昨日房総半島で昭和な電車に乗ってきました。逗子を午前8時台に出て午後8時台に帰着した日帰り千葉旅の詳細は後日報告します。
では、先日の合評会で下記の詩について話し合ったことを投稿します。
幼年への道
人間にきびしい思いを
抱く時
ひっそりとあかるく
静かにわたしの絵が浮かび上がる
父がすわっているのは
ピアノの椅子だ
ピアノは伯母さんが八百屋さんをして
キクちゃんのために買ったのだ
バクダンが落とされるかもしれない
伯母さん一家が
わたしのうちに住んでいる
子供にはややこしい話だ
わたしはうそをついてしかられている
おとうさんの目をよくごらん
と父はいっている
涙が流れている
■:作者の弁 ●:評者の弁
●「命脈」をテーマにすると通常は未来へ命が続いていくことを考えるはず。過去に繋げていった視点がユニークだと思いました。
■物事の考え方を親から受け継いでいることを書いた訳です。
真中の連に、幼い私には不条理だった事を入れました。当時よく分からなかった状況を、作品の中でどう料理するかが難しかったです。
●ピアノと一緒に伯母さん一家が疎開してきていたんですか。
■そうなんです。でもピアノは鳴っていない。人々は爆撃を恐れあまり外に出ずひっそり暮らしている。
私にとって戦争の音は無音なんです。なので1連目の「あかるく/静かに」は絶対に削れない箇所です。
●不気味な明るさ・不気味な静けさですね。
■そういう環境の中で他愛のない嘘をついて私は父に叱られました。
あの忘れられない光景を1枚の絵のように心に呼び出せば、許せない相手がいても裁いてはいけないと思えるのです。
では、先日の合評会で下記の詩について話し合ったことを投稿します。
幼年への道
人間にきびしい思いを
抱く時
ひっそりとあかるく
静かにわたしの絵が浮かび上がる
父がすわっているのは
ピアノの椅子だ
ピアノは伯母さんが八百屋さんをして
キクちゃんのために買ったのだ
バクダンが落とされるかもしれない
伯母さん一家が
わたしのうちに住んでいる
子供にはややこしい話だ
わたしはうそをついてしかられている
おとうさんの目をよくごらん
と父はいっている
涙が流れている
■:作者の弁 ●:評者の弁
●「命脈」をテーマにすると通常は未来へ命が続いていくことを考えるはず。過去に繋げていった視点がユニークだと思いました。
■物事の考え方を親から受け継いでいることを書いた訳です。
真中の連に、幼い私には不条理だった事を入れました。当時よく分からなかった状況を、作品の中でどう料理するかが難しかったです。
●ピアノと一緒に伯母さん一家が疎開してきていたんですか。
■そうなんです。でもピアノは鳴っていない。人々は爆撃を恐れあまり外に出ずひっそり暮らしている。
私にとって戦争の音は無音なんです。なので1連目の「あかるく/静かに」は絶対に削れない箇所です。
●不気味な明るさ・不気味な静けさですね。
■そういう環境の中で他愛のない嘘をついて私は父に叱られました。
あの忘れられない光景を1枚の絵のように心に呼び出せば、許せない相手がいても裁いてはいけないと思えるのです。