湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

言葉に潤いを

2016-07-29 21:23:50 | 
今日の合評会で下記の詩について話し合ったことを投稿します。作者は風邪で欠席だったので出席者の批評だけになります。
命脈

我らには受け継がれてるのか

大事にしすぎても消えていき
守らなければ
もっと早く消えていく

我々が何処から来たかなんて考えている間のない日常
一番大事な根源

ただやればいいと言う大人に
ただ何をやればいいと聞く
とにかくやればいい
命令ですか
人生の先輩の言うことを聞くことが当たり前だ

お陰で未来の分子は自らを問うことなく
命脈という言葉は亡骸になった

まだなお心に刻まれていると言う

楽観主義はもう沢山
世の中には亡骸になった言葉が溢れている

何もなくなった時
新たな命は芽生えるか

知る由もないが
地球の命脈が途絶えない限り

インパクトのある1行を1連として立たせて始まっているところがいいです。
この作者の前回作品では言葉を擬人化していましたが、今回は言葉の命脈が切れ切れになっていることを取り上げていますね。
それで連も切れ切れになっているのかな。第1連が1行なのはいいけれど、その後の連の区切りはつけすぎな気がします。
そうですね。読者が煙に巻かれた気持ちになるずるい切り方ですね。
最も長い第4連が、具体的でまとまった面白さを感じさせます。
台詞のやりとりになっていて、リアル感もあるよね。他の連はそれぞれ概念や理屈で終始している印象。
抽象度が高すぎなためか、男っぽいというか色気がない感じがします。
もう少し生々しさや生命感がほしいところ。
特に5行目の「我々が何処から来たか」がありきたり。詩にするなら「我々は何処から来なくて何処へ行かないのか」ぐらいなことを書かないと。
 続く「なんて」というのも詩の言葉らしくないね。
言葉の潤いや柔かいユーモアがもっとあった方がいいですね。
コメント
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