BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

活動写真

2018年07月06日 | 古本
古い移動用35mm映写機が手に入ったので、そもそも映画の発明となっている歴史的なものを調べてみた。
一応映写機的なものを発明したのは、アメリカではエジソン、フランスではリュミエール兄弟となっているが、
当初においては一人が覗いて見える程度のもので、今のように劇場で大勢が一同で見るという概念のものでは
なかった。いずれも1900年前後のことだ。それがトーキー(音入り)にまでに発展したのはおよそ100
年前の1920年頃で、その前後は一部分の音や同期する音声装置などを使っての上映だった。その間、その
後活躍したのが活動弁士だった。(その当時映画は活動写真と言われていた)
映写機は手回し方式で、弁士と映写技師の呼吸を合わせたものだったが、名調子でしゃべりたい所はゆっくりと
説明が面倒な所は早回しでと、呼吸を合わせるのが難しかった。ゆえに弁士と映写技師の仲はあまり良くなく、
お互い反目する立場でもあった。
やがて映画フィルムに音声トラックが焼き付けられ、同期する映像から安定してスクリーンに映写される時代が
やってくるのだが、それとて1930年代のことで、ある意味歴史としてはたかが百年で、そう長くない。
映写機そのものの技術的な発達とか、実物の歴史を詳しく知りたいと思ったが、それらを網羅する書籍はみあた
らない。(あれば是非手にい入れたいが)映画内容における評論的な雑誌や同人誌、書籍が発展するなかで機材
としての映写機材に焦点をあてた書物が調べてもない。すでにフィルム映写機材メーカーはもう日本にはなく、
札幌に戦後一社あったというが、信じられないことだ。(三和精機製作所というのが札幌駅近くに在ったという
証言はあるが、ネットで調べても出てこない)

この2冊も大雑把な映写機の歴史には触れているが、専門的な構造や回路の事までは当然ながら書かれていない。
「札幌と映画」は北海道新聞社が出している〔さっぽろ文庫49〕で道内の1900年代の劇場のことからの映画史。
近年の映画サークルから自主製作・上映活動など多岐にわたっている。知った名前が沢山出てきて面白い。こんな
ことならもう少し早く読んでおけばよかったが、それも昭和時代のことまでで、発行が平成元年6月27日だ。

「日本映画100年史」の著者は西川 昭幸氏でアタシも良く知る人物、以前にも「活字の映画館 明治・大正・昭和編」
を出したが、これは誤植だらけで資料にもならなかったが、今回のは改まっている。北海道・札幌の劇場史などが
詳しく書かれ、アタシも思い出深いことが一杯書かれている。西川さんは現在東京にお住まいだが、以前は札幌に
長くいた方で、お世話になった。 ごま書房新社 2016年3月30日 第1刷発行
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不惑を昔に過ぎて

2018年06月23日 | 新 刊
不惑を迎えた探検家〔角幡 唯介〕氏の小市民的日常的事情的みたいな。角幡さん結婚して子供もできて
今後の探検はどうなるんだと心配したが、しかし文章を書いている人はタダでも転ばない。そこはそれな
りに書くことが尽きないのだ。まあ奥さんとも折り合いをつけて、またどこかに旅立つ。
不惑の事情ばかりかと思ったが、過去の頓珍漢も満載。前エッセイ「探検家、36歳の憂鬱」の方が断然
面白かったが、少なくとも古本市場には出回らない作家さん。新刊を買って応援しよう。
 「探検家、40歳の事情」 著者 角幡 唯介  文芸春秋 定価1250円+税
   ( 2016年10月20日 第1刷 )

森さんの2冊目の小説か?名前は〔緑川 南京〕と書いてなんきょうと読むが、中学の先生に「大虐殺くん」
と冗談で呼ばれて抗議したと。まあ森さんの小説だ。今まで書いて来たことや、撮った映画のことなど小説
風にすると言いやすいのかも。森さんも3人の子持ち、時には新刊を買って励まそう。
 「虚実亭日乗」 著者 森 達也  紀伊国屋書店 定価1700円+税
  ( 2013年1月17日 第1刷発行 )

