永子の窓

趣味の世界

源氏物語を読んできて(殿上人・上達部)

2008年05月20日 | Weblog
◆殿上人(てんじょうびと・でんじょうびと)

4、5位で昇殿を許された人。
ただし蔵人は6位でも許された。
清涼殿の南廂や院の御所に控えの間(殿上の間)がある。

◆上達部(かんだちめ)、
この殿上人よりもっと偉い人を,上達部(かんだちめ)と 呼びます。大臣・大納言・中納言・大将などです。

◆殿上の間
現在でいえば国会議事堂にあたります。ここで重要な会議が行われたり,天皇からお言葉をいただきます。半円の窓があります。ここから天皇が会議の様子をご覧になっていました。この部屋に入ることができる人たちを殿上人(てんじょうびと)と呼びます。殿上人とは四位・五位と六位の蔵人(くろうど)です。有名な官職としては,少納言・中将・少将などがあります。

◆仕事
平安時代の役所は原則として大内裏(だいだいり)の中にありました。この他にも大内裏の東側に役所がありました。官人の多くは朝早くに出勤し、日没までに帰宅していました。上達部(かんだちめ)といった上級貴族は牛車で通っていましたが、それ以下は馬か徒歩でした。

官人の出勤日を上日、宿直を十夜(とおや)といい、休日も決められていました。官人には月にだいたい二十日以上の上日と数日の十夜が課せられていました。実務官僚(官人)は毎日規則正しいスケジュールを送っていましたが、参議以上の上達部は政務の他に夜の政(まつりごと)と呼ばれた儀式に加え饗宴もあり、不規則な生活でした。

こうして上達部から下級の官人に至るまで勤務状況が重視され、給与や勤務評定の基準とされたのです。当時は物忌み(ものいみ)、方違え(かたたがえ)に代表される禁忌の日もあったので、二十日以上の出勤な辛い面もあったと思われますが、逆にずる休みをする不届き者もいたようです。


◆写真 束帯(文官)風俗博物館より

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