BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

カ イ ロ

2011年10月26日 | その他
 あしたから函館本線と江差線の旅。あのへんは熊が出るから気を付けてとは、元
同僚カメラマンのはなし。そういう熊の出そうな駅を見に行くのだから、なんとも。
このところ汽車と熊の衝突事故が多発で新聞記事。それも小さな記事で、そのうち
新聞にも載らなくなる。まあそんな画が撮れたらそれはそれで。
 まあ、カイロは買ったし。(笑) 

辟 易

2011年10月24日 | 古本
 今度は秋の風情狙いで、道南地方へ辺境無人駅舎の旅にでる。北端に行くほどの
距離はないが、風まかせのひとり旅。南かやべの〔中空土偶〕(国宝・函館市)も
見たいのだが、なんしろ行き当たりばったりだからどうなるか。果たしてこの時期
車中泊は可能なのか、まだ氷点下ではないのだから凍死はあるまい。(笑)以前に
書いた〔糠南〕駅近く熊が出たと新聞に載っていたが、いくら何でもあそこほどの
辺境でもないだろう。
 先週は仕事をしていたから、本読みもそう進まない。この本は仕事前に読み終えて
いた作品。なんだかなぁ、文章がエラそうでヘキエキした。形容も修飾語も大袈裟
で陳腐。何度も投げようと思ったが、結局読んじまった。うむーと、溜息ひとつ。

 「アジアの路上で溜息ひとつ」 著者 前川 健一  講談社文庫 定価680円
  ( 1996年12月3日 第8刷発行 )

干 す

2011年10月19日 | 古本
 ①「笑え!五体不満足」 著者 ホーキング 青山 星雲社 定価1600円+税
  ( 1999年11月1日 初版第1刷発行 )
 普段はあまり探さないコーナーで見つけた。ホーキングさんのは2冊目。たけし
が〔ヤツは差別されるプロだ〕と言ったが、それゆえかそんなにいい性格でもない。
まあ、芸人だからそれもキャラというやつか。

 ②「ハリウッド女優になったOL奮闘記」著者 中村 佐恵美 ネスコ/文藝春秋
  ( 定価1500円+税 1998年8月6日 第5刷 )
 最近読んだ本のどこかでタイトルを知ったのだが、しかしタイトルも矛盾と分裂・
偽装気味、子供の頃親に叱られたと被害妄想。それでいて自己顕示欲だけが凄まじく
てヘキヘキ。本当に困った1965年生れの元OLちゃんだこと。

 ③「聞く猿」 著者 ナンシー 関  朝日新聞社 定価1000円+税
  ( 1999年2月20日 第5刷発行 )
 '90年代後半、65人の有名人への突っ込み。しかしいま読むともう忘れた有
名人が大半だ。リアルタイムで読むと面白いのだろうが、ナンシーさんも亡き人だ
し、アタシも均一古本主義だし。

 ④「地を這うペン」 著者 黒田 清  近代文芸社 定価1500円
  ( 1997年1月30日 第1刷 )
 黒田さんもすでに亡くなっている。(1931年~2000年)あの朴訥なしゃ
べりが懐かしい。差別や反戦をストレートに書き行動した。読売のナベツネさんは
こういう有能な記者を干して追放したんだもんなぁ。


発 掘

2011年10月12日 | 古本
 ①「医者 井戸を掘る」 著者 中村 哲  石風社  定価1800円+税
  ( 2001年12月20日 初版第6刷発行 )
 いつも不思議に思うが外務省や政治家は、なぜ中村さんから話を訊こうとしない
のか。それは中村さんたちの活動が、利権を生まないからだろう。簡単な話だ。
 「涸れる井戸を掘る」として蓮岡 修さんの現地活動報告も収められている。

 ②「カヌー犬・ガク」 著者 野田 知佑 小学館文庫 定価438円+税
  ( 1998年7月1日 第5刷発行 )
 野田さんのカヌー犬・ガクの話だけを集めた〔ガク追悼文庫〕。
 '94年ガクと北海道の歴舟川をTVの仕事で下ったと書いてあるが、その時TV
クルーとしてアタシもそこにいた。だがどうにもアタシにガクがいた記憶がない。
20才を過ぎたころ、道を歩いて犬にヒザをガブリと咬まれた。その時以来犬が苦手
になったせいか。

