中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

How beautiful

2012-05-26 13:06:33 | 山形交響楽団
 山響は昨日から、日曜日の仙台「メサイア」公演のためのリハーサル。「季節はずれ」な感じもしますが、それは「第九」と同じように、勝手な習慣によるものなのでしょう。「初夏のメサイア」というのも貴重な体験です。


 さて「メサイア」と言えば以前も書いたように、大学時代に毎年演奏していましたから、想い出深い・・・というより、私にとっては学生時代と切っても切り離せない曲です。「ハレルヤ」だけでなくて、タイトル(歌詞の冒頭)を見ただけで、曲が思い浮かびますし、逆にパート譜を見ただけで歌詞が連想されます。「伝統」として毎年毎年、長い時間をかけて練習しましたからね。

「But who may abide」とか「For unto us a child is born」とか「His yoke is easy」とか「Since by man came death」とか・・・ほら、こう書いただけでメロディが懐かしく思い出されます。二つ目の「child is born」などは、合唱団の歌が「Chinese bone」と聞こえて、「私達のための中国の骨」?・・・などと訳す冗談が流行ったりしたのを思い出します。


 当時から一番好きだった曲は、アリア「How beautiful are the feet」。べつに「きれいな脚」が好きだったわけではありません。「主がやってくるその『足音』は、なんと喜ばしく聞こえるものでしょう」みたいな歌詞だったと思います。シチリアーナ風の美しい曲なのですが、もの悲しい。「なんと美しい!」ではなくて、「きっとさぞ美しく聞こえるだろう」とか、「そんな日が本当に来たらどんなにか喜ばしいだろう」というような、内面の心情を思わせます。心から神様に祈る気持ちは、こういう切ないものなのかも知れないな、などと当時、感じたのを覚えています。


 ところで、今回は「モーツァルト版」。私は初めてです。いろんな所で、聞こえてくる音に違和感があります。歌詞もドイツ語なので、聞き慣れない。モーツァルトの仕業だとわかっていなければ、許されない所もあるような気がします。しかし・・・新鮮な気持ちで、楽しみたいと思います。
コメント
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