タイトルの「○○○○」は,なんでしょう??
(…えらそうに,すみません)
ヒント1:一般的には,それをやらされることは,大変なことです。
ヒント2:家の大人が,子どもにそれをさせようとすると,「え~やだ~」と,めんどくさがる子が多いのでは
ヒント3:学校現場では,あまり使われることのない言葉でしょうか…
ヒント4:テレビ番組で「はじめての○○○○」という人気ものがあります。ちっちゃな子たちが,必死になってする姿は,なんとも愛らしい。
ヒント4で,もう分かっちゃったかな?
そうです。
それを,学校の中でも取り入れることで,よくなる場面があります。
問題を抱える子ほど「おつかい」が好き!
これは,私も実感しているところです。
例①
ひとしくんはとてもやんちゃな男の子です。
ときに行きすぎて,友だちに暴力を振るったり,先生の言うことを聞かなかったり。
いわゆる問題児として,周りからは見られています。
そして,少しずつ学級でも孤立しだしました。
それでも,ひとしくんは相変わらずです。激しい言動が続きます。
「みんなと仲良くしないと!」「授業中は静かにしなさい!」
そんな先生の指導は全く効果をなしません。
そんなとき,罰を与えてやろうと,ふと,先生はひとしくんにおつかいを頼みました。
「ひとしくん,おつかいだ。職員室まで行って,このプリントを教頭先生に渡してきてちょうだい。大事なプリントだからね。」
一気に反発してくるだろうと思いきや…
「オッケー!教頭先生ね!」
元気に駆け出していきました。
それ以来「ねぇ,なにかおつかいない!?」と,うれしそうな顔でやってくるひとしくんでした。
例②
さとみさんは,おとなしくて,まだあまり学級にも馴染めていない女の子です。
友だちも少なく,休み時間はポツンとしていることが多いです。
先生が,さとみさんに直接はたらきかけても,周りの子たちにはたらきかけても,うまくいきません。
そんなある日,あまりに休み時間に何もせずに座っているだけのさとみさんを見かねて,先生が思いつきで,おつかいを頼みました。
「さとみさん,おつかいをお願いしたいんだけど。倉庫にある新しいほうきを一本持ってきてくれないかな。教室のが壊れているんだ。」
刺激が強すぎて,嫌がるかなと思いきや…
「倉庫?ほうき?はーい」
すたすたと駆け出していきました。
そのうれしそうな顔が心に残り,先生はちょいちょいさとみさんにおつかいを頼むようになり,さとみさんも,快く引き受けています。
この「おつかい」の効用って,なんでしょうね?
意外にも,学校ではおつかいを喜ぶ子が多いように感じます。
特に,普段は先生を困らせるような問題を抱える子たちが。
きっと
・だれかに何かを頼まれて,やり遂げるような経験があまりなく,うれしい
・自分が役に立ったことへの自尊感情や,自信を感じられる機会になる
・先生と自分だけの特別な約束事のような気がして,うれしい
・他者とのコミュニケーションは苦手だけど,それがうまくやれる機会になる
そんな子どもの純粋さが,おつかいに笑顔をもたらすのでしょうね。
本当に「やらされる」だけのおつかいなら,子どももそれ見抜いて嫌がるかもしれません。
だから,おつかいを頼む側も,子どもが喜びそうなものに工夫してあげるといいでしょうね。
実際,先生もその子のおかげで助かります!