湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

形の詩パート7

2016-07-23 07:45:13 | オリジナル
共通テーマ「形」でAが書いた詩を投稿します。

惰星からの脱出

臆病ゆえの大雑把を心棒に
歪んだ球形が傾いで回る
惰気を内外に伝染させ
不埒な浪費を繰り返し
すべての隣人を
自然を
空を見下し
地球よりもはるかに
傾き歪んでいることを恥じず
いや気付いてもおらず
同じ所を回っている

雑にしなう遠心力にやられて 
すっかりだるくなった心が
調子を合わせて更に歪み傾き
奇怪に縮んだ芥にならぬよう
醜悪な軌道からおりなければ
なけなしの感覚が死に絶える前に
火傷するほど素手を使って

手遅れになる一歩前
水を与え
火照った両手で
あなたとわたしをくるむ
どこへでも自由に赴く
すべらかな球形に
黙って時間をかけて整えていく

コメント
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