アタシはてっきり「日航123便 墜落の新事実」の続編かと早とちりした。読んでからよくよく帯をみると
前作の前作をリニューアルしたものだと分かり、落胆。それ以後またなにか新事実が再度発見かと期待した
のにやられた。まあしかしこれはこれで分かったこともあったので仕方なし。
ところでみなさん、墜落現場発見のあの空白の10時間に何が隠されているのか、してまた事故の原因が後部
圧力隔壁だなんてこと、まだ信じていませんよね。
結局巨大な圧力が米国から隔壁ではなく、日本政府にかかっていたのだ。ケネディ大統領暗殺がりー・ハイベィ
・オズワルド1人の犯人にしてしまう国だから、なんでもアリ、か。にしても当時の日本首相、中曽根康弘は
その前後箱根の別荘で水泳やゴルフに興じてた。あ~、なんて目出度い国なんだ。
 「日航123便 疑惑のはじまり」 著者 青山 透子  河出書房新社 定価1800円+税

ここのブログは久し振りです。読書や映画をみたりがちょっと縁遠くなってますが、なにかと気忙しく、決して
サボっている訳でも忘れている訳でもありません。いつも来訪していただいている皆様には感謝しております。

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生き抜く

2018年05月20日 | 古本
はて?〔おろく〕とはと読んでみると「南無阿弥陀仏」の6文字から市井の人々はろくにおを付けて
死人をおろくと言ったらしい。してその今でいう検察法医学監察医のことを「おろく医者」と言った
らしい。ただ宇江佐さんもあとがきに書いてあるが、本当に江戸時代、そのような医者が居たかどう
かは定かではないようだ。しかしこの連作短編では奉行所検屍役〔美馬 正哲〕というおろく医者が
本当に居たがのごとく説得力がある。あの時代にも、いかにもありそうな死体事件を他殺か自殺かの
謎ときに挑み、犯人にも迫っていく。もちろん医学的にも今の医学の理にかなったものだ。
参考文献として上野 正彦氏はもちろんほか4名の著作のタイトル・著者名が書いてある。読んでいる
途中、あれこれ上野さんの「死体シリーズ江戸版」かと思ったくらいで、そこは宇江佐さんの筆力だ。
 「室の梅 おろく医者覚え帖」 著者 宇江佐 真理  講談社文庫 定価514円+税
  ( 2006年12月1日 第15刷発行 )

佐藤 優さんについてはもう語るまでもないだろう。意外にも外交官の研修時代、最初はイギリスへの
語学研修だったようだ。そこで英語の基礎とロシア語の基礎をしっかりと身に着ける事だったらしい。
(ただ基礎と言っても日本のそれとは違うレベルだ)14ヶ月間の研修留学時代、数カ月はホームステイ
で過ごした。そこの家族にいた12歳のグレン少年、彼はなかなか頭のいい少年で、英語での聴くこと
も話すことも会話訓練には丁度いい相手だったようだ。それは対等な相手としてお互いを啓発した。
それが終わりを告げ、モスクワへの赴任となる。
しかしだ、天才とはかのごときものという見本、その細部にわたるグレン君や他の生活の佐藤さんの記憶力
には当時からICレコーダーでも有ったのかというくらいだ。
ムネオ事件に連座し投獄の身となったが、裁判が終わって出獄したら北海道に渡って中学生には英語と数学
を教え、大人にはロシア語を教える事で生活は何とかなるだろう考えたとあるが、そこが面白い。もしそう
なったらは無いが、あの才能は周りの誰もほっておくはずが無い。本当に誰の人生もこんなに面白い。
 「紳士協定 私のイギリス物語」 著者 佐藤 優  新潮社 定価1600円+税
  ( 2012年3月20日 発行 ) 
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墓穴(ぼけつ)

