映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

アウェイ・フロム・ハー  君を想う

2009年02月28日 | 映画(あ行)
最後に”悪い人生じゃなかった”と思うのはいつも男

           * * * * * * * *

「死ぬまでにしたい10のこと」に出ていた女優サラ・ポーリー。
若干29歳にして、これが彼女の長編監督デビュー作。
才能というのはあるところにはあるものです・・・。

40年以上も連れ添った夫婦の妻の方がアルツハイマーとなり、
老人介護施設に入所。
この作品は、次第に夫婦の絆の記憶も崩壊していく妻を、
哀しく見守る夫の視点から描かれています。

昨今、アルツハイマーに係る映画作品は多いのですが、
この作品は、その病に犯されていくつらさや哀しみというよりは、
妻に置き去りにされたように思う夫の悲哀を描いています。

こういう場合、記憶は新しいものから失われていくもののようです。
夫婦というのも、常にずっと穏やかだったわけではなくて、
これまでにはいろいろな波風もあったわけです。
若い頃の彼はずいぶん浮気をして、妻を苦しめた。
しかし、妻は、やっと落ち着いて夫婦の絆を取り戻していた近年のことを忘れていくんですね。
面会に行っても夫と解らず、施設の他の男性と心を通わせている妻・・・・。
彼は看護師にふとこんなことを言います。
「妻は私を罰しているのではないか・・・・」
彼自身の心の底にあった罪悪感が、そのような想像を呼び起すのです。
でも、彼がこのセリフをつぶやく以前に、
すでに私にもそのような想像が沸いてしまいまして・・・。

なんだかちょっと怖い気がするんですね。
無論本当に妻は脳の病で、記憶が失われているのです。
比較的新しいものから失われやすいとはいえ、失われる順に脈絡もありません。
しかし、そうではなくて、
何らかの深層心理の働きで恨みやつらみだけが残っていくとしたら・・・。
そんなわけはないと思いながらも、
この作品のラストでは、ますますそういう怖さを私は感じてしまったのです・・・。

・・・これは多分私の考えすぎなんでしょうね。
作品解説を読んでも、夫婦愛の絆の物語・・・という風になっていますし。
しかし、看護師は彼にこんなことも言います。
「最後に”悪い人生じゃなかった”と思うのはいつも男。」
長年連れ添った妻の内面を、夫は果たしてどれだけ解っているのでしょう・・・。
そう思うと、やはりちょっと怖くありませんか・・・?

ジュリー・クリスティーは、
いかにも若い頃は美しかっただろうなあ・・・という感じがしますね。
徐々に壊れていくところが哀しく現実味を帯びていました。

2006年/カナダ/110分
監督:サラ・ポーリー
出演:ジュリー・クリスティ、ゴードン・ピンセント、オリンピア・デュカキス、マイケル・マーフィー

『アウェイ・フロム・ハー君を想う』



7つの贈り物

2009年02月27日 | 映画(な行)
彼が7人に贈ろうとしている物とは・・・

           * * * * * * * * 

ベン・トーマス(ウィル・スミス)は、7人の名前のリストを持っています。
彼はこの7人それぞれに近づき、彼らの人生を調べ始める。
そうして彼らの運命を変える贈り物を渡そうとしている。
一体どうして、そして何を・・・・?
作品中も、これは最後まで明かせられないので、
なにやら状況がわからないままストーリーは進んでいきます。
そして、ラストですべてが明かされたとき、
私たちは深い感動に包まれる・・・・はず・・・(?!)


はい、確かに、ちょっと泣かされもしたのですが、何かイマイチの感も。
ここには陽気で屈託のないウィル・スミスはいません。
終始、苦悩をたたえた表情。
テーマは「贖罪」といっていいものなんですが、
どうも、わざとらしい偽善のようなにおいがしてしまう。
本当にこのような覚悟を決めた人なら、
もっと人知れずそれをするのではないだろうか・・・などとも思えてきて。

これは「幸せのちから」と同じ監督なんですね。
確かに、あれもシリアスなウィル・スミスでしたが、
あちらにはどん底から這い上がる!という強い決意、生きる意欲がありました。
だから映画にも力がある。
こちらはちょっと、「結末の驚き」にのみ力が入ってしまって、
ただ、それを仕掛けるためのストーリーになってしまったようです。
いっそ、彼の持ち味で、
おちゃらけて、どこまで真面目なのかふざけてるのかわかんない、
というようなキャラの方が、良かったのではないかと思います。
どうも、あのわざととらしく沈んだウィル・スミスには、
魅力を感じられない・・・。


クラゲがぱふぱふ水の中に浮いているのを眺めるのは、私も大好きなんですよ。
しかし、美しいものには毒があるのか・・・。
なぜそんなクラゲを飼い始めたたのか。
一つのヒントです。

