湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

詩・言葉の詩パート13

2016-06-03 12:59:53 | オリジナル
今夜の逗子海岸花火大会は、去年と違っていいコンディションで見られそう。

 親子で場所取り
では、共通テーマ「詩・言葉」でKが書いた詩を投稿します。

私の手

漆黒の闇に手をかざし、
じっと見つめる

疲れ果てた私の手

たくさんの者たちに触れ
無数の感触を知り尽くした手

関節は膨らみ、硬くこわばり、
皮膚は幾重にもシワとなり、くすみ、血の道スジは青く太く険しく、その甲に、はなたれている。

疲れ果てた私の手

そっと隠す。
私の愛おしい人の手を思う。

貴方が私に言葉を放つ時、
人差し指を伸ばし、手のひらを返す仕草
それは、私を暖かく、くすぐり、血の道すじを柔らかくしなやかに
蘇らせる。

疲れ果てた私の手は、
体内から顔を出し外気に触れ、死んでしまった爪を着けたまま震えている。

疲れ果てた私の手

せめて爪達に色を飾ろう
少し淋しく品のある紅色がいい

そしてその紅が、にげてしまわぬよう、静かに、幾重にも幾重にも優しく愛おしく
ハケを滑らせそして染めていこう
そして指先に言い聞かせよう

ひかれるままに感じるままに愛おしい手を求めなさい。

指先から放たれるベニ色が全てを塗り替え覆い隠してくれるのだから

その愛おしい人の手のもとに
指先を伸ばしなさい。

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