湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

離れるの詩パート8

2017-12-25 18:06:29 | オリジナル
前回の共通テーマ「離れる」でEが書いた詩とそれについて合評会で話し合ったことを投稿します。

腐臭

子は親の家職をつぐのが
決まった路線
ニ、三男も年になれば
適宜徒弟となって
家を出る
大どもはまずいない

それが史上にまれな
成長の成果とやらで
家業が淘汰
勤め人になる以外の道は
ふさがれたからたまらない
あっちの家にも
こっちの家にも
不適合がはなれずにいる

親の二人は
腐臭をかかえて
あちこちの
うわさをしては
しずかに
なぐさめ合っているしまつ

:作者の弁 :評者の弁
現代社会と比べて過去を懐かしむ評論のような詩。「とやら」「たまらない」「しまつ」という文末とあいまって、当事者感なしに高い所に座って批評しているような印象も受けます。
やはりそうですか。つい癖で、親切に客観的に書いてしまいました。淀んで腐っている人間を表したくて付けたタイトルも実は気に入っていないのですが、どうしたらいいでしょう。
日常あまり使わない漢語を持ってきただけで現代詩になるわけではありません。生きることは臭うこと。無臭の方が不気味です。いっそ「ナフタリン」とでもすれば意表をついたタイトルになるかも。
内容的には前半は全部カットした方がいいでしょうね。「大ども=大人になれない大人、子供のままの大人」について「腐臭」という言葉を使わずに、常識ではなく想像力を使って膨らませてほしいです。
コメント
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