ふろむ播州山麓

京都山麓から、ブログ名を播州山麓に変更しました。本文はほとんど更新もせず、タイトルだけをたびたび変えていますが……

♪ 西に連なる東山~

2009-11-21 | Weblog
東山三十六峰は有名ですが、東山は洛中からみての東の山。連峰を越えた地域、山科区住民にすれば、西山のはずです。ところが山科でも東山とよびます。どう考えても、変な話です。
 山科区内のどこかの学校の校歌に「♪西にみえるは東山~」という歌詞があるらしい、と片瀬ブログで書きました。そして一年半ほど後に、「のりっく」さんからコメントが寄せられました。
 「わたしの母校・花山中学校の校歌です。♪西につらなる東山~。中学生のわたしは校歌合唱のたびに、西か東かいったい、どっちやねん!! いつも思っていました。」
 大きな謎のひとつ「校歌東西山疑問」がこれで解け、本当にわたしは胸をなでおろしたものです。ところで同じ問題について、京都新聞に大提案が載りました。いつも楽しみに拝読している連載「中村武生さんと歩く洛中洛外」。2009年11月20日朝刊、見出しは「東山、山科からは西野山」。要約でご紹介します。

 「東山」という表現には、ちょっと待って、という思いがあります。以前、親しくしている山科区の小学校教員に、「『なぜ西の方向にある山を西山ではなく、東山というのか』と児童から質問されたことがある。が、答えることができなかった。残念だ」といわれたことがあります。
 気持ちはわかりますが、答えは簡単です。「東山」という名称は、いうまでもなく洛中からの視点によります。山科が京都市に編入されたため、そんないい方が押しつけられているだけです。当然のことですが、山科からは「西山」というべきです。
 児童に対し、「君のいうことは正しい」といってほしかった。そんないい方はない? いえいえ、ほとんど意識されていないようですが、類する地名があります。「西野山」です。
 地名はただの記号ではありません。意味があって存在するのです。いま平気で「東山」といっている山を、過去の山科住民は「西野山」といっていたわけです。
 山科のアイデンティティーを維持したい方は、本日より東山というのをやめて、西野山とよぶべきです。

 パチパチパチ! 拍手です! 大賛成です。山や川などの名称は、生活者の呼称であって行政地名は無視すべきです。たとえば桂川は南で淀川。上流では大堰川、その上流では保津川、さらにたどると桂川。丹波で桂川とよぶのもいかがなものでしょう。桂離宮の近くのみが桂川でいいと、わたしは思います。
 いずれにしろ、山科住民の方たちが、歴史的に意味をもつ「西野山」と、東山をよぶことに、この山の西に住むひとりとして、大賛成です。稜線の西が東山、東は西野山。わかりよい理屈です。
 呼称変更の運動を起こされるなら、喜んで署名簿にサインします。また花山中学校の校歌も「♪西につらなる西野山~」に変更をお願いしたいです。在校する生徒たちのためにも。

 さて片瀬のブログでは、東西の山問題を二度書いています。
「東川と東山」2008年1月20日
「西にみえるは東山」2009年7月25日
 東西問題解決のためにご笑覧まで。
<2009年11月21日 南浦邦仁> [186]
コメント (3)
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