永子の窓

趣味の世界

源氏物語を読んできて(食事)

2008年06月01日 | Weblog
平安時代の貴族の食事

▲食品の種類(一例)
ひしお類  クラゲ、ホヤ、赤魚、肉など
魚類    コイ、タイ、マスなど
干した菓子 ザクロ、串柿など
果物    橘、杏、すももなど
唐菓子   梅小枝、桃小枝など
粉餅    赤、青、黄など
汁物    アワビ、汁鳥、鯛など
焼物    キジ足、ぬかご焼きなど
調味料   酢、酒、塩など

▲早死にだった貴族

 食事は朝10時と午後4時頃の2回でした。
 
 平安貴族は、消化の悪い、栄養の片寄った食事をしました。その上室内中心の生活で運動不足だったことから、不健康でした。貴族たちの多くが、栄養失調や皮膚病、結核、脚気、鳥目などの病気になりがち早死にするものが多かったようです。貴族が全盛期を迎えた、平安時代中期、貴族の推定平均寿命は、男性が50歳、女性が40歳でした。

 平安時代の貴族は、強飯と魚貝類や野菜などに、塩などの調味料がつき、自分の好みで味つけをして食べました。食品の種類も多く、たいへん豪華ですが、このような食事は、宴会や儀式などのときのもので、ふだんはもっと品数も少なめでした。儀式では箸をつける程度の儀礼的であったようです。
 
 魚貝類や肉類の多くは遠方から京にとどくため、干物などに加工してあり、新鮮なものはあまり食べなかったようです。

 また、食事が形式化して毎日同じようなメニューが続いたり、食物への迷信などもあって、栄養がかたよった不健康な食事になりがちでした。一方庶民の食事は質素でしたが、玄米飯に自分たちでとった新鮮な肉なども食べたので、貴族にくらべて健康だったようです。

◆写真は平安時代の貴族の食事の模型


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