湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

揺れるの詩パート3

2016-02-23 02:18:16 | オリジナル

潮風に揺れるワカメ@材木座海岸。暖冬の影響で今年はワカメの生育が悪いといわれていますが、確かに例年に比べて小ぶりですね。
では、共通テーマ「揺れる」でAが書いた詩を投稿します。

揺れる地獄絵

内側からは 
まして奈落にいては見えないが
微かに揺れる緞帳に
織り込まれている絵図の地獄感は
くっきりと分かるから
僕は出番を拒んでいる

出て行った途端不治の病に罹り
演者同士の葛藤でもつれた傷も
死ぬまで治らない
観客の語るゴシップで
自分の葬式のときにも
きっと僕は更に傷つけられる

光の刃が宙を斬る時空間で
遠近感が歪む舞台の
リアリティのなさは切実で
明るくて気味が悪い
そして僕の登場を待っている

地獄絵の緞帳が
揺れながら上がっていく

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