2008年/アメリカ/123分
監督:ガブリエレ・ムッチーノ
出演:ウィル・スミス、ロザリオ・ドーソン、ウディ・ハレルソン、バリー・ペッパー

2/21公開『7つの贈り物』予告編



いまを生きる

2009年02月26日 | 映画(あ行)
いまを生きる [DVD]

ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント

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いま精一杯に生きることの素晴らしさ

                     * * * * * * * *

1959年、バーモントの全寮制の男子校が舞台です。
高い進学率を誇る名門校ウェルトン・アカデミー。
そこに、この学校のOBである教師、
ジョン・キーティング(ロビン・ウィリアムズ)が赴任してくる。
彼は英語の教師。
英語って、つまりあちらでは国語ですよね。
彼は型破りの教師で、
一番初めの授業では、生徒たちを学校のホールに呼び集める。
そこには、歴代の生徒たちの写真が飾ってあって、
「ほら、もっと近寄ってごらん、彼らが何かつぶやいていないかい?」
思わずつられて、写真に顔を寄せる生徒たち。
すると小さな声で「いまを生きろ・・・」。
もちろんこれは、キーティング先生がささやいたのですけれど。

彼は、教科書の詩の概論なんて破り捨てろといいます。
自分の心で感じろ。
君たちは自由だ。
人生を夢を持って生きろ。

生徒たちは型破りなこの先生に共感し、尊敬していくのです。
私、一応国文科をかじったのですが、
どうも国語の教師になりたいとは思えなかった・・・。
それは、ずっと、国語の時間が楽しいと思ったことがなかったからなんです。
目指すべき国語の教師像というのがちっとも浮かんでこなかった。
でも、こんな先生と出会っていたら少しは違ったかも、
・・・なんて今さらながら思います。

しかし、お堅い学校のことです。
キーティングは、規律を重んじるこの校風と合わないんですね。
やがてある「事件」があって、その責任がキーティングにあるとされてしまうのです。

生徒たちもみな素敵でしたね。
演劇をやりたいのだけれど、頑固な父親に反対され、悩むニール。
内向的で、なかなか自分の思ったことを言うことができないトッド
(なんとイーサン・ホークだ。若い!!)。
恋に悩むもの、
反骨精神にあふれたもの・・・
閉鎖された学校の中で、若いエネルギーをもてあます、
しかし、筋肉バカでなくて知的センスもある高校生の青春群像。
この世界観も悪くない。
・・・しかし、そこで起こる「事件」は結構ショッキングなんで、覚悟してください・・・。

1989年/アメリカ/129分
監督:ピーター・ウィアー
出演:ロビン・ウィリアムズ、ロバート・ショーン・レナード、イーサン・ホーク、ジョシュ・チャールズ


「つむじ風食堂の夜」 吉田篤弘

2009年02月24日 | 本(その他)
つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)
吉田 篤弘
筑摩書房

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「あなたはまだ この面白い小説を知らない」
これがこの文庫にかかっていた帯のコピー。
うん、確かに知らないなあ・・・と思いながら、
このシンプルな装丁にも惹かれて買いました。

そして、衝撃を受けました!

面白い・・・って、そんな言葉であらわすのは違うのじゃないか・・・と思いつつ、
しかし、なんと表現していいか悩みますね。

この本の言葉はポエムです。
いや、しかし、文体は平素。
気取った言葉などどこにもない。
語られる内容は、なんだか身近で温かでそして懐かしい。
摩訶不思議な出来事が起こるわけでもない。
それなのに、どこか現実を遊離した感じ。
自分もふんわりと宙に浮かんで物思いの世界をただよいたくなるような・・・。
う~ん、参りました。
こんな作家を今まで知らなかったのが、すごく損をしたような感じです。


ストーリーはこの「つむじ風食堂」に集まる人々の、ちょっとしたふれあいの物語。
つむじ風食堂の無口な店主。
月舟アパートメントに住む「雨降り先生」。
古本屋の「デニーロの親方」。
背の高い女優、奈々津さん・・・・・・
みな「必死にあくせくと」生きるのではなくて、
自己主張をしつつも飄々と生きて、そしてやさしい・・・。

さしてボリュームはない本なので、すぐに読めてしまいますが、
その満足感はたっぷりです。

この話は映画化されるそうで、撮影地は函館とのことです。
そこでまた、妙に納得してしまうのですが、
あの、函館のちょっと忘れ去られたような町の雰囲気が、
確かにこのストーリーにぴったり。

この思わぬ拾い物は、私の読書世界をぐい~っと広げたように思います。

満足度★★★★★★
(「チャイルド44」で6個★をつけたら、これにも付けないわけに行かないではないか・・・)


