信仰と生活
宿世の思想
この時代の骨格をなしているのが宿世(すくせ)の思想である。仏教の三世思想、つまり、人は前世、現世、来世とめぐりめぐって生き続けるという輪廻の思想を根底とするもので、因縁の因果の理である。
現世において、たとえば中宮、皇后になるとか、内親王に生まれるというのは、前世の功徳のおかげであり、めでたき宿世の人ということになる。
源氏が親王としてではなく、臣下に宣下されたのも、臣下のままで終わらない宿世をも、高麗の相人が占っている。
宿曜(すくよう)は、星の運行によって人の運命を占うのであるが、「源氏の御子の一人が帝に、姫君は妃に、もう一人は太政大臣に」と、物語の展開は宿世の占いによって暗示されている。この、もう一人の太政大臣は源氏の子夕霧である。
当時の信仰生活、ものの考え方を、源氏物語からうかがい知ることができる。
◆参考:源氏物語手鏡
宿世の思想
この時代の骨格をなしているのが宿世(すくせ)の思想である。仏教の三世思想、つまり、人は前世、現世、来世とめぐりめぐって生き続けるという輪廻の思想を根底とするもので、因縁の因果の理である。
現世において、たとえば中宮、皇后になるとか、内親王に生まれるというのは、前世の功徳のおかげであり、めでたき宿世の人ということになる。
源氏が親王としてではなく、臣下に宣下されたのも、臣下のままで終わらない宿世をも、高麗の相人が占っている。
宿曜(すくよう)は、星の運行によって人の運命を占うのであるが、「源氏の御子の一人が帝に、姫君は妃に、もう一人は太政大臣に」と、物語の展開は宿世の占いによって暗示されている。この、もう一人の太政大臣は源氏の子夕霧である。
当時の信仰生活、ものの考え方を、源氏物語からうかがい知ることができる。
◆参考:源氏物語手鏡