湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

詩・言葉の詩パート3

2016-05-20 12:01:56 | オリジナル
共通テーマ「詩・言葉」でAが書いた詩を投稿します。

     


きれいごとは首肯しながらうしろを探る
他者の自負は無視し自慢話も苦労話も欠伸で断つ
思想は高くても低くても関心の外に追い立てる

積みもせず
崩しもせず
保ちもせず
無であるかのように姿を変える
わたしたちは風紋

含羞も容赦もない亡霊の言葉から
涸れて痩せた身を守らねばならない
天から下る褪せた光に曝されたなら
涸れて痩せた命を賭け反撃に出る

砂上で
優しく迎えられるのは従順と自虐
不在者に関する批判的言質も人気が高く
拍手と笑顔でぞわぞわと
砂鉄の磁場が内で灯る

亡霊と対峙して
わたしたちの砂は翻り翻り
表面を無間に裏切り続ける

終わりなき変化に疲弊したら
砂が入らぬように耳と口を塞ぐことだ
虚構の伝言は開封しないことだ

風も砂も
わたしたちが注視し評釈しなくても
刻々と姿を変えていくのだから
コメント
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