BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

おやつグラフィティー

2019年11月26日 | 公演
何十年ぶりに行った〇ヨ池内デパート6階の本屋さんの一画、「やっぱり、おやつが好き」のイベントは大盛況。
煎餅や饅頭の奥深さを知った、全道各地、意外と小さなまちにも製造販売している、または製造していた製菓店
があったのだ。代が変わり、店舗が変わり、規模が変わっても脈々と〔おやつ〕つくりは続いている。
そんなおやつの変遷を明治期から現代まで、現物からケース、包装紙、栞まで丹念に保存している。その歴史を
身を粉にして調べ上げる。しかもそれは御菓子に限らず、塚田 敏信先生は銭湯・市場・商店会・食堂・喫茶店・
〔館〕とつく図書館・博物館・美術館・文学館・資料館等々上げればきりがない。すべからく世の森羅万象の庶民
文化を収集しているのだ。また話が面白くて、口上がうまい。さすがに大学や高校で教えている人は凄いのだ。
講演の終わりで売っていた本を1冊買わないわけにはいかない。それがこの本、アナタの記憶にある〔おやつ〕は
載っているはずです。
 「ほっかいどうお菓子グラフィティー」 著者 塚田 敏信  亜璃西社 定価1400円+税
  ( 2012年2月2日 第1刷発行 )

シュワシュワちゃん

2019年11月21日 | 映画
すっかり新装となったシネコン、ユナイテッド・シネマ札幌に行った。まずチケット売場がすべてタッチパネル式で
アタシなどには極めて難しい。なにしろ何から何までパネルでタッチだ。全ての条件を入れてやっと発券だ。アタシ
は何から何までおねえちゃんに教えを乞うた。初めてIMAXなる部屋を選び1700円。あまりに大画面過ぎて席
を一番後ろにすべきだったと後悔。もう視野狭窄になっているのだ。昔はディメンション150度の映画も平気だった
のになあ。ディメンション150度とは普通の人間の水平方向の視野角度だ。
で観たのは「ターミネーター:ニューフェイト」、リンダ・ハミルトンもシュワちゃんもすっかりシュワシュワでお歳
を召した。アタシは滅多にアクション映画を選ばないし、そもそもハリウッドアクション映画はあえて避ける。アップ
アップの繋ぎで編集のごまかしに我慢がならない。まあこの映画もその類で途中でイネムリ気味になった。全編がCG
や特撮であまりにも味気ない。観にいったアタシが愚か者でした。例によって上映中のチラシは撤去している、しかも
シニア料金でも1700円の出費、勿体なかった。
今回チラシもないので写真はない。こうなればあの券売機が並ぶ味気も無い風景でも撮るんだった。

あいとは?

2019年11月20日 | 映画
映画「i 新聞記者」の主役はもちろん東京新聞の望月 衣塑子だがもう一人助演男優賞は菅菅義偉官房長官 だろうか。
あの仏頂面で人を食ったような官邸の会見しかしないブ男が、令和と発表しただけでなぜに人気になるのかアタシには
分からんとです。あの男が官邸と役人を操り、なになにには当たらないなどと発言するたび、アタシは吐き気がする。
その吐き気を余すとこなく森達也は描いた120分、あのゴーストライター問題を起こした佐村河内 守氏「FAKE]
以来だ。ただアタシには望月さんも当たり前の普通の新聞記者にしかみえない。他の報道メディアが権力に忖度した論調
記事しか書かないだけだ。
安倍晋三が総理大臣を在職最長の記録だそうだが、その分多くの国民がなめられているのだ。国民は民度以上の政治家を
持ちえないというのは本当だ。アタシの命も持ってあと10年、どんな社会になってももう知らん。まずいことになって
目覚めても、もう遅いのだ。せいぜい自由の無い、息苦しい社会を味わうとよい。
ところでタイトルに〔i〕が付いているのはどんな意味だろう?別の同名タイトル映画があったようだが、区別するだけの
意味か。それなら森 達也監督の「新聞記者」とすればいい。
 「i 新聞記者」 監督 森 達也  制作・配給 スターサンズ  2019年 ビスタサイズ 120分

