映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

悪魔は誰だ

2015年03月31日 | 映画(あ行)
真犯人に、“愛”の悲しさを知る



* * * * * * * * * *

久しぶりの韓国作品。
骨太のサスペンスです。



まもなく時効を迎えようとする15年前の幼女誘拐殺人事件。
その母ハギョンは、事件捜査の進展しない中、自ら情報を集めていました。
しかし、当初から事件に携わっていた刑事チョンホが、
あと5日で事件が時効となることを告げに来ます。
刑事をなじるハギョン。


そんな中、事件現場に一輪の花がおかれているのを見つけたチョンホ刑事。
その数日後、15年前と同じ手口の誘拐事件が発生します。
事件は再び動き始める・・・。
果たして事件の真犯人とは・・・?



15年前の事件と現在の事件が錯綜していきますが、
事件の真相には胸を突かれます。
親が子を思う強い気持ち。
時にはそれが、このように悲しい事件をも巻き起こす。
ハギョン役のオム・ジョンファは、
韓国のアカデミー賞ともいわれる大鐘賞で最優秀女優賞を獲得。
なるほど、納得の熱演でした。



事件の時効成立で、その資料をすべて燃やしてしまおうと火を放ったチョンホ刑事。
しかしその時、雨が落ちてきてその炎を消してしまうのです。
まだ事件は終わっていない。
まるで天がそのように指し示しているかのよう。
なかなか劇的です。



また、15年前に残された犯人の声。
そして現在の事件の犯人の声。
科学的に分析し真実を導く所は、まさに今様の科学捜査。


そして警察が甘い捜査で、安直な結論を出そうとする所。


あくまでも“力と正義”には決定づけられない、
こういうところがハリウッド映画とは違うところですよね。
見応えのあるドラマなのでした。



「悪魔は誰だ」
2013年/韓国/120分
監督・脚本:チョン・グンソプ
出演:オム・ジョンファ、キム・サンギョン、ソン・ヨンチャン、チョ・ヒボン、ユ・スンモク

驚きの真相度★★★★☆
満足度★★★★☆

フランク

2015年03月30日 | 映画(は行)
うんと狭い引き籠もりの場所



* * * * * * * * * *

音楽で身を立てたいと思っている青年ジョン(ドーナル・グリーソン)が、
あるバンドの一員として加わることになりました。
そのバンドのリーダー、フランク(マイケル・ファスベンダー)は
四六時中妙なかぶりものをしている変な男。
しかし、バンドのメンバーたちはフランクに信頼と尊敬の念を寄せているのです。
ジョンも、フランクの被り物こそ怪しいと思いながら、
それでも彼の音楽性を信じ、怪しげな音楽合宿に付き合うのです。
ところがそんなバンドの練習風景を、ジョンがインターネットで流したために、
彼らのことが話題になり、
アメリカの人気フェスに招かれることになりました。
そこでのフランクは・・・・。



森の中の共同生活ではあんなにカリスマ的魅力をたたえ、
自信に満ちていたフランクが、
人々で賑わう街なかでは、神経質なただの変人に成り果ててしまう。
もともとフランクと彼を取り巻いていたバンドのメンバーたちは、
自分たちの音楽が人にどう思われるとか、人気がどうとかは、
どうでも良かったのですね。
ただ、人には直接話せない自分たちの思いを音楽で表現していただけで。




あのバンドの中では、凡人のジョンこそが異質だったのです。
バンドの人達にはそれがわかっていたから、
始めからジョンの加入には反対していましたっけ。



けれどフランクだけが、人々の注目を浴びたいという気持ちを
ほんのちょっとですが持っていたのです。
人々に理解されたい、賞賛を浴びたい。
…そうしたらこのお面を取ることができるのかも、と。
彼自身、やはりかぶりものを外すことができない自分を変えたい
という思いがあったのでしょうね・・・。



あのお面は対人関係でうまくいかないフランクのカラのようなもの・・・。
うんと狭い引き籠もりの「場所」のようでもあります。
でも結局、ジョンがさんざんかき回したために、
このカラが崩壊する。
カラの崩壊は悲劇ではなくて、新たな始まり?
そんな風に匂わせるラストがなかなか良かったですね。


最後だけやっと顔を見せる「フランク」の、マイケル・ファスベンダー。
そこは別人でも良かったわけですが、ちゃんとやっていたようです。
このお面、異常ではありますが、案外本当にこんな人がいたら人気がでるかも。
本人の顔が見えないキャラクター、ふなっしーみたいなもんです。
毒舌キャラとしてバラエティなどに出てみたらよさそう・・・。
音楽のからむ映画作品は大好きなのですが、
さすがに本作中の音楽は特殊に過ぎて、
「大好き」とまでは思えませんでした・・・。

FRANK フランク [DVD]
マイケル・ファスベンダー,ドーナル・グリーソン,マギー・ギレンホール,クリス・コイ,スクート・マクネイリー
東宝


「フランク」
2014年/イギリス・アイルランド/95分
監督:レニー・アブラハムソン
出演:マイケル・ファスベンダー、ドーナル・グリーソン、マギー・ギレンホール、スクート・マクネイリー

カリスマ度★★★☆☆
満足度★★★☆☆

風に立つライオン

2015年03月29日 | 映画(か行)
素直に泣くしかない!!



