575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

生き辛い世の中        遅足

2014年01月05日 | Weblog
冬枯れの野に身悶えて風の行く   郁子

冬枯れの野を風が身をよじって吹いていきます。
草や木も身悶えているようです。

  ひさかたの天知らしぬれ展転(こいまろび)ひづち泣けどもせむすべも無し

万葉集の一首です。
ぶつける相手のいないやるせない悲しみに、身もだえるように転げ回る。

生き辛い世の中。リストラ、失業、イジメ・・・格差。
この生きにくさは、どこから来るのか?
見えないだけに身もだえる他ないのかも知れません。
この句からは、こんな世の中を吹く風が感じられます。
作者は、同じ風が自分のなかを吹いていると感じているんでしょうか。

そういえば、昨今の世の中、どこかオカシイ。
北朝鮮では粛清の嵐、なにやらキナ臭い気配。
お隣の国との間はギクシャク・・・
積極的平和主義というヘンな日本語が流通している。

ひょっとすると、一番身悶えているのは平和憲法かも。
とくに9条は、ずっと前から瀕死の手傷を負っていましたが・・・



コメント
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