2018年05月12日 | 古本
この本、BOOK OFFで長い事棚ざらしになっていた。(108円だったにもかかわらず)うか
つに手にするには重すぎる内容だがその通りだった。寝本にして数十ページづつ長い時間がかかった。
例の連合赤軍を参考にしたノンフィクションともいえるもので、盗作騒ぎもあった。奥付には「供
述調書」「弁論要旨」「上告趣意書」「上告趣意補充書」「答弁書」等々の裁判資料に基づいてい
るとも。「事実」や「経過」について重なる部分があると書くなら、いっそのことノンフィクション
小説だと居直れば良かったに。とにかく残忍な「銃と血の革命」が「総括」という名によって、次々
と仲間を殺した。おぞましいというしかないのだが、立松さんがなぜこの事件に手を出したのだろうか。
 初出「新潮」1998年3月、4月、5月号
 「光の雨」 著者 立松 和平  新潮社 定価1900円+税
  ( 1998年7月30日 発行 )※多分、重版はなかったものと思われる。

いやはやこの本、図書館の「除籍本」のなかに在った。多分このタイトルには見覚えが無かったので
貰ってきたが、やはりここの本棚にも無かった。似たタイトルや文庫本化でのタイトル替えがあるの
で注意が必要。主には椎名さんが書いているが、例の「焚火隊」の面々が写真付きで書いている。
特にいう事も無し(笑)
 「春夏秋冬 いやはや隊が行く」 著者 椎名 誠  講談社 定価1500円+税
  ( 1999年9月16日 第一刷発行 )

しかしだ、この事件も不思議と言えば不思議な事件だった。例の「PC遠隔操作事件」有罪判決も8年
で結審している。仮保釈中、なぜわざわざ足のつくような墓穴を掘ったのか、もしそんなことしなけれ
ば無罪判決もありうるのだった。結局自分が世間から注目を浴びたいという、ヘンテコな犯罪事件だ。
この事件、4人もの関係の無い人が逮捕された。しかしおかしいのはその内2人が自白し、犯行を認め
たことだった。(あと2人は断固として犯行を認めなかった)全く無関係な2人がすごい権力の脅しと
強要で、危なく冤罪事件になったかも知れないことが問題なのだが、検察はその辺をうやむやにして、
全ては犯人の責任にした。
神保 哲生さんはTBSラジオの夜10時、荻上 チキさんのセッション22で時々出演している。
 「PC遠隔操作事件」 著者 神保 哲生  光文社 定価2400円+税
  ( 2017年5月20日 初版第1刷発行 ) 
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忖 度

2018年05月04日 | 古本
残念ながら菅谷利和さんは性格的に自己主張することや、強く出られるとそれに迎合するなどの傾向があった。
一旦やったと自白すると次から次へと取り調べに対し、曖昧な応えをすべて有罪的文章に書き換えられ、同意
調書とされてしまった。途中や裁判において無罪を主張するも、聞き入られるほど日本の司法制度は甘くない。
いわゆる自白偏重主義だ。調書をよく読みこめば矛盾点があるものの、弁護士も裁判官も思い込みで有罪だ。
確率が4分の1の血液型やまだまだ精度の悪いDNA鑑定も、すべて菅谷さんに不利にはたらいた。
そして一人の人間が17年と半年もの時間を牢獄に繋がれた。たとへ無罪となっても菅谷さんの17年半は戻ら
ないし、元の生活を続けるようなことにはならない。
いままでどれほど冤罪事件が起きただろうか。それも周囲のいろんな人の助力や真犯人が名乗り出ることによっ
てようやくの無罪だ。もし周囲がそれと気付かず無念の牢獄生活を強いられたり、吊るされたひとだっているだ
ろう。恐ろしいことだ。
 「冤罪 足利事件」 著者 下野新聞社編集局  下野新聞社 定価1700円+税
  ( 2010年11月30日 第1刷発行 )

本書は、「本の旅人」で2017年2月号から7月号まで連載されたものに加筆修正した本。ゆえに章立てで
6章、6人との対談連作だ。今まで森さんが書いて来た部分と重複はあるが、つい昨年のことゆえ〔忖度〕と
いう最新の言葉さえある。その忖度、過ってのNHKでのETV特集シリーズ「戦争をどう裁くか」の第二夜
「問われる戦時性暴力」放送では、安倍晋三や中川昭一が言ったのは「勘繰れや、お前たち!」で、彼らはま
だ〔忖度しろや!〕などの語彙は知らなかったのだ。(まああの程度の頭だからしょうがない)
日本の、国境なき記者団の報道自由度ランキングは72位という評価。メディアに関しては発展途上国並みだ
という。どうして日本人は自分の意見を言わないのか。アタシはつい言い過ぎて嫌われることもあるが(笑)
 「FAKEな平成史」 著者 森 達也  角川書店 定価1600円+税
  ( 2017年9月22日 初版発行 )
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クレイジー