* * * * * * * * * *

実在の柴田紘一郎医師をモデルとした,
さだまさしさん原作の映画化。



アフリカ医療に生涯を捧げたシュバイツァーの伝記に感銘を受け、
医師となった航一郎(大沢たかお)。
大学病院からケニアの研究施設に派遣されます。
そしてそこからさらに、スーダンとの国境近くの赤十字病院へ派遣されるのですが、
そこで航一郎は衝撃的なものを見ることになります。


内戦で重傷を負い次々と運ばれてくる少年兵たち。
目の前で両親を殺され、麻薬を注射されて
無理矢理に兵士に仕立てられた少年たち。
体の傷は治っても心の傷は簡単には癒えません。



日本に恋人・貴子(真木よう子)を残しながらも、
この地に残る決心をする航一郎。
見渡す限り熱い荒野のその地で、
「がんばれー!」「がんばれー!」と叫び、
自らを鼓舞する航一郎の姿に胸が熱くなります。



誰かがやらなければならないこと。
それならば自分がやる。
このように思い実行できる人は強いなあ・・・。
だからライオン!!



本作は、航一郎を描写する一方、
その彼女・貴子の生き方も合わせて映し出します。
彼女の父は長崎の離島で医師をしており、
彼女もその診療所のあとを継ぐことを決意するのです。
アフリカほどの危険はないにしても
これもまた、勇気ある人生の選択の一つ。
彼女を支えようとする鈴木亮平さんの漁師姿もなかなか良かったです~。


お定まりのようにラストで、さだまさしさんの歌で泣かされてしまいますが、
実際、感動を約束された映画といっていいと思います。
この場合、素直に泣くしかないですね!



「風に立つライオン」
監督:三池崇史
原作:さだまさし
出演:大沢たかお、石原さとみ、真木よう子、荻原聖人、鈴木亮平
ライオン度★★★★☆
感涙度★★★★☆
満足度★★★.5


「ぼくらの身体修行論」 内田樹 平尾剛

2015年03月27日 | 本(解説)
真の達人は時間をフライングする

ぼくらの身体修行論 (朝日文庫)
内田 樹,平尾 剛
朝日新聞出版


* * * * * * * * * * 

思想家にして武道家のウチダ先生と
元ラグビー日本代表の平尾剛氏が身体論をめぐって意気投合。
スポーツ嫌いの子どもが増える理由、
筋トレの有効性、
勝敗や数値では測れないカラダの魅力と潜在力について語り尽くす。
文庫版オリジナルの特別対談「進化する身体論」収録。


* * * * * * * * * *

内田樹さんの評論は時々拝読しますが、
氏が武道家(合気道)でもあったというのは、初めて知りました。
・・・というのはあまりにも認識不足だったのでしょうか?
そう言えば、自宅兼道場を自らデザインし、建てたという話が、
最近文庫化されていました。
本作を読んでからは、そちらも少し気になっています。


本作は内田樹さんとラグビーの元日本代表・平尾剛さんの対談集になっています。

この本の中で内田氏は、
人は、自分の中に「身体を動かしたい」という切望を持っているはずなのだけれど、
日本の学校体育やスポーツはそういう欲求を掬い上げることができない、
といっています。
この考えに私は実際納得してしまうのです。
根っからの運動音痴の私は、ずっと学校の「体育」の授業が大嫌いでした。
でも実はラジオ体操は好きでしたし、
今でも歩くのは大好き。
某女性だけのフィットネスに通っていたりもします。
自分のペースで体を動かし汗をかくことは嫌いではない。
では、学校体育の何がいけないのか。
今の学校体育は明治になってから「武道」も何も知らない農民たちを
促成栽培で兵士に仕立てるための"訓練"が元になっている、
と氏は言うのです。
まあ、楽しい訳ありませんよね・・・。


また、「筋トレ」は、各部位に分けて個別に鍛えるわけだけれども、
これだと逆に細かい動きに対応できなくなる。
流れに沿った自然な動きの中でついてくる筋肉でなければ有効ではない・・・と。


そしてまた、武道であれ、ラグビーであれ、
真の達人の域に達すると「時間をフライング」する、というのです。
先が読める・・・というよりは、
周りが一瞬止まって道が見えるという感じでしょうか。
サイボーグ009が加速装置を使った時みたいな? 
やや精神論めいている感じもしますが、わかる気もするのです。
そうとでも考えないと信じられないスポーツの場面を見ることがたまにありますよね。


