小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

職員室で,あえて修羅場をつくらせる

2014-01-22 06:49:07 | 教師の仕事術の攻略法

来年度の研修の準備を進めています。

以前の記事「ちょっと!校長先生どうしちゃったの!?」に書いたように,ちょっと校長先生が一人で暴走気味なところがあります。

研修に熱を入れてくれているのは係としてうれしいことなんですが,この校長先生の熱が他の先生方との距離を空けてしまわないか,それが何より心配です。

研修は,何より本校の実態に合ったものにしたい。

すべての先生が足並みをそろえて参加するものにしたい。

それが係の願いだし,そうすることが係の役目だと思っています。

さて,研修は調子よくテーマが決定し,次は第二ステップ。

「研究指定を受ける」

ということを全体で提案します。

すでに研修部と管理職内では了承済みです。

ここには大きなハードルがあるはずです。

指定を受けるとなれば,研修は一気に熱を帯びてきます。

先生たちは

「研修のために忙しくなるのでは」

「私たちには関係のない研修になるのでは」

そんな心配をするものです。

だから,この提案を通すためにも,また入念な根回しがほしいところです。

私も,必要と思われる先生のところに出向こうかと思いました。

・・・が,

今回はやめておきました。

ぶっつけ本番でいくことにしました。

多くの先生にとっては,突拍子もない提案になるでしょうが,あえてそうしようと思いました。

そして,いざ提案

「来年での研修については,ぜひ研究指定を受けたいと,研修部として考えています。その理由としては…」

私の提案が終わったとき,正直重たい空気を感じました。

「ご意見はありませんか?」

一人の先生が手を挙げました。

「反対です。それは…

その先生が口火を切り,いくらか意見が出されました。

反対を唱えるものがいくつか,賛成を唱えるものがいくつか,賛成反対ではないが,その内容を問うものがいくつか。

反対意見や質問に対しては,私も係としてできるだけの回答をしました。

そして,意見が止まり,また重たい空気が。

仕方ないので,司会が指名して意見を求めました。

すると,賛成とする人の方が多くなってきました。

しかし,その中にも反対の立場を強調する先生もいました。

最初に口火を切った先生も含めて。

反対を言われるたびに,管理職が困った顔をしているのがありありと私には分かりました。

これが,私のねらいとしたところでした。

研究指定に反対する人たちの声も,しっかりとみんなで受け止めるべきだと思ったのです。

こういった反対意見を聞かないまま研修に臨むのと,聞いてから臨むのとでは,大違いだと思ったのです。

反対意見を言う先生たちは,もっともなことを言っていました。

「もっと子どもと向き合う時間がほしい毎日です」

「大きなことをしなくても,私たちの足元をよく見て,私たちに合った小さな研究をすればいいのでは」

「指定を受ければ,結局一部の先生が忙しい目に合ってしまい,気の毒だ」

これが現場の生の声です。

この声を,今回は特に校長先生に聞いてほしいと思いました。

事前に根回しをして,こういう声を封じることもできたのかもしれませんが,あえて出してもらいました。

そうしたとしても,本校のメンバーからして,全体としては賛同をもらえるだろうということは予想できたからです。

重たい話し合いが終わり,反対を一番強く唱えていた先生のところに真っ先に行きました。

「先生,ご意見ありがとうございました。こんな形になってしまってごめんなさいね。」

「いいのよ,先生。分かってるから。私こそごめんなさいね。」

その先生は,とても落ち着いた様子でした。

そして,研修に対する思いをさらに語ってくれました。

私はうなずきながら聞きました。

こんな先生を大事にする研修を,来年度もしていかなくては,そう思うことでした。


保護者にどれだけ言われても,それはやっちゃだめだよ

2014-01-20 06:47:52 | 保護者への攻略法

今度,地域で開催されるドッジボール大会があるのですが,土日の大会なので,基本的にはPTA主催という形です。

ですが,練習から当日の引率まで,実際はほとんど担任がしています。

本校では,すっかり高学年担任のお決まりの仕事となっています。

今年新しく赴任した先生が,このドッジボール大会に向けていろいろと悩まされています。

とても真面目ないい先生なんです。

「参加申し込みは誰がするんですか?」

「ユニフォームは?」

「ルールを知らないんですけど…」

「当日の弁当は?」