2018年04月05日 | 映画
映画「ペンタゴン・ペーパーズ」をみた。メリル・ストリープとトム・ハンクス、監督がスピルバーグなら
観ないワケにはいかない。4代にわたる歴代大統領の30年に渡って隠されてきたベトナム戦争秘密文章を
暴露した。夫が亡くなり、ワシントン・ポストを引き継いだストリープは株主や顧問弁護士の反対を押し切
ってその機密文章を載せることにする。ハンクスは「自由報道を勝ち取るのは報道しかない」と。
ニクソンはそれを阻止しょうとしたが、ウオーターゲート事件により辞任するはめに。
さて日本政府の状況はどうか。各省庁の隠蔽や改竄などはあたり前で、それでも安倍君はツラをこいている。
権力の私物化はお友達優先政治で、平和のためにと憲法を変えようとしている。それでも国民の40パーセント
近くはまだ支持しているのだから、クレイジーと言う他ない。トランプを嗤っている場合じゃないんだけど。
世界もアメリカも日本も、歴史は何度も同じバカを繰り返す。

 映画「ペンタゴン・ペーパーズ」 監督 スティーブン・スピルバーグ  アメリカ2017年
  ユニバーサル・ピクチャーズ  主演 メリル・ストリープ  トム・ハンクス
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基 準

2018年04月03日 | 古本
時代物小説は好みではないので、ほぼ読まない。(数冊は読んだが)だが宇江佐さんの〔ウエザリポート〕
主に道新に書いていたものをまとめてなら読みたい。
1949年10月20日生まれ、2015年11月7日乳がんにて死亡。書き始めて丁度20年の書業。
大工さんの女房として2男を生み育てた。台所の横に机を置き日常にまみれた中、時間をつくり書いた。
函館が好きで、プライベートもあまり隠さず、東京へ出る事も無かった。そして自らの「乳がん」をも
女々しくなくリポートした。うなる程の文章じゃないが、素朴でウソが無い。66才の生涯だった。
 「見上げた空の色」 著者 宇江佐 真理  文春文庫 定価750円+税
  ( 2015年10月10日 第1刷 )

上野さんのこのタイトルは読んでない確信があった。ゲスト10人との対談、2万体の死体と向き合った。
2年か3年法医学を勉強して臨床医になろうとしたが、面白くなって東京都の監察医になった。
〔死体シリーズ〕はどれを読んでも面白いが、そろそろお歳だから心配だ。1929年生まれの89才。
最期まで書き続けてほしい。
 「死体を語ろう」 著者 上埜 正彦  角川文庫 定価533円+税
  ( 平成11年11月25日 初版発行 )

朝日新聞紙上で続いている映画評エッセイ。2007年から2014年までの中の90篇を選んだようだが
その選択基準とはどんなものなのだろう。
書きパターンはお決まりにしていて、分かりやすいと言えば分かりやすい。90篇中10作品くらいしか
アタシは見ていない。観ていない人にも分かるような評は、見ていないと何を言っているのか極めて分かり
ずらいアタシのほぼ難癖をつけるのとは大違いだ(笑)よくいえば視点が違うのです。
これがBOOK OFFで260円だった。どうも値段の付け方基準というものが分からんのだが、安いこと
には賛成する。
 「銀の街から」 著者 沢木 耕太郎  朝日新聞出版 定価1600円+税
  ( 2015年2月28日 第1刷発行 )
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アホらしくて

