共通テーマ「形」でAが書いた詩を投稿します。
グーテンベルク
いつも頁の凹凸をなぞりながら
読書をしていた
棚にぎっしり収まった
小さな鉛の反転文字を
選び出しては次々と
小さな木箱に詰めていく
職人に憧れて
筆圧をこめてノートの枡目を埋め
次の頁に型押しされた反転文字を
指の腹で判読した
文選工は視覚ではなく触覚で
活字をすばやく選び取るのだ
眼は原稿を見ているのだ
文明は子供が夢見た職業を消していく
人は憧れの対象を移していく
文明も人もそうしなければ
生き延びることができない
パソコンでテキストを打つ
キーをさわる指たちが断りなしに
なつかしんでいる
Bの鉛筆で強く書いたノートを
文字が浮沈する活版の図書を
グーテンベルク
いつも頁の凹凸をなぞりながら
読書をしていた
棚にぎっしり収まった
小さな鉛の反転文字を
選び出しては次々と
小さな木箱に詰めていく
職人に憧れて
筆圧をこめてノートの枡目を埋め
次の頁に型押しされた反転文字を
指の腹で判読した
文選工は視覚ではなく触覚で
活字をすばやく選び取るのだ
眼は原稿を見ているのだ
文明は子供が夢見た職業を消していく
人は憧れの対象を移していく
文明も人もそうしなければ
生き延びることができない
パソコンでテキストを打つ
キーをさわる指たちが断りなしに
なつかしんでいる
Bの鉛筆で強く書いたノートを
文字が浮沈する活版の図書を