テーマ「対話」で詩作パート４

共通テーマに沿って詩を書き毎月合評会をしています。次の合評会は3月4日（水）14時～逗子市民交流センター1階で行います。見学・参加希望者は当日お気軽にいらしてください。今日は、対話をテーマにしたTの詩。イラストもTの作品です。

対話して思うこと

森の中へ入った
原生林であまり人は入っていない
木々の根本には絨毯のように緑の苔がはえ
所々に倒木もある
時々鳥の鳴き声が聴こえる
奥へ　奥へ　誘われる
突然　小さな湖が現れた
周りに細い小道がある
向こう岸の木々がうっすら湖面に映っている
ボートが繋いであったので
はずして　漕ぎ出してみる
私がつけるさざ波
深いけれど透き通って見える翡翠色の水
誰も知らないあなたの湖
あなたはいつもここで言葉を紡ぐ
底を覗くと水の色に染まった限りない言葉が沈んでいる
潜って拾い上げたいけれど
あなたにしか掬うことはできない

私の浅い海に潜って
あなたはたやすく私の言葉を拾ってくるだろう
私も
もっと深い海へ　もっとたくさん沈めよう
私の言葉を限りなく