なかなか考えさせられる面白い本でした。

「ぼくらの身体修行論」内田樹 平尾剛 朝日文庫 
満足度★★★★☆

イントゥ・ザ・ウッズ

2015年03月26日 | 映画(あ行)
なに?これ。



* * * * * * * * * *

赤ずきんやシンデレラ等、おとぎ話の主人公たちのその後を描く
ブロードウェイミュージカルを映画化したものです。
魔女の呪いのせいで子どもに恵まれなかったパン屋の夫婦が、
魔女の呪いをとく4つのアイテム、
「赤いずきん」「白い牛」「黄色い髪」「黄金の靴」を探しに
森へ入っていきますが・・・。



もともと夢と冒険を期待してみた作品ではありません。
始めから、シニカルでブラックな雰囲気を期待していたわけではありますが・・・。
それにしてはなんだか子供っぽいし、
だからといって子供が見ても面白そうではない、
どこに感動すればいいのか分からない中途半端な作品でした。
また、使われている曲も、
すぐに口ずさみたくなるような曲ではなく、あまり印象に残りません。



まあ、あえてよかった点をあげるとしたら・・・
リラ・クロフォード(赤ずきんちゃん)のパンチのある歌声。
兄弟王子二人で歌うシーンは、笑える。
一直線ではない恋模様は、まあよし。
いかにも人のよさそうなパン屋のご主人、ジェームズ・コーデンはいいなあ~。
・・・でも見ていて気づいたのですが、
もしかすると本作はこのパン屋の主人の成長物語??? 
だとすると、始めから「いい人」に見えていたジェームズ・コーデンの演技は
失敗だったのでは???



ジョニデは相変わらず奇人変人の極みだし、
巷ではメリル・ストリープの魔女が評判のようですが、
あれだけのメイクをすれば、誰だって立派な魔女になるのでは・・・? 

なんでこんなに「時間の無駄だった」と思えるほどに
つまらなかったのかというと、
・・・そうですね、
いろいろなストーリーがごちゃまぜなので、どの人物もじっくりと描かれてはおらず、
結果、誰にも感情移入できなかった、と、
そういうことなのかもしれません。



「イントゥ・ザ・ウッズ」
2014年/アメリカ/124分
監督:ロブ・マーシャル
出演:メリル・ストリープ、ジェームズ・コーデン、アナ・ケンドリック、クリス・パイン、リラ・クロフォード、ジョニー・デップ
パロディ度★★★☆☆
音楽性★★★☆☆
満足度★★☆☆☆

グレートデイズ! 夢に挑んだ父と子

2015年03月25日 | 映画(か行)
まさに“鉄”の絆



* * * * * * * * * *

体が不自由で車いすの生活をしているジュリアン、17歳。
仕事で不在がちの父親が、失業して戻ってきたのですが、
いつも不機嫌で、口も聞かず、ジュリアンには不満が募っていきます。
そんな時、若き日の父がトライアスロンの選手だったことを知り、
自分も挑戦してみたいと思い立つのです。

初めて正面から向き合った父と息子が、
ハンディキャップを乗り越えてトライアスロンに挑む。
勇気と感動の物語。



そもそも、トライアスロン。
泳いで自転車を漕いで、その後フルマラソン。
う~、考えただけでも気が遠くなる。
こんなことをやろうとする人の気がしれないと、
かねてから私は思っていましたが・・・。
ここのお父さんは、まさにアイアンマン=鉄人であります。
自分一人だけでも大変なのに、
この年で、息子の分まで・・・。



南フランス、ニースで行われる「アイアンマン」レース。
スタートシーンは実際のこのレースの場面で撮影したそうで。
う~ん、物好きな鉄人たちがこんなにいるとは・・・!
体力の限界に挑む。
そしてそれをやり遂げる。
その時の達成感、爽快感を人々は愛してやまないのでしょう。
ジュリアンが少年から大人となり、精神の自立を図ろうとする。
これは普遍的な青年の成長物語でもあります。
車いすで家出。
やったね!!



