映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

やがて海へと届く

2023年02月19日 | 映画(や行)

不意にいなくなってしまった人への思い

* * * * * * * * * * * *

引っ込み思案で自分をうまく出せない真奈(岸井ゆきの)は、
大学入学後に自由奔放でミステリアスなすみれ(浜辺美波)と出会います。
そして2人は親友に。

ある時期2人は同居生活を送りますが、
やがてすみれはカレシ・遠野(杉野遥亮)と暮らすために出て行ってしまいます。

そしてある時、すみれは東北地方へ一人旅に出たまま姿を消してしまいます・・・。

すみれの不在をいまだに受け入れられない真奈。
遠野やすみれの母親は、いなくなった今の方が近くにいる感じがする、
などと言うのに反感を感じますが・・・。

 

始まってすぐに状況は明らかにされるので、
ネタばらしかも知れないけれど言ってしまいますが
すみれは単に行方不明というよりも、限りなく死に近い状況なのです。

冒頭と終盤には美しい水彩タッチのアニメーションが挿入されています。
不意にいなくなってしまった人への思いや、その人が生きていたときの思いは、
一体どこへ行ってしまうのだろう・・・。
そんな思いをのせながら。

真奈は、すみれに対して「友人」以上の気持ちを抱いていたのだけれど、
すみれはどうだったのか。
その答えは終盤にあったのですが、私はそこの所はなくてもよかったのでは?
という気もしました。
もう少し、二人の間の出来事を細かに描写することで、
感じることはできたのでは?と。

ともあれ、そんな二人の感情に薄々気づいてもいた遠野は、ちょっとステキでした。

物語は東北で起こったあの大きな悲劇に関連していきます。
不意にいなくなってしまった人への思いの切なさ、やるせなさ。
そんな思いをきわだてる作品なのでした。

<Amazon prime videoにて>

「やがて海へと届く」

2022年/日本/126分

監督:中川龍太郎

原作:綾瀬まる

出演:岸井ゆきの、浜辺美波、杉野遥亮、中崎敏、鶴田真由、中嶋朋子、光石研

 

いなくなってしまった人への哀悼度★★★★★

満足度★★★★☆



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (tibikuro2014)
2023-02-19 21:45:29
こんにちわですにゃ☕️ご紹介の記事を読んで
今ネタバレあらすじを見てきましたにゃ。
チビクロにわ、こういう友情わないけど、
もう会えない家族とか人とか相棒の猫様が
いるから、
ぜったい号泣するかもだから、
劇場にわ見に行けないですにゃ。
こういう佳い映画作品で人が癒され、
前に進んでいけるきっかけになるかもですにゃ。いつかみたいですにゃ。
ご紹介ありがとうございますにゃ。
Unknown (たんぽぽ)
2023-02-20 19:15:38
tibikuroさま
アイドル作品かと思いきや、意外としっかりした作品だったのです。
いつか、機会があれば、ぜひご覧ください。

コメントを投稿