チェンジリング

2009年02月23日 | 映画(た行)
息子はどこにいるのか。答えを出すための困難な道。

            * * * * * * * *

1928年。ロサンゼルス。
ある日、9歳の少年が忽然と姿を消す。
5ヶ月の後、息子が見つかったと警察に言われ、
母親が行ってみると、なんと全くの別人。
しかし、その少年は自分が息子だと名乗っている。
それでも別人といい続ける母親を、
警察は精神錯乱として精神病院に強制入院させてしまう。

なんとも怖ろしい話なのですが、これは実際にあったことというので驚きです。
当時のロス市警というのは、腐敗しきっていたというのです。
汚職が横行し、ギャングと馴れ合う警察。
いつまでも子どもを探し出せないとなれば、
替え玉まで用意して、解決済みにしてしまおうとする・・・。
市民を守るはずの警察が、
自分たちの地位や権力を守るためにだけ機能している・・・というのはあまりにもひどすぎます。
しかし幸いにも、このひどい警察の有様を
なんとかしようという市民の活動があり、
それによってこの母、クリスティン・コリンズは救われるのです。

では、実の息子はどうなったのか。
そちらではまた、別の悲惨な事件が起こっているのです。
この母と息子のそれぞれの事件が交差し、増幅されていく・・・。
まさに見ごたえのある作品となっています。
結局母親は終始、息子はどこにいるのかさがしてほしい、
それだけを望んでいるのに、
まともな捜査すらしてもらえない。
この困難な道が彼女を余計に強くしたのだと思います。

クリント・イーストウッド監督は、割と淡々と物語を勧めているように思うのです。
時に狂的なまでに息子を追い求める母親を、描写は過大な感情移入をしない。
また、中ではホラーじみたシーンになりそうなところもあるのに、
あえて最悪なところは避けている。
あえてオーバーな表現を避けて、じっくりと人物を描写することで、
逆にあの母親の鬼気迫る感情が際立ってきていますね。
いぶし銀。
クリント・イーストウッド監督の力量に納得です。

ピアノのミスタッチとも思える不協和音の音楽が、
どことなく居心地悪いこの映画の状況をうまく表現していました。
・・・なんと、これもクリント・イーストウッド監督の作曲だそうで。
う~む、おそるべし・・・。

2008年/アメリカ/142分
監督・製作・音楽:クリント・イーストウッド
出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ、ジェフリー・ドノヴァン、コルム・フィオール


映画「チェンジリング」予告



「狐笛のかなた」 上橋菜穂子

2009年02月22日 | 本(SF・ファンタジー)
狐笛のかなた (新潮文庫)
上橋 菜穂子
新潮社

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一匹の傷ついた子狐が疾走しています。
犬たちに追われているのです。
これは普通の子狐ではなく、何か魔性の狐のように思われるのですが・・・。
もう力尽きて走れない
・・・そんなときに1人の少女に抱え上げられました。
しかし、女の子とて、そう速く走れるものではありません。
いつしか森の奥の禁断の屋敷の前までたどり着いてしまったけれど、
もう追っ手の犬たちがすぐ後ろまで来ている。
屋敷の塀に阻まれ絶体絶命のところへ、
屋敷の中から1人の少年が少女を招き入れてくれ、助けてくれる。


・・・これがこの本の冒頭、3人(二人と一匹?)の出会いです。
このスピーディーでスリリングな展開に、
一気に物語に引き込まれてしまいました。

上橋菜穂子さんは、私には始めての作家です。
この文庫の解説者、金原瑞人氏によれば
荻原規子、小野不由美、そしてこの上橋菜穂子は、
日本の女性ファンタジー作家の三羽鴉であるという。
前2者は読んだことがあって、とても好きな作家です。
このたび、またもう1人を知ることができて、幸いでした。

さて、物語は、このプロローグに当たる出会いの数年後から、
本当の展開を始めます。
そのときの少女が小夜で、彼女には何か不思議な力が備わっている。
大変に憎しみあっている武家の一族同士の物語に
小夜や、狐の野火がからんでストーリーが進んでいきますが、
小夜の美しくピュアな心や、野火の一途な思いが、切ない・・・。

しかし、この物語は上橋菜穂子氏の他のファンタジーとは
特に、趣が異なっているとのことですので、
やはり、「守り人シリーズ」を読んでみるべきのようです。

ファンタジーは、その独自な世界に入り込むまでがちょっとエネルギーがいるのですが、
読み始めると、今度はハマって抜けだせなくなっちゃうんですね。
しかし、この本などは、入り込むのは何の造作もなく、
ただただ引き込まれてしまった・・・。
そういうところにこの著者の力量を感じます。