PTA主催なだけに,そういったところがなかなか明確になっていないところがあって,その年々でやり方が違ったりもするところです。

私も最初にやったときは,いろいろと分からないことがいっぱいありました。

この先生が,あるときクラスの保護者に詰め寄られたようです。

「当日朝の,会場の場所取り」

について。

スポーツ大会ではよく見られる光景ですが,朝,体育館の開場とともに,応援団が応援席の場所をできるだけ早く確保しようとします。

ブルーシートを広げたり,荷物を置いたりして。

このドッジボール大会でもそれがあって,その役目になった人は,早朝から大変です。

どうやら,この先生はこの役目について

「前は,A先生が走ってしてくださったんですけど,今年はされないんですか?」

と,結構強い態度で迫られたようです。

新しい先生ということで,逆に経験の多い保護者の方が強く出ちゃっている様子が,想像つきます。

その先生は,当然そんなこと知らないわけですから,その場では保留して,職員室に持ち帰ってきました。

そして先生たちに相談。

「…って言われたんですけど,どうするんですか?」

これへの回答は,二人の先生によって二つに分かれました。

二人とも体育専門の先生です。

一人は

「前から,朝一番に並んだチームは優勝するってジンクスがあるんだよ。~先生のときもそうだったもんなぁ。私のチームは昨年は3位だったから,今年は朝早く並んで…」

と,笑顔で。

「先生がする」とは言っていませんが,明らかに遠回しに「がんばってやろうぜ」って言っています。

明るく,冗談めいた話にも聞こえますが,まじめな新任先生はきっと真に受けちゃうでしょう。

もう一人の先生は,こう答えました。

「その場所取りは,絶対先生がやっちゃいけないよ。」

おぉ

「今年やったら,また来年も「先生お願いします」ってなるんだよ。だから絶対やっちゃいけないよ。」

なるほど。

「ちゃんと役割を区別するところは区別しないと。そんなものは保護者がやるべきことだから。」

私も聞いててそうでしたが,(実際私も,自分で場所取りをしたことはありませんが)新任先生も,こちらの話の方が腑に落ちたようで,そうすることにしたようです。

確かにそうですよね。

自分が熱心にやることはいいことだし,それで助かる人は多いでしょうが,長い目で見ると,自分のしている仕事は,次以降,同じ立場で仕事をする人たちにも引き継がれていくわけです。

自分がこれをしたら,次の人もそれをするものと思われる。

こういった校外のスポーツ大会など,保護者と連携してやる仕事に関しては,特にその部分を強く意識する必要があるでしょうね。

ぱっと見,この回答をした二人の先生たちは,一人目の先生が熱心ないい先生で,二人目の先生は冷めた先生のように受け取られそうです。

(特に保護者に対してはそうなってしまうでしょう)

が,仕事の仕方としては,二人目の先生の方が視野が広いかと。

以前に場所取りをした先生も,とても熱心ないい人なんでしょうが,そっちの意識が足りなかったと言わざるを得ないでしょう。


ちょっと!校長先生どうしちゃったの!?

2014-01-18 06:57:06 | 教師力UPの攻略法

来年度の研修テーマは調子よく決まり,いいスタートを切りました。

研修の話については,よく校長室にも相談に行くようにしています。

何事も,まずは校長先生のお耳に入れておくようにと。

校長先生も熱心に,いろんなアドバイスをくれるし,私の提案を尊重してくれて,たいていのことはOKを出してくれます。

そして来年度の研修に関しては,研究指定を受けようという話になりました。

これは係の私も,研修部も,校長先生教頭先生も同意見だったので,その段階まではスムーズに話が進みました。

あとは,他の先生方にまたこれを提案し,承諾を得ることになります。

いわゆる第二ステップです。

ここは多少の抵抗もあるだろうと予想しています。

しかし,研修部としてしっかりと方向性をもって提案すれば,また賛同をいただけるのではないかと感じています。

この提案は来週にする予定です。

そうこうしていると,校長先生が,すごくテンションが高い様子で,

「先生,先生,ちょっと!」

職員室にいる私を校長室に。

また研修の話だということはすぐに分かったのですが

(このテンションは何だろう)

と,話を聞いてみると…

「今,ちょうど○○大学の△△教授と話をしてたんだけど」

「はぁ,さっきいらっしゃってた方ですね。」

「そう!大学でも我々と同じ分野のテーマで研究している先生がいるんだと

!それで…」

校長先生の話によると,

・その大学の先生とタイアップして研究を進められるぞ!

