをプロジェ
クター上映するトーク会です。矢野さんにはご自身の写真集などへのサイン会もあります。
矢野 直美ファンの方々には、是非大勢お集まりいただけると嬉しいです。

 そしてまた当ブログを訪問し読んでいただいている皆さんに、この機会ですからご来場
いただければ幸いです。してその作品については、次回に書きます。

 写真はイベントチラシです。現物の仕上がりにはもう少し時間がかかります。

 祝

2013年07月18日 | 古本
 もしこれが「風葬」と同レベルなら、むしろ読まない方がいいと避けていた。しかしこの
ところの古本不入りで困っていた。均一棚をみると「凍 原」の文庫があった。ついに桜木
さんも均一棚に並ぶほど、売れているのだ。喜ばしい。そして「直木賞」だ。
 「ホテルローヤル」を読んだとき、直木賞はこれで決まりだと書いた。当ブログ本年2月
11日の〔生きてて〕をみてほしい。これで受賞しなければ、選考委員の目がおかしい。
 同時候補になっていた某流行作家とは覚悟が違う。架空名の地域や国の名前さえイニシャ
ルにして書く、あんななまくら作家とは覚悟が違うのだ。
 今回の直木賞は本当に嬉しい。祝だ!

 「凍 原」 著者 桜木 紫乃  小学館文庫 定価619円+税
  ( 2012年7月23日 第3刷発行 ) ※2009年の単行本で刊行された
   作品を完全改稿し文庫化とあります。  これで少々長くなったのかしら?

がお~

2013年07月12日 | 古本
 やっぱり気になるので、これを先に読んでしまった。いま夜寝る前にしか時間がないので
1週間かかった。苫前町の三渓別羆事件はエピソードとしてワリと簡単に触れられていた。
 しかし内容は、これはまさしく「ターミネィター」のヒグマ版で、巨大人喰い熊の〔ギン
コ〕はターミネィターだったというシャレだ。そして熊に喰われる人間もなかなかで、身体
がバラバラになっても声をだしたり、反撃するのだからすごい。すると人間もまたターミネ
ィターというべきか。
 あんまりの荒唐無稽に100ページほど読み進んだところで投げ出そうとしたが、結局
最後まで読んでしまった。がお~。

そ ぞ ろ

2013年07月05日 | 古本
 あれ、どこかで見たことのある著者名だ、と思った。
 文庫本の棚を忙しく目を走らせていた時だ。
 手にとるとそうだった。あの「木村政彦はなぜ―」の著者だった。そうかそう言えばこんな
のを書いていたいたことを思い出した。これは1915年(大正4年)の冬に起きた苫前町
三渓別ひぐま事件を参考にしたミステリーなのかどうか、まだ読んでいないから分からない。
では読後に取り上げればいいのだが、今は別なのを読んでいてその次のその次くらいな順に
なる。なんしろ最近なかなか読書に集中できず、1冊読むのに1週間かかって進まない。
なにかと気掛かりなことに集中していると、読みはそぞろになる。その気掛かりなことは来
週あたりにここに書けるので、もう少々お待ち下さい。

 「シャトゥーン ヒグマの森」 著者 増田 俊也  宝島社 定価562円+税
  ( 2009年7月13日 第2刷発行 )