満足度★★★★☆


ディファイアンス

2009年02月21日 | 映画(た行)
戦うユダヤ人にモーゼの奇蹟はあるか

            * * * * * * * *

1941年、ナチスドイツがユダヤ人狩りを始めた頃です。
ポーランドの田舎町。
ユダヤ人のビエルスキ兄弟、
トゥヴィア(ダニエル・クレイグ)、ズシュ(リーヴ・シュレイバー)、アザエル(ジェイミー・ベル)。
彼らがドイツ軍に襲われ両親を亡くしたところから映画は始まります。
彼らはとりあえず森の中に身を潜めることにするのですが、
そこへ他から逃れてきたユダヤ人が続々と集まってくる。
トゥヴィアは人々のリーダーとなり、そこにユダヤ人のコミュニティーを形成してゆきます。

これは実話を元にした作品で、オスカー・シンドラーにも匹敵する偉業。
結局1200人ものユダヤ人がここで3年ほども暮らして、
命が助かったというのは驚きです。
実際、楽なことではありません。
ドイツ軍は執拗に彼らを探し回り、攻撃をしかけてくるし、
この大勢の人々の食料の調達もままならない。
飢えた人々は次第に気が立って、不満分子も出てくる・・・。
彼らは武器を手に取り、ドイツ軍を迎え撃つこともするんですね。
そういえば、これまで映画の中で「闘うユダヤ人」というのは観たことがなかったように思います。
大抵は、迫害されるばかり・・・。
生きるために闘う。
考えてみればあっておかしくはない。
チェ・ゲバラでなくとも、武力闘争はやはり時には必要か・・・。
ただし、そうしなければ自分の命や人間としての尊厳が損なわれる、
という緊急避難的な場合に限る・・・と、一応言っておきましょう。

このトゥヴィアは、突出したヒーローというわけではなく、
悩み、逡巡しながらも、皆のまとめ役になっていきます。
また、きれいごとの人道主義を排し、時には非情な決断もします。
このあたりは本当に、行き抜くための厳しさを表していると思います。

それにしても、それまで全く普通に生活していた人々が、
ある日突然財産を取り上げられ、家を追われる。
さらには収容所に送られ、ガス室へ・・・。
こんなことが実際にあったというのは、何度見聞きしても憤りを感じます。
この森に集まったのは、ごく一般的な人々で、
教師であったり、ジャーナリストであったり。
なれない手で木を切ったり、家を建てたりするんです。
収容所ではない、というだけで、
実際の暮らし向きはほとんど収容所と変わらなかったのかも。
しかし、彼らには自由と誇りがありました。
これが生きていくためには必要ですね。

007でおなじみのダニエル・クレイグ。
これがまた、野性味たっぷりでかっこよかったですねえ・・・。
リーヴ・シュライバーというのも、私は結構好きな俳優さんで、今回たっぷり出番があったのでよかった。

2008年/アメリカ/136分
監督:エドワード・ズウィック
出演:ダニエル・クレイグ、リーヴ・シュレイバー、ジェイミー・ベル、アレクサ・ダヴァロス

映画「ディファイアンス」予告



「心神喪失 上・下」 ジリアン・ホフマン 吉田利子訳

2009年02月20日 | 本(ミステリ)
心神喪失 上 (ヴィレッジブックス)
ジリアン・ホフマン
ヴィレッジブックス

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母親と幼い3人の子どもたちの惨殺事件。
容疑者はなんと、その夫にして父親のデヴィッド。
花形検察官リックがその裁判に挑むのですが、
その補佐を務めるジュリアが本作の主人公です。
弁護側が主張するのは、デヴィッドの統合失調症による心神喪失。
さて検察側はそれにどう対処するのか・・・。

統合失調症。
日本でも、殺人事件の裁判などで、よく耳にします。
精神の病ですが、著者の後書きによれば、
およそ全体の1パーセントの人が、この病を発症するという。
意外と多いですね。
そして、また、遺伝的要素がとても大きい病である、と。
したがって、家族の誰かがこの症状を呈したとすれば、
その血を引く自分もやがて発症する確率はとても高い。
その家族を看取るだけでも相当大変なのに、
この精神的苦痛はかなりの打撃です。

さて、この統合失調症にある者の犯した殺人は、
心神喪失状態にあるとして、罪に問われることがない。
しかし、厄介なことに、この病は目で見て確かめることができないのですね。
脳のMRIなどには表れない。
そのため、しばしば罪を逃れるために、統合失調症を装う人が現れる。
その真偽のほどを見極めるのは大変に難しい。

この物語では、ジュリアに過酷な過去を背負わせています。
ジュリアは子どもの頃に両親と兄を亡くしているのですが、
その過去が、この事件に係る彼女に暗い影を投げかけます。
偽装ではなく真に統合失調症で、
本人も家族もずっと苦しんできていたことだったとしたら・・・。
それを裁くことが本当に正しいのだろうか・・・。
検察側にいながら次第に疑問が膨らんでいくジュリア。