本作の舞台となっている街がまたステキです。
フランスのアヌシー地方だそうですが、
背景にそびえ立つアルプスの山々が美しい。
いつか行ってみたい気のする街です。



グレート・デイズ! ―夢に挑んだ父と子― [DVD]
ニルス・タヴェルニエ
ギャガ


「グレートデイズ! 夢に挑んだ父と子」
2013年/フランス/90分
監督・脚本:ニルス・タベルニエ
出演:ジャック・ガンブラン、アレクサンドラ・ラミー、ファビアン・エロー、パブロ・ポーリー、グザビエ・マシュー

爽快さ★★★★★
満足度★★★★☆

「ノエル a story of stories」 道尾秀介

2015年03月23日 | 本(ミステリ)
クリスマスプレゼントのような一冊

ノエル: -a story of stories- (新潮文庫)
道尾 秀介
新潮社


* * * * * * * * * *

孤独と暴力に耐える日々のなか、
級友の弥生から絵本作りに誘われた中学生の圭介。

妹の誕生に複雑な思いを抱きつつ、
主人公と会話するように童話の続きを書き始める小学生の莉子。

妻に先立たれ、生きる意味を見失いながら
ボランティアで読み聞かせをする元教師の与沢。

三人が紡いだ自分だけの"物語"は、哀しい現実を飛び越えてゆく―。
最高の技巧に驚嘆必至、傑作長編ミステリー。


* * * * * * * * * *


本作は、3つの短編にわかれているのですが、
思いがけずに読んでいるうちにそれぞれのつながりが見えてきて、
そして最後に「4つのエピローグ」というすべてを収束する章があり、
うれしい連作となっています。
しかし、道尾秀介作品ですから、トーンは暗いのです。


孤独と暴力に耐える日々を送る中学生。
妹の誕生に複雑な思いを抱く小学生。
妻に先立たれ生きる意味を見失う老年の男。

物語は危うく死の淵を彷徨うのですが、
でもどこかでそれを阻止してくれるのが道尾作品の真骨頂。
本作では読み手である私達は、著者の策略で騙されてしまうところも多くあり、
まことに油断のならない、
しかし、やっぱり生きていくことは大切と思わせてくれる、
まさに「クリスマスプレゼント」のような一冊です。


本作に挿入されている童話もいいですね。
これは、あの虐めにあっていた中学生、圭介が長じて童話作家となり、
したためたストーリーで、
中でも「空とぶ宝物」のストーリーのラストはステキでした。
このストーリー、実際に独立して絵本になればいいのに、と、強く思います。

この本のカテゴリにちょっと悩みました。
道尾秀介さんは、一応「ミステリ作家」ではあると思いますが
本作はミステリというよりも、むしろファンタジーかもしれないし・・・
まあ、そういうジャンルを超えて、楽しめることは確かです。

「ノエル」道尾秀介 新潮文庫
満足度★★★★☆

もうひとりの息子

2015年03月22日 | 映画(ま行)
互いの“立場”を超えて



* * * * * * * * * *

イスラエルに住む青年ヨセフは、
兵役用健康検査の血液検査で、両親の実子でないことを知ります。
18年前、湾岸戦争の混乱時、出生した病院で取り違えられていたのです。
取り違えられたもう一人の息子は、
パレスチナの家庭で育てられたヤシン。
イスラエルとパレスチナ。
敵対する立場の家庭で育った彼らとその家族が真実を知った時、
彼らのアイデンティティと信念が大きく揺らいでいきます。


最近で「赤子の取り違い」をテーマに描かれたのは「そして父になる」。
あちらも非常に切ない作品でしたが、
本作は両家族のおかれた状況が敵対関係であるということが、
また大きな問題を孕んでいるのです。



パレスチナ人の居住地は高い塀で囲まれ、外へ出るためには通行証が必要です。
通行証を持たない人々は海を見ることもできない。
だから特にヤシンの兄などは、
イスラエルに住むユダヤ人に憎しみを抱いているのです。
そして弟が実はそのユダヤ人の子どもだと知った時、
彼は弟を受け入れることができなくなってしまう。



驚き、戸惑い、憎みさえもする互いの家族。
ましてや本人のアイデンティティの崩壊はいかばかりかと、胸が痛みます。
この中でヤシンが普段パリに住んでいるということで、
比較的イスラエルにもパレスチナにもとらわれない精神を持っていたことが
突破口だったのかもしれません。
息子たちが互いに本来の「家族」とつながりを持つことで、
ふたつの家族の気持ちもだんだんとほぐれていくのですね。



血がつながっていなくても、
18年間ともに家族として暮らした息子は、やはり「自分の息子」に違いないし、
そして血の繋がっている実の息子もまた、「息子」で、
どちらも大切な存在なのだと、次第に納得していくのです。
このことは、家族を超えて、
今、わだかまりを持つ民族間でも理解し合うことができるのではないかと、
そのようなことを示唆しているようにも思えました。



本作では二人の「母」は始めから答えを見つけていたように思えるのです。
しかし、なかなか納得出来すに混乱しているのは父であり、兄であり・・・。
やはり、「平和」には女の力が必要なのではないかと思う。
歴史とか、メンツとか、自分の所属する立場とか、
そういう社会性にとらわれるのはやはり「男」。