2018年03月27日 | 時と事
どうやら日ハムの新球場構想は札幌市のお隣さん、北広島市の「きたひろしま総合運動公園」内に決まった。
どうでもいいがなんだかホッとした。あれだけ大手の広告代理店を使いプレゼンしていたのだろうから、これ
が違っていたらどえらい事になっていただろう。最も札幌市だって同じ代理店を使っていただろうから、電通
にとってはどっちに決まっても損はない。きたひろの方が規模が大きいので、利益は多いだろうが。
しかしだ、年間何百億円もの利益を出している一企業に、あらゆる造成負担や固定資産税の免除をするという
ことはどういうことやねん、きたひろさん。確かにそれによって市が利益をえることもあると思うが、そんな
にきたひろさんの財政は豊かな豊か町なのですか?近隣の交通渋滞や路線価格の高騰、すでに住んでいる住宅の
固定資産税だって上がるに違いない。静かな環境も壊されるだろう。そのどこがきたひろにとっていいねん。
企業がもっとおおくのゼニを得たいという欲に、スポーツに名を借りた押し付け感動嘘編をバラまいて、庶民
のゼニをかすめ取っているだけだ。それにメディアも乗っかり感動を煽る。
前国税庁長官の佐川 宣寿氏の国会証人喚問の証言同様、あ~、なんちゅう虚しさ、アホらしさだ。
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危 惧

2018年03月24日 | 新 刊
不覚をとった。新刊をまさに二重買いしてしまったのだ。読んでいる内にどうも前に読んだ気がそこかしこに。
16年の2月刊だったから、以前もきっと新刊で買っただろう。まあほとんどは正午さん本は古本だったから、
せめてもの著者に対する印税のお返しだと思えばいいのだが。
今読むとどうも理屈ぽくて、面倒になってきた。前に読んだのだからと早読みにした。
佐世保でのひとり暮らし、年1冊ペースでしこしこ今も書いていると思う。でも直木賞をとったばかりだから
そうもいかないかも知れない。まあそんなことぐらいでペースを崩す作家じゃないが。
 「小説家の四季」 著者 佐藤 正午  岩波書店 定価1900円+税
  ( 2016年2月23日 第1刷発行 )

角幡さんが結婚して子供などがなどできたらどんな書きようになるか案じたが、それはとんだ危惧だった。
妻と2歳になった娘さんに見送られて、極夜行へと旅立った。半端じゃない命のやり取りと言える困難に遭って
北極の1日太陽が出ない夜の暗闇を、さまよい歩いた。特製の六分儀は風に飛ばされ失くし、現文明のGPSは
あえて持たなかった。星空の星座観測と、以前の記憶を手繰り寄せて4ヶ月以上もの旅になった。
途中にあてにしていた食料木屋はことごとく北極白クマに荒されて、食料などの補給はできなかった。終盤には
一頭の相棒の犬を殺して喰い、生き抜くしかない状況まで追い込まれた。しかしすんでのところで出発点の村へ
とたどりついた。まあ生きて帰ったのだからこのノンフィクションがあると、自分に言い聞かせて読み進めて行
けたことだけが救いなのだが、著者ともども途中はとても生きた心地がしない(笑)
冒険探検家とはいえ、あまりに危険な旅を今後も続けるのだろうか。少しのことではもう、本人も読者も納得し
ないだろうし、かといって高野 秀行氏路線には行けないのだから、その旅は危険すぎる方向へ向かうのか。
生きて、売れて欲しいと心から願うノンフィクション作家。
 「極 夜 行」 著者 角幡 唯介  文芸春秋 定価1750円+税 
  ( 2018年2月10日 第1刷 )



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クリントさん

2018年03月21日 | 映画
とうとうクリントさんも本当に終わってしまった。もう何も言うことは無い。偉大な監督の終焉を観たのだ。
映画「15時17分、パリ行き」列車内の出来事はなんのスペクタルもなく、犯人は1人でその背景などの
描写はない。映画が始まると延々と子供時代からの青年たちのお話が続き、アタシはシネコンの部屋を間違
えたのかとさえ思った。ほぼどうでもいい長いお話のついでにパリ行き電車に乗ったら、たまたま暴漢に出
会ったというだけのこと。時のフランスのオーランド大統領、感謝スピーチがまるで時間稼ぎのように使わ
れているが、なんの工夫も無い。
この世に信用のならないものが3つある。そば屋の出前の、いま出ましたという返事。スパゲッティの袋に
書いてある茹で時間。最後が映画のチラシの宣伝文句だ(笑)
永く生きるという事は、好きだった映画監督、作家たちを少しづつ消し失って行くということなのか。

 「15時17分、パリ行き」 監督 クリント・イースト・ウッド
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