・タイアップできれば,大学がもっている数百万円の予算が回ってくるぞ!

さらに

・そうなると,もっと研究テーマを広げる必要があるな!今は~くらいのテーマだから,もっと広げて~みたいなテーマにしてはどうか!

さらにさらに

・お金の話を言うと,さらにチャンスがあって,…企業の…財団の募集ならまだ間に合って,それが受けられればまた~十万円だぞ!

ということでした。

「どうだっ」

校長先生は満面の笑みです。

(いや,「どうだっ」っていきなり言われても…)

普段は冷静沈着で,物事も慎重に進める校長先生にしては珍しく,突拍子もない話をぐんぐんするものだから,私も若干あっけにとられていました。

研修の充実を思って,いろんな情報を提供してくれていることはうれしいし,私個人としては

「いいですね!何でもやりましょう!」

好きだから,そんな気持ちなんですけど,さすがにそう返事はできませんでした。

「係の立場から言うと,何より大事にしたいのは,本当にうちの先生たちがみんな足並みそろえて研修できるようにすることです。今回のテーマも,そういうスタンスで進めていくつもりですし,そんな研究になるようにと,こないだ先生たちに提案して,賛同をもらったところなので…

ノリノリの校長先生の鼻を折るようで,言いづらいことでしたが,係として言わなきゃいかん事だろうと思い,言いました。

校長先生の話を全否定するわけではなく,

「慎重に検討しましょう」

と。

校長先生も,少し我に返ったのか,私の話も受け入れてくれました。

慎重に検討した上で,うちにとって有益なものに,それも一部の先生でなく全ての先生にとって,そして子どもたちにとって,有益なものになりそうなら,進めていくということになりました。

いやいや,校長室を出るときにはため息も出ました。

「慎重に検討」

という宿題が残されているので,これからどうなることやら…

です。


重要な提案が全会一致で賛成もらった!…ズルが効いた?

2014-01-17 06:48:48 | 教師の仕事術の攻略法

重要な提案とは,来年度の研修テーマです。

私は研修係として,今年度のうちに来年度のテーマを決定し,準備をしておく必要があります。

そのテーマは,

各教科・領域に関するもの

→国語,算数,社会… 生徒指導,キャリア教育…

学習指導法改善に関するもの

→言語活動,ICT活用,評価活動…

などから,全職員からアンケートをとり,決定します。

しかし,このアンケートを実施するあたり,まっさらなところからアンケートをとりはしません。

(本来はそうあるべきものかもしれませんが…)

やはり研修係として,研修部として,事前に協議をして,推薦したいテーマというのをもっています。

今回も,すでに研修部としての推薦テーマをもっていました。

あとは,アンケートを経ても,その推薦テーマが希望多数で決定されるようにしたいところです。

方法は一つ。

事前の「根回し」です。

アンケートを取るより先に,先生たちに「推薦テーマ」をうまく推しておくと,いい結果が得られます。

でも,この根回しのやり方は慎重でなくてはけません。

私は,まず仲のいい先生から責めました。

「…ところで先生,実は今度,研修のアンケートをとるんですけど,…」

ここでは仕事の話というより,個人的な相談のような雰囲気で。

(できれば助けてほしいんだけど)

という具合に。

仕事を超えて,友人としての折りいった話だから,受け入れてくれた手応えがありました。

・・・ちょっとズルいやり方かな。(笑)

