小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

保護者にどれだけ言われても,それはやっちゃだめだよ

2014-01-20 06:47:52 | 保護者への攻略法

今度,地域で開催されるドッジボール大会があるのですが,土日の大会なので,基本的にはPTA主催という形です。

ですが,練習から当日の引率まで,実際はほとんど担任がしています。

本校では,すっかり高学年担任のお決まりの仕事となっています。

今年新しく赴任した先生が,このドッジボール大会に向けていろいろと悩まされています。

とても真面目ないい先生なんです。

「参加申し込みは誰がするんですか?」

「ユニフォームは?」

「ルールを知らないんですけど…」

「当日の弁当は?」

PTA主催なだけに,そういったところがなかなか明確になっていないところがあって,その年々でやり方が違ったりもするところです。

私も最初にやったときは,いろいろと分からないことがいっぱいありました。

この先生が,あるときクラスの保護者に詰め寄られたようです。

「当日朝の,会場の場所取り」

について。

スポーツ大会ではよく見られる光景ですが,朝,体育館の開場とともに,応援団が応援席の場所をできるだけ早く確保しようとします。

ブルーシートを広げたり,荷物を置いたりして。

このドッジボール大会でもそれがあって,その役目になった人は,早朝から大変です。

どうやら,この先生はこの役目について

「前は,A先生が走ってしてくださったんですけど,今年はされないんですか?」

と,結構強い態度で迫られたようです。

新しい先生ということで,逆に経験の多い保護者の方が強く出ちゃっている様子が,想像つきます。

その先生は,当然そんなこと知らないわけですから,その場では保留して,職員室に持ち帰ってきました。

そして先生たちに相談。

「…って言われたんですけど,どうするんですか?」

これへの回答は,二人の先生によって二つに分かれました。

二人とも体育専門の先生です。

一人は

「前から,朝一番に並んだチームは優勝するってジンクスがあるんだよ。~先生のときもそうだったもんなぁ。私のチームは昨年は3位だったから,今年は朝早く並んで…」

と,笑顔で。

「先生がする」とは言っていませんが,明らかに遠回しに「がんばってやろうぜ」って言っています。

明るく,冗談めいた話にも聞こえますが,まじめな新任先生はきっと真に受けちゃうでしょう。

もう一人の先生は,こう答えました。

「その場所取りは,絶対先生がやっちゃいけないよ。」

おぉ

「今年やったら,また来年も「先生お願いします」ってなるんだよ。だから絶対やっちゃいけないよ。」

なるほど。

「ちゃんと役割を区別するところは区別しないと。そんなものは保護者がやるべきことだから。」

私も聞いててそうでしたが,(実際私も,自分で場所取りをしたことはありませんが)新任先生も,こちらの話の方が腑に落ちたようで,そうすることにしたようです。

確かにそうですよね。

自分が熱心にやることはいいことだし,それで助かる人は多いでしょうが,長い目で見ると,自分のしている仕事は,次以降,同じ立場で仕事をする人たちにも引き継がれていくわけです。

自分がこれをしたら,次の人もそれをするものと思われる。

こういった校外のスポーツ大会など,保護者と連携してやる仕事に関しては,特にその部分を強く意識する必要があるでしょうね。

ぱっと見,この回答をした二人の先生たちは,一人目の先生が熱心ないい先生で,二人目の先生は冷めた先生のように受け取られそうです。

(特に保護者に対してはそうなってしまうでしょう)

が,仕事の仕方としては,二人目の先生の方が視野が広いかと。

以前に場所取りをした先生も,とても熱心ないい人なんでしょうが,そっちの意識が足りなかったと言わざるを得ないでしょう。