「光」の基調は闇である。真夜中や暗闇の中に一閃する光の知性が描くのは"一寸先は闇"即ちたった今ここだけには光が満ちている、という風景だ。願いを口にする事が「人として逃れ得ない情熱からくる」のであるのなら、不安とは人と人が向き合う事の証明そのものである筈。だから私の事をもっと知って欲しい、ずっと見ていてほしい、とは不安と不穏に溢れた闇の中に光を求め続けようよ、という意も含む。然し、光に包まれ「何も心配いらないわ」と歌うなら光を求める強い願いは喪われてしまう。心配や不安がないのなら、この2人は見つめ合ってはない筈なのだ。
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