湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

犬の詩パート6

2017-12-04 00:00:27 | オリジナル
共通テーマ「犬」でSが書いた詩を投稿します。

巴里

1975年冬の巴里は
私だった
とても静かで
ふきげんな顔をした青年や中年の男女が
カフェをいっぱいにしていた
窓の下を
あわれなよごれきった
小さい黒い犬があるいていたたった一匹で
私はそれらすべてを理解した愛を持って

「家に帰りたくない!」と
犬も客たちもさけんでいた
心のなかで

頭上からはシャンソンはきこえず
アメリカの音楽ばかりがながれていた
とても静かだった
コメント
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