BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

本コロとスマホ

2018年09月24日 | 古本
随分ご無沙汰してしまった。忘れているワケでも、本を読んでないワケではない。だが以前と比べると
格段に減ってしまったことは事実。ここで生活していると隣町にある新刊書店に行く気も、BOOK
OFFに行く気もそう起きないのだ。このあいだ軽い気持ちで〔佐藤愛子〕のベストセラー本を借りら
されて読んでしまい、激しく後悔などしてしまった。時間を返せだなもし(笑)

札幌に戻ると、少しの間をぬって勝手の知ったBOOK OFFへ。そこで見つけた本2冊、あと2冊は
しょうがないので面白かったここに在る既読をだ。

ある古くからの写真館一家にまつわる、著者本人のノンフィクション。祖父は写真館を営み、いわゆる
写真家とは名乗らない。だがまぎれもなく、昭和の市井の人々を撮った写真師だった。著者とその祖父
がどこで結ばされた話になるかを、気をもたされる。そしてあとがきでそれが明かされると、なるほど
そうかと思わせる仕組みが成功している。写真はしっかりと昭和を捕えていたのだ。
 「本所区東両國 工藤写真館の昭和」 著者 工藤 美代子  朝日新聞社 定価2350円
  ( 1990年10月30日 第1刷発行 )

2002年に発行で以前の「本コロ」2001年刊の1年後の〔延長戦〕とある。ややこやしい言い方
だがつまりは2001年2月に出した『だれが「本」を殺すのか』の刊行後、1年3ヶ月後に出したのが
この『だれが「本」を殺すのか 延長戦 PART-2』ということになる。まあ言い足りなかったことや本人
の講演などを文章化したもの。延長戦が出ていることは知らなかったし、しかも186円だった。それだけ
でも嬉しい。して2018年の今はどうなのか知りたい。増々の増々なのか、また「本屋大賞」なども出て
きたが、本どころか新聞さえ読まない世代が出現している。あれだけスマホのメールやラインが好きなら、
本など読む時間はない。夜の地下鉄、若者はみなスマホをいじるか耳にイヤホンだ。アタシはその様子を
見ると気味が悪くなる。あれほどに他者と繋がりたいのなら、目の前にいる他者はどうして観察しないのか、
本でも読んで世界を広げようとしないのか不思議だ。簡単に手に入る情報は軽いしなんのリアリティも無い
だろうに。
 『だれが「本」を殺すのか 延長戦 PART-2』 著者 佐野 眞一  ブレジデント社 定価1600円+税
  ( 2002年5月9日 第2刷発行 )

あとは既読だった佐藤 優さんの「獄中記」と 森 達也さんの「下山事件」これは何度読んでも面白い。