湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

埃の詩パート4

2023-06-24 07:16:10 | オリジナル

共通テーマ「埃」でAが書いた詩を投稿します。

海に埃は溜まらない

 

ノートパソコンの入ったトランクを持って

好きな場所を泊まり歩く

それで会社の仕事ができる

行く先々で観る光が瞳に溜まる垢を落とし

――あたらしいぞわたしは

と 荒川洋治になれるのだ

流れる水になり

さらに広大な海へ出て行く

若い労働者の眼には

わたしがわたしを定住地に

固都税払って括り付けている

旧人と映るだろう

 

実家に居られず預けておいた私物も捨てられた

古傷に詰まった埃が除けられなくて

デラシネのような心で

どうやら辿り着いた場所なのだが

 

コメント
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