なめ茸タイトル

2019年11月15日 | 古本
芥川賞受賞で少し話題になっていたが、もう古本で読めるのは嬉しい。倉本聰さんの富良野塾を原体験とした小説。
これがフィクションでもノンフィクションでもどうでもいい。要するにきっとこんなことがあったのだろうであろう
で、何の問題も無い。読んでも読者はなんにも悩まないだろう。ただこの「しんせかい」というタイトルはいいのか
これで。なにか他に無かったのかいと思わせ、著者には新鮮な世界だったのだろうが、どうも凡庸でこちらが恥ずか
しい。同時に短編が合わせ技で付いている。タイトルは「素直に言って覚えていないのだ、あの晩、実際に自殺した
のかどうか」というタイトル。もう読む気がなくなる読者をなめ茸タイトルだ(笑)読んだけど。
 「しんせかい」 著者 山下澄人  新潮社 定価1600円+税
  ( 2017年1月30日 2刷 )

小林 紀晴さんの本は古本に出ている限り、多分全部読んだ。しかしこのシリーズも最初のが一番面白かった記憶。
なんでもそうだが、たとえば歌い手の誰でもファーストアルバムが一番いいのはなぜだろう。
「アジアン・ジャパニーズ」「アジアン・ジャパニーズ2」そしてこれが「アジアン・ジャパニーズ3」だ。
余計なお世話だが、このタイトルはもう止めた方がいいだろう。文章にも写真にもその初々しさや瑞々しいとこが
薄れてしまっている。手の内が知れ、ドキドキ感がない。そしてあまりにも生真面目でそれもいつものことだ。
どこかで驚かせて下さい、紀晴さん。藤原 新也さんくらいに。
 「ASIAN・JAPANESE3」 写真・文 小林 紀晴  情報センター出版局 定価1400円+税
  ( 2000年7月19日 第4刷 )  

貧しくて

2019年11月05日 | 古本
久し振りの出久根さん、大正から昭和にかけてあまたの雑誌が生まれ、廃刊になっていった。
1月号から12月号までほぼランダムに並べ、読み解いた。これはいかにも出久根さんらしい
仕事内容。帯のコピーにある「淑女はいつから腋毛を剃るようになったのか?」はこれらの雑誌
中からある日突然腋毛が消えた。それまでは、映画も雑誌もそこには頓着していない。ではある
日の雑誌がどれかはそう特定されていない。なぜなら全時代の全号を全て調査したわけではない
からだ。だいたいは昭和の前期からの雑誌だろう。
大型書店に行くと、今だってあらゆるジャンルの雑誌が置いてあり、それなりにペイしているから
発行されているのだろう。その範囲たるや眩暈がするほどだ。まずある特殊な趣味があったとして
その雑誌は間違いなく発行されている。ただ昔の映像機材に関した雑誌だけは見たことがない(笑)
 「雑誌倶楽部」 著者 出久根 達郎  実業之日本社 定価1600円+税
  ( 2014年2月15日 初版第1刷発行 )

この本建て続けて違うBOOK OFF店でみかけた。良き時代のHBCドラマづくりのお話。考えて
みれば東芝日曜劇場で年間数本の北海道発TVドラマがつくられていた。スタッフに知った名があるかと
思ったが、僅か1名2名だ。して具体的な機材の種類や機名が記されているか期待したが、それはなし。
テレビ創成期とは今に比べるとどれだけ恵まれていたかを確認できるのみ。機材的には今は恵まれている
といえるのだが、いかんせん現場のすべてが貧しい。
 「北のドラマづくり半世紀」 著者 長沼 修  北海道新聞社 定価1500円+税
  ( 2015年6月17日 初版第1刷発行 )