終盤の彼女の絶望感には、思わず胸がふさがり、もらい泣きしてしまいました。
この著者の「報復」、「報復ふたたび」とも読んでいますが、
本作ではますます筆がさえているように感じられました。
・・・そして、結局ラストは釈然としないのです!
しかし、目に見えず測ることもできない、
この統合失調症をテーマにしているかぎり、
こういう結末はむしろ当然なのかな、と思えてきます。

その他ラブロマンスもあり、読み応えたっぷりの作品です。

満足度★★★★☆


素晴らしき日

2009年02月19日 | 映画(さ行)
素晴らしき日 [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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子持ちの二人の最悪で最高の一日

                * * * * * * * *

1997年作品、とちょっと古いのですがジョージ・クルーニーが若い!
ビジネス最前線で働きながら、バツイチ。
こんな男女の、初対面のめまぐるしい一日を描いたロマンチックコメディーです。

建築家メラニーは夫とは離婚。
息子サミーを育てています。
一方新聞記者ジャックは、別れた妻が別の男性との新婚旅行に行くというので、
娘マギーを預かることに。

二人は社運と自分の首をかけた大事な仕事の控えたその日、
子どもたちの野外授業の船の出発に遅刻してしまった。
・・・ということは、今日一日この子をどうすればいいんだ・・・?!
初対面の二人で、お互い第一印象は最悪ながら、
ここは目をつぶり、お互いの絶対はずせない仕事の間、
交代で子どもを預かるということになるんですね。
仕事のアクシデントやら、子どもたちのアクシデントやら、てんやわんやの一日。
さて、二人の仕事の守備はいかに?
・・・そして二人の関係は?

テンポいい展開が小気味良く、楽しめる作品です。
まあ、結末は読めてしまいますが、
こういう安心して楽しめる作品もいいですね。

子どもを育てながら仕事をする。
保育園や学校への送り迎えに悪戦苦闘。
そういう映画は多いですね。
離婚して1人で子育てをしたり、
子どもたちが別れた両親のところをいったり来たりしたり。
なかなか子どもたちも大変です。
こうして育った子どもたちが、
今度はまもなくどのような親となってどのような物語を綴っていくのか・・・、
多分、そういう話が今後ドラマの中で多く語られるようになってくるかもしれません。
渋い役どころの多いジョージ・クルーニーが
こんな普通っぽいお父さん役、というのがちょっと得した気分なんですよ。
でもやっぱりダンディーですね!

1997年/アメリカ/110分
監督:マイケル・ホフマン
出演:ミシェル・ファイファー、ジョージ・クルーニー、メイ・ホットマン、アレックス・ディー・リンツ


「オバマ・ショック」 越智道雄・町山智浩 

2009年02月17日 | 本(解説)
オバマ・ショック (集英社新書 477A) (集英社新書 477A) (集英社新書)
越智 道雄,町山 智浩
集英社

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いよいよオバマ大統領が就任しました。
「チェンジ」、といっても何がどう変わるのか、ここは少しまじめにお勉強です。
この本では、対談形式でとても解りやすく、
アメリカの政治の流れを解説してくれています。

アメリカン・デモクラシーの基本は「自由と平等」。
ところが、この「自由」と「平等」は相反する理念だというのです。
「自由」が過ぎれば競争社会で、弱肉強食となり、どんどん格差が広がる。
「平等」が過ぎれば、究極は共産主義。
国の規制強化や福祉の拡大は無気力をも生み出していく・・・。
だから、この「自由」と「平等」のバランスの取り具合がとても大事になるわけです。

大きな流れで見ると、アメリカの政治は、
「自由」よりと「平等」よりの政治が、およそ30年で交代しているといいます。
1930年から70年ごろまでがニューディール政策に始まる「平等」よりの期間。
1980年から、昨年までが、レーガンから始まる「保守革命」と呼ばれる期間で、
これは「自由」よりですね。
これが最後の最後に、ブッシュの新自由主義で「自由」側に偏りすぎたために、
もう取り返しのつかないところまでいってしまった。
そこで、ここにオバマ氏の登場です。
「自由」よりから「平等」よりへの大きなチェンジとなるはずだ・・・と。

普段その場の足元しか見ていないので、
このように大きな流れの中から俯瞰してみると、わかりやすいですね。
目からウロコが落ちる思いです。

町山氏はアメリカ在住なので、
このアメリカの経済崩壊に至る住宅バブルを身をもって体験しており、
サブプライムローンなどのことも解りやすく解説しています。
また、町山氏は映画評論家でもあるため、
この本の中でもいろいろな映画を例として揚げていて、
そんなところも、結構楽しめました。