さて,もうひと押しほしいところです。

まだ声をかけていない先生たちにはどうしよう。

研修のスタートにつまずきたくはないので,粘り強くやろうと思いました。

私は,アンケート用紙の,選択肢が羅列している中の,「推薦テーマ」となるものに,手作業で,蛍光ペンで線を引きました。

そして,手書きで「推薦テーマです。もしよろしければ」と書きました。

これを,職員室の机上に配布するんじゃなくて,できるだけ,それぞれの先生が一人でいるときを見計らって,その先生に直接手渡ししました。

「先生,今度アンケートをとるんですけど…」

と,短い説明とお願いを加えて。

こうすると,機会的なアンケートでなく,少しでも係の気持ちのこもったアンケートになるのではないかと。

(実際気持ちがこもっています)

そして,渡された先生は,「わざわざ個別に対応してくれた」と好意をもってくれるのではないかと。

(いやらしい感じでしょうか)

何より,蛍光ペンと一筆が,特別な印象を与えてくれるんじゃないかと。

(これはズルいかな)

よし,できるだけの根回しはした!

いよいよアンケートの実施です。

職員室で

「来年度の研修に向けてアンケートを実施します」

と声高らかに話ましたが,ほとんどの先生は

(知ってるよ)

と思ったはずです。(笑)

そして回収。

結果は…

なんと,全員一致で,研修部の推薦テーマを選んでくれました!!

やった~!

先生たち,みんな優しい~

手間をかけた効果がありました。

大事な仕事の第一歩がうまく踏み出せて,本当によかったです。

さて,来年度の研修の準備は第二段階に進むわけですが,今度はここに落とし穴がありまして・・・(続く)


ドッジボール大会出場を希望する子が去年の半分以下

2014-01-15 07:02:18 | 学級生活の攻略法

私の努める学校のある地域では,毎年,小学生を対象としたドッジボール大会が行われます。

それに合わせて,学校へも案内が来て,出場者を募ります。

学校の授業の一環として行われるものではなく,出場はあくまで希望者です。

クラスからチームが出場することになれば,担任はそれなりに指導しなくてはいけないのですが,授業に「ドッジボール」なんて単元があるわけではなく,その時間を確保することが難しいです。

公式のドッジボールとは,ルールも難しく,その点だけでも出場する子たちにはしっかり指導しなくては試合になりません。

また,クラスの全員が出場するわけはなく,希望者ですので,出場する子としない子が存在してしまい,学級としての活動の仕方がさらに難しくなります。

さて

昨年受け持った六年生学級は,スポーティーな子も多く,1チーム12人に対し,2チーム編成できる数の子が出場を希望しました。

その分,クラスとしてもにぎやかな大会になりました。

一方今年の六年生クラスはというと…

なかなか希望者が集まりません。

大会の日に都合がある子もいたのですが,1チーム編成できる数も集まりません。

しかし,受付締め切りまでにはなんとか1チーム分は集まりました。

うーん

昨年との,この差。

同じ六年生なのに,同じ担任なのに。

しかし,私は何も他の子に強く出場を呼び掛けるようなことはしませんでした。

だって,基本は「授業外の活動」であるということ。

私だってスポーツ好きで,クラスみんなで楽しみたいという気持ちもあることはあるのですが,その点は忘れてはいけないと思っています。

無理せず,今年はなんとか集まった1チーム分の人数で臨もうと思います。

しかし,他の学級には,(ほとんどが1チーム出場なのですが)担任の先生がほぼ強制的に参加させて,2チーム出場したり,クラスのほぼ全員を参加させる先生もいます。

(まず,そういうスタンスが学校として足並みが揃っていないことに問題があると思うのですが)

そこにはその先生なりの強い願いがあるのでしょう。

学級に込める願い,子どもたちに込める願いが。

以前に聞いたことがある言葉ですが

「先生が願いを持ちすぎてはいけない。願いは子どもたちの内から出てくるものだ」

このドッジボールに臨むに際しても,重要なことかなと感じます。

ドッジボールを通してクラスづくりをしたい先生の願い。

ドッジボールに対する願いがそれぞれ違う子どもたち。

どちらを優先するのかといえば,やはり後者であるべきだろうと。

繰り返しますが,授業外の活動です。

これがもし授業の一環であれば,先生がリーダーシップをとって強烈に子どもたちを導いていくこともありえるでしょう。

しかし,余暇を利用した活動ですので,先生は授業中の役割とは区別して臨むべきだろうと,思います。