捌くの詩パート1

新しい共通テーマ「捌く」でAが書いた詩を投稿します。

タオル

脱水が終わったタオルを振りさばく
乾いたら畳む前にも振りさばく
人への嫌悪もこうやって
バサッと素早く振り切れないものか

いつものようにつまらなそうにしていれば見逃すが
一瞬でも充実していたら許せない
で　呪いの言葉を投げつける
わたしの腹の中には
湿って悪臭を放つタオルが絡まっている
奴の長男やその妻とも悪口を尽くし合っていたら
「やめよう　仲直りしよう」と
真っ白で柔らかいタオルを
奴の次男が投げ入れてくれた

石鹸で洗って酢を入れた水ですすぐのが
ごわごわタオルを甦らせるコツだそうだ