見応えのある作品でした。

もうひとりの息子 [DVD]
エマニュエル・ドゥヴォス,パスカル・エルベ,ジュール・シトリュク,マハディ・ザハビ,アリーン・ウマリ
TCエンタテインメント


「もうひとりの息子」
2012年/フランス/105分
監督:ロレーヌ・レビ
出演:エマニュエル・ドゥボス、パスカル・エルベ、ジュール・シトリュク、アリーン・ウマリ、カリファ・ナトゥール・マハディ・ザハビ

イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密

2015年03月21日 | 映画(あ行)
心震える実話



* * * * * * * * * *

アラン・チューリングは第二次世界大戦時、
ドイツ軍が世界に誇った暗号機“エニグマ”による暗号の解読に成功し、
連合国に勝機をもたらしたイギリスの数学者です。
本作は、その彼がチームで暗号解読に至るまでを描いていますが、
その偉業達成の物語と言うよりは、
アラン・チューリングその人の苦悩に満ちた人生を描いている
と言っていいでしょう。



ケンブリッジ大学の特別研究員、
27歳にして天才数学者と称せられるアラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)は、
ドイツの暗号の解読チームの一人となりました。
しかし、協調性のないチューリングは
他のメンバーと対立していきます。
そんな中、当時としては珍しい女性メンバーであるジョーン・クラーク(キーラ・ナイトレイ)が
アランを理解し支えるようになり、
次第に他のメンバーとも打ち解け、ようやくチームにまとまりができてきます。

アラン・チューリングはこの時、暗号解読のための大きなマシンを作成。
これが彼の名をとってチューリングマシンと呼ばれるのですが、
それでもなかなか成果が出ません。
ついには予算が打ち切られチーム解散寸前まで行きますが・・・。



暗号を解くまでの苦労話が実際メインではありますが、
実は、解いた後から苦悩は始まるのでした。
ここの展開が、実に意外ですが、
まさに「秘話」なのです。
英国政府が50年以上隠し続けたという・・・・。
彼らは「神」なのか、
それとも心を持たない冷徹な「マシン」なのか。
これだけでもとてつもない苦しみだと思うのですが、
それに加えてアラン・チューリングには特異な性癖がありまして・・・
つまり、同性愛者なのです。
あ、ネタばらしかもしれないのですが、
ここまでは映画解説などにもありますので、お許しを。
なんと、当時はこれが「犯罪」なのです。
並外れた頭脳を持ち、戦争終結への貢献は多大であるにもかかわらず
人々に忌み嫌われその上に犯罪者扱い・・・。
彼のその後の運命が最後に語られますが、
そうなるしかないか・・・と、辛いながらも納得できてしまいます。
絶望的に周囲に理解を得られず、孤独だったのでしょうね・・・。



そしてまた、おどろくべきことに彼の作ったチューリングマシンこそが、
現在のコンピュータの元になったものだという・・・。
実にノーベル賞をいくつもらってももらい足りないくらいの偉業なのですが、
その考案者に対してのこの仕打は、あんまりではありませんか・・・。
よく映画のキャッチコピーに「心震える」なんていう言葉が使われますが、
本作を見た直後の私、本当に「心震え」ていました。
ああ、「心震える」っていうのはこういうことだなあ・・・と逆に納得できたりして。



ここの所、実話を元にしたという映画を多く見ています。
「フォックスキャッチャー」、
「アメリカン・スナイパー」、
「博士と彼女のセオリー」
そして本作。
どれも衝撃でした。
人の世の出来事は、なんとドラマチックで不思議に満ちていて、そして悲しい。
「映画の力」を感じます。



「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」
2014年/イギリス・アメリカ/115分
監督:モルテン・ティルドゥム
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、キーラ・ナイトレイ、マシュー・グード、マーク・ストロング

歴史発掘度★★★★★
特異な人生度★★★★★
満足度★★★★★

ジゴロ・イン・ニューヨーク

2015年03月19日 | 映画(さ行)
いや~、まいりました



* * * * * * * * * *

ブルックリンの本屋の店主マレー(ウッディ・アレン)が、
花屋のフィオラヴァンテ(ジョン・タトゥーロ)をジゴロに仕立て、
男娼ビジネスを始める、というストーリー。
これが、裕福な女性たちに思いの外好評で、彼の虜になる女性が続出。
しかしある時、とある未亡人に本気で心惹かれていくフィオラヴァンテ・・・。



本作は、ジョン・タトゥーロが監督・脚本、そして主演を務めており、
また、ウッディ・アレンが自身の監督作品以外に
13年ぶりに出演したという話題作。
テーマはこんな、きわどさスレスレなのですが、
この題材でここまでいやらしくなく品よく、
そしてロマンチックにできてしまうというのも、
ある意味すごいと思います。



