BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

中上さん

2016年08月07日 | 古本
 まさか中上 健次さんが歌手〔都 はるみ〕さんを書いていたことは知らなかった。これも除籍本で
へえー、あの中上さんが書いたのかと訝った次第。
しかしどうもこの手を書くことに慣れてはいないようで、いまいち〔都 はるみ〕という人物像が浮かんで
こない。世の中のあまたのタレントはややこやしい幼児期を過ごした事が多いようだが、なにかこう
陰鬱な印象を受ける。ただそれも有名になったから書かれていることで、世間いっぱんによくあること
さと、アタシはとくに感慨もない。なぜ歌手を引退したのか、そしてまた復帰したのか、その文章は
少ない。
そういえば思い出したが、〔都 はるみ〕さんが歌手復帰第1作は「小樽運河」という歌ではなかった
ろうか。その歌のカラオケビデオをそのまんま小樽運河で撮った記憶がある。寒い冬で、東京から来て
いた女性ディレクターは夏と同じ靴を履いていた。まさかハイヒールではなかったが、寒そうだったね。
 「天の歌 小説都はるみ」 著者 中上 健次  毎日新聞社 定価1100円
  ( 1987年12月15日 第2刷 ) 

無 冠

2016年08月02日 | 古本
 この本、買った覚えがないがBOOK‐OFFの410円シールが貼ってあるので、
どこかで手にとったのだろう。
 大阪・飛田にある遊郭経営10年の親方をしていた著者が書いたその実態。ただ特別
どうということもなく、読んで損した時間を過ごしてしまった。〔読んで損したことの後悔〕
と怪しい日本語の迷惑メール的消去だ(笑)
 「飛田で生きる」 著者 杉坂 圭介  徳間文庫カレッジ 定価720円+税
  ( 2014年10月15日 初版 )

 生江 有二さんは金子 正次の生涯を描いた「ちりめん三尺ぱらりと散って」を書いた人。
サブタイトルは〔俳優金子正次 33歳の光芒〕とある。映画名作の「竜二」の脚本を書き
その主役を張ったのが金子さんだ。その金子さんは誰も俺を主役などには使わない。ならば
と自分でつくりたい映画を自分でやるとした俳優だった。
 彼は「やりたい映画があるなら、自分で行動せよ」とばかりに行動したのだ。当時そろそろ
自分の好きな作品を撮りたいと思っていたアタシはこの言葉に打たれた。そうか撮影にしろ
自主映画にしろやりたい作品があるなら自分で金を出してやればいいと、あたりまえすぎる
ことに気が付いた。その言葉がきっかけで自主製作を撮り始めたのはいうまでもない。
〔やりたいことがあるなら、ひとをアテにするな〕アタシはそれを信条としてきたつもり
だが・・・ 
 この本には無冠の疾走者たちが数多く登場する。
 「無冠の疾走者たち」 著者 生江 有二  角川書店 定価990円
  ( 昭和57年10月20日 再販発行 )
 ※この本は例の除籍本。13人の方が借りた印がある。