湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

離れるの詩パート5&6

2017-12-03 00:00:32 | オリジナル
特別公開中のまんだら堂やぐら群に行ってきました。今回の限定公開、残る日程は今日3日と4・9~11日(10~16時)です。

では、共通テーマ「離れる」でSが書いた詩を2編投稿します。

     暗い杯(さかずき)

愛にあふれた家族と
わたしのあいだにあった橋は
落ちて久しい
わたしは足もとの土を
深くふかく掘る
きっとそこに
わたしの天国がある


     顔の不在

はぐれ者の
アウトローの
顔を洗う
水が顔から何かを奪う
何かを剥ぐ ぬがせる
おまえの顔から離されたものは
下水道から川へ
うなぎ その他のさかなたちが
それを食べるというわけだ

(いつだって洗顔には失敗する)

水の悪い右手が
引っ攫っていく
おまえの
罪のない顔を
コメント
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