湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

色の詩パート6

2016-03-28 01:17:16 | オリジナル
共通テーマ「色」でSが書いた詩を投稿します。



すぐうつむく
うつむいてしまう
真っ赤な服を 着せられる
ジャズピアニストはピアノの一部になりたいと
ピアノの蓋になってしまう
レコーディングではない
ライブなのだ
たくさんの眼がかれを見つめている おびえきっているらしい
「わたくしを見ないでください」
社長には耐えられない
「何だってえ?」

アフターケアーのない神さまの道しるべは白いインクで書かれている始末
この天才白人ジャズプレイヤーを
見せたい社長は考えこむ
このお馬鹿さんをブロンドの長髪に それとも頬いっぱいに濃い髭 大きな口髭などどうだろう
シャツも靴も赤いのを
ジャズピアニストB.Eは
コクトーの「美よりも速く走る」
オートバイを持っている と知らされる
「何が何だか分からない 分かりたくもない」
「耳だけでいいですだってえ?」
社長は悲鳴をあげたが
「おれはあきらめない」と言いだした

悲惨なB.Eらの晩年
モダンジャズにハッピーエンドはなかった 廃れたのだ
さむい路地にときたま訳知りの
鳩がきて かれの残滓をつついている


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