ここに登場するお金持ちのマダムたちが
フィオラヴァンテに夢中になってしまいますが、
いや、その気持はよく分かる。
一見とびきりのハンサムというわけではないですよね、ジョン・タトゥーロ。
しかしですね、この実際オトコっぽい容貌で、花を飾り料理をする姿勢、指
うわー、セクシー。
男っぽく力があることが余裕となっていて、
女性をいたわり、優しい。
おお、これぞ女性の望む男性像。
こりゃ、まいるワ・・・ホント。
は~。
もう、その一言に尽きる・・・。



あ、本作でブルックリンの彼らが住んでいる街。
ユダヤ人街なのですね。
こういう場所があるというのは、今まで他の映画でも見たことがなかった。
初めて知りました。
これもなかなか興味深い。



ジゴロ・イン・ニューヨーク コレクターズ・エディション [初回限定生産]アウタースリーブ付 [DVD]
ジョン・タトゥーロ,ウディ・アレン,バネッサ・パラディ,シャロン・ストーン,リーヴ・シュレイバー
ギャガ


「ジゴロ・イン・ニューヨーク」
2013年/アメリカ/90分
監督・脚本:ジョン・タトゥーロ
出演:ジョン・タトゥーロ、ウッディ・アレン、バネッサ・パラディ、リーブ・シュレイバー、シャロン・ストーン

セクシー度★★★★★
満足度★★★★☆

友よ、さらばと言おう

2015年03月18日 | 映画(た行)
いぶし銀



* * * * * * * * * *

フィルムノワールと現代アクションの融合・・・という触れ込みがありまして、
なんともシブ~い、男の友情の物語。



南仏トゥーロン警察で、シモンとフランク両刑事は勤務していました。
しかし、シモンが勤務中に人身事故を起こしてしまい、服役。
妻とも離婚。
そして彼は出所後警備会社で働いています。
そんなある時、離れて暮らしている息子が、
殺人事件を目撃してしまい、命を狙われます。
息子を守るため、決死の覚悟で敵と対峙しようとするシモンに、
元同僚のフランクが協力し、二人は強大なマフィア組織に立ち向かいます。



列車の中がまるで戦場のようになり、銃撃戦になるのが怖い。
居合わせた乗客には迷惑な話・・・。
これでは逃げ場もありません。
中で、乗り込んだマフィアたちに、
きれいな車掌のお姉さんが
「切符を拝見。持っていないなら罰金を頂きます」
などと言って、マフィアたちが困った顔をしていたところはちょっと笑えた。



それにしても、バンサン・ランドン演じるシモン元刑事が
なんともシブくてカッコイイ!!
が、元同僚とは言え、不自然なくらいに彼の身を案じ、力になろうとしてくれるフランクに、
シモンも思わず「なぜだ?」というのです。
何も答えないフランクに、私は思わず怪しい妄想を抱いてしまったのですが・・・。
いやいや、それにはちゃんと事情があったというわけです。



まあ、よろしいのではないでしょうか。


「友よ、さらばと言おう」
2014年/フランス/90分
監督:フレッド・カバイエ
出演:バンサン・ランドン、ジル・ルルーシュ、ナディーン・ラバキー、ジル・コーエン

バイオレンス度★★★☆☆
満足度★★★☆☆

博士と彼女のセオリー

2015年03月17日 | 映画(は行)
広大な宇宙の片隅の一瞬の出来事でありながら、人生は貴重で美しい



* * * * * * * * * *

ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を抱えながら、
現代の宇宙論に多大な影響を与える研究に励んだ天才物理学者、
スティーブン・ホーキング博士と、博士を支える妻ジェーンの物語。



スティーブン(エディ・レッドメイン)はケンブリッジ大学在学中に、
詩を学ぶジェーン(フェリシティ・ジョーンズ)と出会い、恋に落ちるのですが、
その直後にALSを発症し、余命2年の宣告を受けてしまいます。
ジェーンはスティーブンと共に生きることを決め、
二人で難病に立ち向かうことになりますが・・・。



もちろん実話なので、非常にリアルなラブストーリー。
ジェーンが、スティーブンと共に病と戦う覚悟を決めたのは、
もちろん真実の愛によるもの。
だけれども、夫の介護と子育てに、次第に疲弊していってしまう。
普通ならこんな時に妻を支え時には優しく包み込んでくれるのが夫。
けれどそれは望めない。
でも私は「始めからわかっていたことじゃない」なんて、
決して言えません。
時の流れの中では無理からぬこと・・・、
むしろそうならないほうがおかしい。
だから彼女が夫の代わりにそのような慰めを得ようとすることに、
全く嫌悪は覚えません。



しかし、スティーブンも妻のそんな気持ちをわかっているんですね。
彼の家のあれやこれやのヘルプ役として男性を受け入れることは
妻のためにも、どうしても必要だ。
そんなスティーブンの諦めや無念さ、
そして悲しみが彼の眼の色から伺えるのです。


