中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

キングダム

2019-05-04 11:19:52 | 映画・ドラマ
 連休中に観た映画の話でも。


 CGがどんどん発達している今、「超絶アクション」とか「大スペクタクル」の価値は下がっていますよね。なにもジャッキー・チェンみたいな身体能力やスタントの妙技は必要ない。コンピュータでうまいことアレすれば、映像の中では、どこの誰でも宙返りなどチョチョイのチョイ(死語)ですから。

 スペクタクルもそうですね。かつて円谷プロがウルトラマンなどで、「やっぱりちゃちい」と言われながらも苦労をかさねて撮影した特撮技術の名人芸など、全く必要ない。パソコンのキーで、まさに「指先ひとつで」完成です。便利な世の中ですね。

 …だからイヤなのです。私のように凝り固まった旧人は、そういうものに「ロマン」を感じない。だから、アクションやスペクタクルは避けてきました。


 しかし…。

 この度すこし、認識を改めました。考えてみれば、これは、邦画がハリウッドを超えるチャンスなのです。「制作費○十億円!全米で大〜‼︎」みたいなものに踊らされることなく、「ふーん、別に邦画でいいじゃん。その方がスゲェし」と、若者も思える時代になる。


 ということで、映画「キングダム」を観ました。理由は、特に面白そうなのが無かったから。新時代にふさわしく、カラッと明るく、多少くだらなくても体当たりで頑張る姿が眩しいような、前向きな気分になってみたかったら。

 ところがそんな予想は大きく外れて、かなり面白かった。斜に構えていた自分を反省。アクションも相当な出来栄えだし、実際に中国でも撮影したというスペクタクルも活きていて、主人公の成長物語としても、軽くはあるが十分に及第点。


 物語は、ひと言でいえば、秦の始皇帝の若い頃の話。「北斗の拳」を思わせる荒唐無稽な猛者たちが暴れまわります。いかにも劇画だなと思うところは多いものの、邦画でこれをやったのを高く評価したい。

 若い俳優たちも頑張ってました。…それにしても石橋蓮司は、どんな映画でも素晴らしい。


 邦画の未来に期待しつつ、楽しみました。

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