白人にも絶大な人気を誇る、オバマとは一体何者なのか。
政治オンチの私でも、納得できる本でした。

満足度★★★★☆


大阪ハムレット

2009年02月16日 | 映画(あ行)
家族と一緒なら、ありのままの自分でいられる

            * * * * * * * *

森下裕美コミックの映画化です。
登場するのは、大阪の下町に住む5人家族。
昼は病院のヘルパー、夜はスナックで働く、とっても明るく働き者のお母ちゃん、房子(松坂慶子)。
3人の息子がいて・・・、しかしある日突然、お父ちゃんが急死。
そこへなぜかそのお父ちゃんの弟、つまりおっちゃん(岸部一徳)が転がり込んできて住み着いてしまう。

3人の息子たちがまたそれぞれユニークです。
ちょっと老けて見える、中3長男、政司は女子大生と交際。しかし、自分も大学生と偽っている。
兄弟誰とも似ていないことを悩む中1次男、行雄。ツッパリですが、突然「ハムレット」を読み始める。
小学生三男、宏基は、「女の子になりたい!」とクラスで宣言。

この3人兄弟それぞれの悩みをたどりながら、
でも、自分らしく生きていくのが大事ということに気づいていきます。
別に、人からどういわれてもかまわない。
自分のやりたいことをやろうよ。
だけど、それって本当は簡単なことではないんだけどね・・・。
そして、それができるのは、家族が見守っていてくれるから。

この3人をどっしりとつなぎとめているのが、お母ちゃん。
このお母ちゃんがいるからこその、この子どもたちですね。
おっちゃんもいい味出しているんですよ・・・。
なんとも、頼りなげなのだけど、いつの間にか、なくてはならない家族の一員になっている。
皆を見守る、家族の一員に。

次男の大阪弁の「ハムレット」はナイスでした。
なんというか、絶対にハムレットなんか読みそうもない雰囲気なんですよね。
それがわざわざ辞書で言葉を調べながら必死で読んで、
ほとんど覚えてしまった・・・。
「生きるべきか、死ぬべきかって、生きとったらそれでええやん。」
彼のハムレットへの答えです。
それと、この子は他の子とつるまないのがいいんです。
将来大物間違いなし!!

この作品のことを教えてくれた亮さん、ありがとうございました!
笑って泣いて・・・、満足いっぱいでした。
コミックも読みたくなってしまいました。
ゴマちゃんも結構好きだったんです・・・。

2008年/日本/107分
監督:光石富士朗
出演:松坂慶子、岸部一徳、森田直幸、久野雅弘


映画『大阪ハムレット』予告編



「グイン・サーガ125/ヤーンの選択」 栗本 薫

2009年02月15日 | グイン・サーガ
ヤーンの選択―グイン・サーガ〈125〉 (ハヤカワ文庫JA)
栗本 薫
早川書房

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さて、また2ヶ月が過ぎましたね。
グインの発刊を待っていると2ヶ月ってすごく早いです。
こんな繰り返しで、もう30年。125巻だもんね・・・。
一番初めから、リアルタイムで読んでいたわけでもないんですよね。
そう、私が読み始めたのは30巻くらいまで出ていた頃。
そのときはまだ一気に30巻読めば追いついたけれど、いまなら大変だよね・・・。
当分退屈しないことは確か。

さて、今回は前巻の続きで、まずヨナとスカールのミロク教聖地ヤガへの旅が語られるんだね。
今まで馬になど乗ったことがないヨナが、スカール一行と共に、馬に乗って旅をします。
長時間馬に乗るのも大変だと聞いたことがあるけれど・・・、
確かに、相当苦労したようだけど、何とかサマになってきたみたいね。
ヨナって、今まで結構地味な存在だったよね。
そう、ここまでメインストーリーに浮上したのは初めて。
これがスカールとのツーショットというのが意外といいですね。
意外な組み合わせ・・・というのは、今後のストーリーの鍵のような気がするね。
何しろ、膨大な登場人物がいるんだから、組み合わせ自由のお楽しみ!
とりあえず、このあとヤガで、ブランとも出会うだろうし、当然フロリー親子も・・・。
もしかするとリギアも、ウワサを聞きつけて、こちらに来るかもしれないね。
ヤガではこういう人たちの出会いだけでなくて、
ミロク教の絡んだ何か大きな事件があるような気がするなあ・・・。
そうだね、このストーリーではかなり以前から、ミロク教のことに触れられていたからね。
やはり、世界を揺るがす大きな何かがおこるのかも。