エディ・レッドメインがアカデミー賞の主演男優賞を獲得したのは、
何もALS患者としての演技がリアルだっただけではない。
そのような中でも、ふとした目や口元の動きで
その感情がくっきりと伺える、
そういう確かな演技力こそが認められたと言っていいのでしょう。


でも授賞式では、かなりハイテンションになってましたね、
エディ・レッドメイン。
やはり「レ・ミゼラブル」のノーテンキなマリウスくんの方が、
実物の彼に近いようです。


2年の余命宣告を受けながらも、
今も73歳でご存命のホーキング博士。
正直、彼の理論は私などには全くわからないのですが、
ブラックホールと時間のこと、宇宙の始まりのこと・・・、
そんなことが理解できる能力があったら良かったのにと思います。


最後の方に、思い出のシーンのあれこれを、
時間を遡りながら描かれている部分があります。
若く希望に燃えていたあの頃の映像が、
なんと美しいこと。



人の人生は、ホーキング博士の説く宇宙の時間のスケールから比べたら
ほんの一瞬のことかもしれないけれど、
でもだからこそ美しく尊いのだなあ・・・と感じ入りました。

「博士と彼女のセオリー」
2014年/イギリス/124分
監督:ジェームズ・マーシュ
出演:エディ・レッドメイン、フェリシティ・ジョーンズ、チャーリー・コックス、エミリー・ワトソン、サイモン・マバーニー

リアルな愛の姿度★★★★☆
満足度★★★★☆

「パパは今日、運動会」 山本幸久

2015年03月15日 | 本(その他)
職場の「パパ」の顔

パパは今日、運動会 (ちくま文庫)
山本 幸久
筑摩書房


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五反田にある社員200人ほどの文房具会社が運動会を開いた。
いい年をして独身寮にいる名物男、
社内の嫌われ者のおべっか男、
ヨン様ばりのモテモテ男、
「ママ」の異名をもつ色っぽい社長秘書、
べらんめいの姉御肌
…会社にはじつにさまざまな人材がいた!
普段とは違う状況下で彼らの人生がほの見え、
会社生活の新展開もほの見える。
3年後のあの人を描く書下し短篇を追加。


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山本幸久さんのお仕事小説。
今回は、とある文房具会社の運動会の様子を、
会社のいろいろな人達に焦点を当てながら描かれています。


会社の中で目立つ人、目立たない人、
人気のある人、嫌われる人・・・、
様々な人がいますよね・・・。
公務員でもそれは同じだなあ。
ある程度の人数の集団になると、
必ずこんなふうな分布が出来上がってくるように思います。
面白いものですね。


さて、社内運動会って・・・、
さすがに今どきはほとんどなさそうですが、
本作を読んでいると妙に楽しそうに思えてきました。
職場で毎日顔を合わせているのに、休みの日まで付き合いたくなんかない・・・
というのが、今どきの人たちの偽らざる気持ちだと思います。
私もそちらに賛成。


けれど、時にはこんなふうに
仕事を離れた同僚たち、そしてその家族たちとの休日も、
悪くはないかもしれない。
そう言えば私の子供の頃は、
父の職場の皆さんで家族も共に一泊旅行などしていた記憶があります。
お父さんたちはみな陽気に酔っ払って、実に楽しそうだったなあ・・・・。
その妻達は、実は嫌々だったりしたのでしょうか・・・? 
当時はほとんどみな専業主婦だったと思うので、
彼女たちにもいいレクリエーションと思えたなら良かったのですが。
子どもにとっては、家にいる時とは違う
「職場にいる時の顔」のお父さんを見られたのも、
ちょっとよかったかな?と思います。


また、職場の同僚達たちにとっても、
いつもと違う人と話をしたり、意外な一面を見たり、
そういうことにも意義がありそうです。


それにしても本作中、最も強烈な個性の持ち主、
誰もから嫌われている「千葉」氏は実にやなヤツでした。
それが何故かラストに、
三年後のこの人を描く描きおろし短編がついていまして。
ちょっとやられます。
実際これまで描かれていた「嫌なやつ」には違いないのですが、
なんだか妙に人間味が感じられます。
著者にやられた!って感じです。

「パパは今日、運動会」山本幸久 ちくま文庫
満足度★★★☆☆

しわ

2015年03月14日 | 映画(さ行)
クリスマスにしか会いにこない家族よりも・・・



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スペインの漫画家、パコ・ロカ作品原作をアニメ化した作品です。


元銀行員エミリオは、認知症の兆しが見られるようになり、
養護老人施設で暮らすことになります。
彼はそこでいろいろな人達に出会います。



お金にうるさく、抜け目のない同室のミゲル。

面会にくる孫のためにバターやジャムをためているアントニア。

アルツハイマーの夫・モデストの世話を焼く妻・ドローレス。

ある日エミリオはモデストと同じクスリを処方されていることから、
自らをアルツハイマーだと知ります。
重症の老人は施設の2階の部屋へ移され、ほとんど廃人同様に生きている。
そのことに恐怖するエミリオを
ミゲルは何かと気遣うようになりますが・・・。


