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サンライズ九十九里と落語と人情と!

2019-03-01 01:46:33 | 落語
 久しぶりに房総に出前寄席を届けた。全国屈指の人気を誇る「サンライズ九十九里」(http://www.sunrise99.jp/)である。全長約60キロに及ぶ雄大な九十九里浜のほぼ中央に位置し弓型に張り出した全室オーシャンビューの素敵なホテル。

 サービスの良さと料理自慢が評判を呼び常に公共の宿泊施設ベスト5に入っている人気のホテル。だからリピーター客が多い。

 とにかく料理が抜群。特に魚は新鮮でうまい。天ぷらなどは見ている目の前で上げてくれる。名物、屋台のイワシの一夜干しは食べ放題。

 吹き抜けのロビーには何百体と言うお雛様が緋の毛氈に鎮座して迎えてくれた。これだけ並んでいると圧巻だ。

 私たちがなぜ「サンライズ九十九里」を大事にしているかと言うと2009年3月14日に初めて訪ねた際、支配人の吉野さんをはじめホテルのみなさんが大変よくしてくださったからである。

 会議室を無料で貸してくださったほかに、会場の設営からマイクの調整まですべてやっていただいた。古今亭志ん朝などと噺家の個人名を書く「めくり」まで用意してくれた。

 感激したのはロビーの応対。宿泊客に部屋のカギといっしょに私たちの落語会のチラシを渡し、ひとりひとりに「説明」していた。その様子を偶然見た私たちは、感激で胸が詰まった。

 無料の落語界にここまでするところはない。その時の感謝の気持ちから「サンライズ九十九里」をホームグランドのように考え、寄せていただいている。

 ある時、開演前の会場を見て驚いた。本職の噺家が使用する大型の座布団高座に敷いてあった。

 「やめてくださいよ吉野さん。私たちはこんな立派な座布団に座るほどの腕を持っていませんので」と恐縮する私。

 これに対し、「いえいえ、みなさん方は宿泊代を払った上に、無料で落語をやっていただいております。これは私たちからの感謝の気持ちです」と吉野さんが言った。

 これほどありがたいと思ったことはない。その時私は思った。「サンライズ九十九里」での「つくも寄席」は絶対に続けなくてはならない。

 ここ数年は相棒の落語仲間が体調を崩しご無沙汰していたが、以前のように年に数回は落語を披露したいと考えている。

 「サンライズ九十九里」と言う名前の通り、4階の展望風呂に首まで浸かって、真っ直ぐに延びた水平線から朝日が昇るのを眺めるのは最高の気分だ。まさに絶景である。

 東京駅前からは直通の乗り合いバスで90分。ホテルの前まで連れて行ってくれるから便利だ。

 今回は、午後4時からの「夕席」と同8時からの「夜席」の昼夜2公演。

 「夕席」は愉快な滑稽噺の「粗忽長屋」「カラオケ病院」「居酒屋」「寝床」。

 そして「夜席」は「転失気」「初天神」のほかに、チョイと色っぽい吉原の廓噺「明烏」「お見立て」を披露した。大変な大入りで嬉しい限り。

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