そして、途中から舞台は変わってゴーラであります。
なんとなんと、イシュトは電光石火、もうパロに向かって飛び出してしまった!
怒り狂うカメロンがあとを追って、追いついてみれば、イシュトは・・・
カメロンを見るなり、にこりと笑った。手放しの警戒心など全くなさげな笑顔・・・。
う~ん、参りますよね。だからイシュトはずるい。
いや、初めからカメロンはイシュトには勝てないんだよ。
ほれた弱みというヤツ。
それどころか、丸め込まれて一緒にパロに行きかけた・・・。
うーん、でも、イシュトもいい年なんだから、もう少しくらい分別がついてもいいじゃないのさ。
けど、それだったら、もうイシュトじゃなくなっちゃうよ。
大体、この人のいい加減さが、このストーリーを支えているといってもいいんだから。
それもそうか・・・。
でも、そこに大変なニュースが飛び込んでくる。
ケイロニアのサイロンで大変なことが起きている、というんだね。
グインがいれば安泰なはずのサイロンで・・・。
これ、この時のサイロンの話。
「外伝」の一番初めの話なのではなかったでしょうか。
はあ~、やっとそこにつながるのか・・・。
栗本さんって、一体どこまで見通してストーリーを作っているのか・・・。
これって、ほとんど脅威ですね。
ホントに。行き当たりばったりでは絶対にここまでひっぱれません!
というわけで、ヤガでは何が起きるのか、イシュトは本当にパロにいってしまうのか、
乞うご期待!
また2ヶ月ですか・・・。
ああ、でもそのときはさすがの北海道も春ですよ!
やっと雪が消えたところで、何もないけどね・・・。

満足度★★★★☆


「チャンネルはそのまま! 1」 佐々木倫子

2009年02月14日 | コミックス
チャンネルはそのまま! 1―HHTV北海道★テレビ (1) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
佐々木 倫子
小学館

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「動物のお医者さん」以来、佐々木倫子さんは大好きで、
本はそのつど全部買っていると思います。
「おたんこナース」、「Heaven?」に続く職業・・・というより業界シリーズかな?
これはテレビ局が舞台です。
主人公雪丸花子は、札幌のローカルテレビ局、北海道☆(ホシ)テレビに入社。
報道部に配置される。
しかし、これがなんと、本人は知らぬことながら、謎の採用枠「バカ枠」で採用されたという・・・。


以前にこんな話を聞いたことがあるんですよ。
組織における人の構成割合として、最良なのは、
全体を10として、優秀3:普通4:おバカ3。
これが5人グループだと
すごく素敵1人、まあまあ3人、トホホ・・・1人。
・・・って、あなたならどのグループの誰を連想しますか?
おっと、それは話が別ですが、
とにかく優秀な人ばかりが集まればうまくいくかというと、
そうではない、というのは真実のような気がするんですね。

そこで、この「バカ枠」ですが、
何も本当に頭が悪いというのではなくて、
なんだか規格はずれ、というか変わっているというか、思考や行動が普通じゃない。
まあ、大抵はピンボケであり、ドジであるわけですが、
時としてこれが思わぬ好展開を見せる。
そんな役回りの雪丸さんです。

先日「就活のバカヤロー」などという本を読んだので、
つい気になってしまうのですが、
会社などの採用試験で、本当にこんな風にわざと規格はずれを採用することなんてあるのでしょうか?
・・・それとも、優秀を採用したはずなのに、いざ使ってみたらおバカだった・・・。
そんなことのほうが多そうですね・・・。
いえ、それは結局、この「人物構成割合論」から行くと、成功というわけですよ。
そう思ったほうがいい。


話を戻しまして、さらにこのストーリー中では、
こういう人物がいると、なぜかそれをカバーする役回りの人が出てくるというのです。
それが彼女と同期採用の、山根くん。
彼は入社試験のときから、雪丸を見て、
こんなバカが採用になるわけがない、と思うのですが、
なぜか生き残って採用になっている。
こんなヤツと係りたくない・・・と思いつつ、
なぜか巻き込まれ、かかわってしまう、
クールに見えて実はお人よしの山根くんなのでした。

これら、人物が織り成す、リアルな業界コメディーコミック。
かなり地元びいきなのかも知れませんが、やっぱり面白い!

満足度★★★★☆


「三日月が円くなるまで/小十郎始末記」 宇江佐真理 

2009年02月13日 | 本(その他)
三日月が円くなるまで 小十郎始末記 (角川文庫)
宇江佐 真理
角川グループパブリッシング

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主人公、刑部(おさかべ)小十郎は仙石藩の武士。
あるとき、仙石藩主がライバル島北藩に恥をかかされるという「檜騒動」が起きて、
正木庄左衛門が藩主の汚名をそそごうとする。
小十郎はそこまでの藩への思い入れはないのだけれど、
その助太刀を命じられ、やむなくその任につく。

この話は、実際にあった「檜山騒動」の南部藩と津軽藩のいさかいを元にしているとのこと。
ふーむ、歴史に疎い私にはそういわれても分かりませんが・・・。
まあ、忠臣蔵を想像してみるといいのでしょうか。
主君が恥をかかされて、家臣がその仇をうつ。
つまり相手の命を狙う、ということなんですね。
今ではちょっと想像しがたい行為ですが、これぞ武士の心得・・・。
それでいうと、この小十郎は、立派な武士道を持っているとはいいがたいのです。
当面は、本気で仇を討つ機会を狙っている庄左衛門の動向を見守るだけの役目。
つまりは退屈なのです。
無為な日々。
しかし、いつかは命をかけて大仕事をしなければならない。
いつかの大事と現在の無為。
このギャップの中での小十郎の心の揺れ、
それははかない恋心であったり、
友人とのふれあいであったりするのですが、
ほろ苦く切ないその青春を描いています。