非常に重いです。
が、まさしく現実を見つめている。
老後を、そして死をどのように受け入れようとするのか、
それは今、日本だけでなくどこの国でも大きな問題であるのですね。
これまで銀行員として忙しく働き、家族や社会のために尽くしてきた。
その彼が、息子夫婦に連れられてきた施設に
置いて行かれた時の心もとなさは、
母親に取り残された子供のよう。
地位も、名誉も、財産も・・・そこには何も持ち込むことはできず、
職員に世話をされる存在。
そして老人たちはただ諦め、
自分の「思い」すらも消え入りそうになることに恐怖するのみ。



そんな中で、幼なじみのモデストとドローレスの少年・少女時代の
教会の尖塔でのエピソードが秀逸でした。
だれにでもあった若きみずみずしい日々。
…思わず涙がこぼれます。


どの国のどこの施設でも同じだと思うのですが、
入居者はただ職員に世話をされ、食べて寝るだけ。
そのような中でも、何か人のために役立っているというような
「生きがい」があるといいのに、と思います。
必要なのは何か一つでもいい、生きる意欲。
・・・逆に言えば、ミゲルが正気を保ったのは、
エミリオの心配を始めたからとも言えます。
こうなったら、クリスマスにしか会いにこない家族よりも、
いつも共にいる「友人」の助け合いのほうがよほど、
双方ともにありがたい。



日本のアニメは子どもたちや若い人に「夢」や「冒険」を投げかけるのもばかり。
アニメだからこういう題材に不向きというわけではない
ということを改めて思いました。
アニメなんか興味がないという方にも、おすすめの良作です。

「しわ」
2011年/スペイン/89分
監督:イグナシオ・フェレーラス
原作:パコ・ロカ

「老い」を見つめる度★★★★★
満足度★★★★☆

くちびるに歌を

2015年03月13日 | 映画(か行)
感動のツボ



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本作は、前から絶対見ようと思っていたのですが、
それというのも、
この作品で使われているアンジェラ・アキさんの
「手紙~拝啓15の君へ」の曲が大好きなのです。
初めて聞いた時には、なぜかわからないのだけれど、泣けてしまいました。
このたびこの作品を見ていたら、
あまりにも効果的にこの曲の合唱シーンがあるので、またまた、涙、涙・・・。



かつて天才ピアニストと言われた柏木ユリ(新垣結衣)が、
故郷の長崎県五島列島に戻ってきます。
同級生の教師ハルコが産休に入るために
代役として東京から戻ってきたのです。
しかし彼女はとても教師とは思えないブッキラボウな態度。
コーラス部の顧問になったのはいいのですが、全くやる気がなさそうで、
ピアノさえ弾かないのです。
そんなユリが部員たちに出した宿題は「
15年後の自分」ヘあてた手紙を書くこと。
そんな中から、
ユリ自身大きな苦しみを抱え迷いの中にいたのですが、
子どもたちもまたそれぞれの悩みや葛藤の中で生きていると知り、
逆に勇気づけられていくのです。



オール長崎ロケだったという本作、
美しい風景が純な少年少女達をさらに引き立てます。
ナズナは元気で真っ直ぐなリーダー格のオンナノコ。
でも男子には特にキビシイような。
いつも彼女の槍玉に上がるケイスケくんは、
しかし彼女のことを大事に思っていて、彼女を守るナイトです。
二人で黙ったまま自転車を押して歩く帰り道。
いや~、青春だなあ・・・。
オバサンはこんなところでもついホロリ。



そして忘れちゃいけない、サトルくんのこと。
彼には自閉症のお兄ちゃんがいて、
いつも彼がお兄ちゃんの工場までの送り迎えをしているのです。
優しくて思慮深いサトルくんは、とてもいい子なのですが、
自分の与えられた役割に複雑な思いを抱くことも・・・。
そりゃそうですよ。
そうでなければウソです。
この役を演じた下田翔太くん、なんだか綾野剛さんの「弟」って感じの雰囲気。
ボーイソプラノもあと一年後くらいには聞けなくなるでしょう・・・、残念。
そして極めつけはそのお兄ちゃんの「汽笛」なんですよね。
なんとそれはナズナとつながっていて・・・。
いやあ、この伏線は見事でした。
そしてまたここでも泣かされます・・・!!



泣ける映画=いい映画というわけではないけれども、
感動のツボを見事に抑えているということは間違いがありません。
家に帰ってから、またアンジェラ・アキを聞いてしまいました。


ユリが聞いていた電話のメッセージの声は鈴木亮平さんだったようですよ。
声だけだなんて・・・
もったいない・・・・

「くちびるに歌を」
2015年/日本/132分
監督:三木孝浩