12月に千葉県の浜崎純江さんから、その第一歌集『真風(まじ)』の贈呈を受けて、感想文を便箋に6枚書いてお送りしてあったら、お礼状が届いた。
浜崎さんは昭和22年生まれで、最近ご主人を亡くされて、重い障碍を負った30代の息子さんを一人で介護されている。
歌集の帯には現在NHKEテレの短歌の先生をしていられる花山多佳子さんが次のように書かれている。
「 重い障碍を負って動けない息子さんとの日々がこの歌集の主調音であり、母と息子は存在をかけてぶつかり合っている。その生活は容赦なく、そしていきいきとしているのである。
浜崎さんにとって短歌は、単に安易なや支えにとどまらない、外へ開かれてゆく力であったし、これからもそうであるのであろう。」
歌集の中から歌をいくつか引く。
「おしん」みてかはいそうだと沈む息子おまへの方がもつと辛いよ
怠ければうす黒くなる息子なりいいよといえば切なかりしよ
どうしてもおまへより先には死ねない 向かうもじつとこつち見てゐる
わが子だが自分ではないもどかしさ広い胸板手がまはりきらぬ
「純ちやんがいれば幸せ」必要とされる身であることは幸せ
無礼者、ぽつんと言ひて笑はせる厚着せる子に尿瓶を当てる
たはむれに息子の胸に飛び込んで布団もろとも抱きしめてやる
歌の技術うんぬんより、世の中には、こういう一生を与えられている人がいるということをつぶさに知り、粛然とする。
身を引き締めて読ませていただいた。
浜崎さんは昭和22年生まれで、最近ご主人を亡くされて、重い障碍を負った30代の息子さんを一人で介護されている。
歌集の帯には現在NHKEテレの短歌の先生をしていられる花山多佳子さんが次のように書かれている。
「 重い障碍を負って動けない息子さんとの日々がこの歌集の主調音であり、母と息子は存在をかけてぶつかり合っている。その生活は容赦なく、そしていきいきとしているのである。
浜崎さんにとって短歌は、単に安易なや支えにとどまらない、外へ開かれてゆく力であったし、これからもそうであるのであろう。」
歌集の中から歌をいくつか引く。
「おしん」みてかはいそうだと沈む息子おまへの方がもつと辛いよ
怠ければうす黒くなる息子なりいいよといえば切なかりしよ
どうしてもおまへより先には死ねない 向かうもじつとこつち見てゐる
わが子だが自分ではないもどかしさ広い胸板手がまはりきらぬ
「純ちやんがいれば幸せ」必要とされる身であることは幸せ
無礼者、ぽつんと言ひて笑はせる厚着せる子に尿瓶を当てる
たはむれに息子の胸に飛び込んで布団もろとも抱きしめてやる
歌の技術うんぬんより、世の中には、こういう一生を与えられている人がいるということをつぶさに知り、粛然とする。
身を引き締めて読ませていただいた。