時代小説の魅力というのは、その封建制度という大きな制約の中でも、
今と変わらず、夢や希望を持って精一杯生きようとしている人々の姿が
心を打つのだと、私は思います。
考えてみれば、民主主義の今の世の中でも、
受験やら就職やら、結婚やら・・・、
様々な制約の中で、世の中の大きな歯車のひとつとなって生きている、
ということでは江戸時代とそう変わってはいないのかもしれませんよね。
だから、時代物とはいっても、実は古くて新しいテーマを扱っているわけです。
私は今のところ、宇江佐さんのものしか時代ものは読まないのですが、
こういうことが分かっただけでも、
この著者の作品に触れてよかったなあ・・・と思うのであります。


なんだかちょっと短気なところもあるこの小十郎さんが、
お寺で修行しなければならないところがあるんですよ。
そこで意地悪な僧に徹底的にしごかれるのですが、
彼はそこで逆に武士の矜持を取り戻す。
・・・いいシーンです。
無為の日々の中でも、徐々に人間的に成長していく小十郎。
さあ、「その日」は本当に来るのでしょうか・・・。

満足度 ★★★★☆


モーターサイクル・ダイアリーズ

2009年02月11日 | 映画(ま行)
チェ23歳の放浪

            * * * * * * * *

若き日のチェ・ゲバラとその友人アルベルトの南米の冒険旅行を綴っています。

この作品はチェのことを知っているのといないのとでは、受ける印象がだいぶ違うのではないかと思います。
だから、このたびのチェ2部作を観てからこの作品を見ると、また感慨もひとしお。
この映画の製作総指揮がロバート・レッドフォードでして、
多分彼も、チェには相当の思い入れがあることが伺えます。
実際の二人の旅の手記から映像化したものです。

1952年。
23歳のチェは、まだ医学生。
故郷のブエノスアイレスから、7歳年上の陽気なアルベルトと共に
バイクに乗って南米を旅します。
しかし、ほとんどお金もなく、バイクはポンコツで故障ばかり。
南米の美しい自然の中の田舎道を
時にはバイクを押しながら、
後半はバイクもダメになって徒歩やヒッチハイクで・・・。
決して楽な旅ではありません。
時には持病の喘息の発作にも悩まされます。
パタゴニアから険しいアンデス山脈を越え、チリへ。
そして南米大陸の北端まで。
一万キロを超える旅。

そんな中で彼らは様々な人々と出会います。
都市部の裕福な家庭に育ったチェには、初めて触れる人々の厳しい生活。
また、彼はハンセン氏病を専門科目としており、
その療養所も訪れるのですが、
そこでの人々との交流も、彼の心の底の何かを揺り動かすんですね。

彼は搾取するものと搾取されるもの、
虐げるものと虐げられるもの、
強者と弱者、
このように二分化される現実に次第に憤りを感じるようになっていくのです。
まだ、はっきりとした思想を持つにはいたりませんが、
革命家チェ・ゲバラとしての萌芽が見える。
そんなところが見所です。

チェはガールフレンドからアメリカで水着を買うためのお金を預かるのです。
それをアルベルトがことあるごとに狙う。
ほら、あのお金を使おうよ。
あのお金を貸してくれ・・・。
頑として、手を付けようとしないチェだったのですが。
結局何に使ったのか。
そこが注目です!

マチュピチュの遺跡を訪れる二人。
すばらしいシーンです。
そうか、チェもそこに立ったのだとしたら、
やはり一度は行って見たいものですねえ・・・。

この旅で、チェの中の何かがこれまでと変わる。
彼の激烈な人生への分岐点となる旅。
ガエル・ガルシア・ベルナルが素敵に演じています。
本物のチェもすばらしくハンサムなので、実にぴったり。
少し無精ひげの伸びた辺りがまた、精悍な感じも出て、
チェのイメージにいっそう近くなります。

アルベルト役のロドリゴ・デ・ラ・セルナは、ゲバラのはとこに当たる方だそうで・・・。

やはり、「チェ39歳」を見た後で、この作品を見るのがいいと思います。
「39歳」は、結末が切なすぎるので、
この作品で少し、気分を持ち直しましょう・・・。

2003年/イギリス/127分
監督:ウォルター・サレス
製作総指揮:ロバート・レッドフォード
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ロドリゴ・デ・ラ・セルナ、ミア・マエストロ


Motorcycle Diaries 2