 ③「ナンシー関の ボン研究所」著者 ナンシー関 角川文庫 定価476円+税
  ( 平成15年6月25日 初版発行 )
 こうして埋もれているナンシー本が発掘される。結局売れていたからでアタシは
ありがたい。本当に惜しい。2002年6月12日逝去。

 ④「からだのままに」 著者 南木 佳士  文春文庫 定価495円+税
  ( 2010年1月10日 第1刷 )
 なんどか繰り返している話を、繰り返して読んでもちっとも苦痛にならないのが
南木さんのエッセイだ。

 ⑤「かまちの海」 著者 山田 千鶴子  文春文庫 定価552円+税
  ( 2004年3月10日 第1刷 )
 〔山田 かまち〕が、母親の山田 千鶴子さんによって書かれた。あるていど死の
その日の状況が明らかにされた。それにしてもかえすがえす惜しい才能を私たちは
失ったのだ。

 ⑥「それでもドキュメンタリーは嘘をつく」 著者 森 達也 角川文庫
  ( 定価552円+税 平成20年9月25日 初版発行 )
 草思社から2005年3月に単行で出た「ドキュメンタリーは嘘をつく」に、
加筆修正し改題文庫化したもの。年に一度くらい読み返し自己検証すべき本。

とみに・・・

2011年10月07日 | 古本
 どうも図書館で借りた本は読み通す執着心が薄くなる。50円でも100円でも
出すと必死になるが。2冊とも後半は斜め読みしてしまった。朝倉さんは一体どん
な読者年齢層を想定しているのだろうか。少なくともアタシのようなオッさんは頭
にないだろうけど。うむー最近とみに、なんだか段々愛せない作家になっていく。
 ①「玩具の言い分」 著者 朝倉 かすみ  祥伝社 定価1429円+税
  ( 平成21年5月20日 初版第1刷発行 )
 ②「声出していこう」 著者 朝倉 かすみ  光文社 定価1500円+税
  ( 2010年8月25日 初版第1刷発行 )

 勝谷さんはどうも演技過剰気味、中にはまともなことも言っているのだから、
そんなに興奮しなくても。
 ③「坂の上のバカ」 著者 勝谷 誠彦  扶桑社 定価1400円+税
  ( 2011年3月10日 初版第2刷発行 )

砂 金

2011年10月05日 | 古本
 ①「活字のサーカス」 著者 椎名 誠  岩波新書 定価480円
  ( 1987年12月18日 第7刷発行 )
 なんとシーナ本が岩波新書で在った。あまりの収穫の無さに新書棚に目を移すと、
1冊あったのだ。シーナ本はもう砂の中から、金を一粒探すようなことでしかみつ
からない。古本屋さんにあらん限りのシーナ本は読みつくしたのだ。
 ②「パラレル」 著者 長嶋 有  文藝春秋 定価1429円+税
  ( 2004年6月30日 第1刷発行 )
 結婚前の男女の有象無象小説は世にあまたあるけど、長嶋さんはリコン相談中か、
リコン後のソコハカナイ男の心情を描く。そこがまたリアルでいいのだ。
 ③「大学助教授の不完全犯罪」 著者 松田 美智子  恒友出版 
  ( 定価1360円+税  1994年9月21日 初版第1刷発行 )
 そういえばこんな事件があったと思い出したが、それを松田さんがどう書いたのか
が読みたかった。ただ文中の端々に「ワタシはアンカー」という感じがバレバレ。
こういう仕事を自分の名前にして嬉しいのだろうか。 

糠 南

2011年10月02日 | その他
 恐らく駅舎としては日本で一番小さい(?)あの駅に、いま人が降り立つのだろ
うか。スチール製物置に窓を付けた改造型だ。その身の丈に合った寸法が微笑まし
い。そもそもがどうしてここに駅が出来たのか、理由がもう不明になっている。
 しかしかろうじて駅周りには小さな畑があり、何種類かの作物が育っていること
で人の気配を感じる。入り口の戸を開けると、飲料ケースを逆さにしたその上に
座布団が載っていた。一人専用駅舎のようで、延ばすと左右の壁に手がつくだろう。
 お爺さんかお婆さんが、ひとり座って汽車を待つ情景が目に浮かぶのだが、もしか
するともうその席さえ、必要とさていないのかも知れない。座布団は薄っすらとホコ
リっぽく、おしりという圧力がかかった形跡がない。
 けれどもあの小さな窓から誰かが、乗るべき列車の方向をみつめ、待っていたのだ。