575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

一樹にて一山を統(す)ぶ山桜    遅足

2013年04月27日 | Weblog
古都の旅、今回は比叡山にのぼってきました。
まず、京阪電車で出町柳から叡山口まで。
ここでケーブルカーに乗換えます。中国人留学生と乗り合わせました。
卒業したら、しばらく日本で働きたいと、話し合っていました。
とても礼儀正しい人たちで、私たち夫婦に席を譲ってくれました。

麓では、新緑だったモミジ。
高度をあげて行くに連れて季節は逆戻り。
終点ちかくになると赤い新芽に変ります。
さらにロープウェーに乗換え、標高800米の山頂に。
肌寒いくらいです。丁度、山桜が咲いていました。
春が始まったばかりです。
フラワーガーデンを楽しんだ後、根本中堂に参拝。
礼拝するところに電気カーペットという21世紀の暖かい心遣いも。

 世の中に山てふ山は多かれど山とは比叡のみ山をぞいふ  慈鎮和尚

古来、数多の秀才たちが、比叡山にのぼり、中国の新しい宗教・文化を学びました。
山頂に立てば、大空の下、青い山々が連なり、東には琵琶湖、西には京の町が。
宇宙と一体化した自己をイメージ出来ます。
新しい世界観を学ぶには、これ以上の場所はないでしょう。
やがて、思想上の革新を遂げた僧のなかから、再び都へ降りていくものも現れます。
法然であり、親鸞でした。
数多くの僧が仏教を広め、衆生を救わんとした時代があったんですね。
現代の大学もあんな空間にあったら・・・と思いました。

帰りはバスで一気に下山しました。
(写真は根本中堂の山桜です。)



   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春なれやという間の春を惜しむころ   静荷

2013年04月27日 | Weblog
何時から春は始まったのか?何時終るの?
季節の変わり目は、案外分かりにくいものです。
毎年、暦通りには行きません。
しかし、確実に季節は変っていきます。
そしてある時、ああ、春は終ったのだ、と得心します。
春が来て流れていく。
ゆったりとした575のリズムのなかに表現した句だと思いました。

この句から人生を読み取った方もいます。
若いと思っているうちに、もう・・・・・と。
人生の春も短いものかも。
いやいや、青春と思えば、いつも青春かも。

                     遅足
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする