映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

あしやのきゅうしょく

2024年05月08日 | 映画(あ行)

作る側の視点で

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給食がテーマの物語といえば、やはり「おいしい給食」なのですが、
本作は食べる側の楽しみよりも、作る側、栄養士さんや調理員さんの視点から描かれています。

 

舞台は兵庫県芦屋市の小学校。
芦屋市では自校式給食が運営されていて栄養士によるオリジナルメニューの展開など、
学校給食への取り組みが注目されているのです。

物語は、芦屋の小学校に新人栄養士、野々村菜々が赴任するところから。
彼女は、退任するベテラン栄養士から給食のイロハを引き継ぎます。

 

栄養士は単に給食の献立を立てるだけでなく、
予算のこと、子どものアレルギーのこと、子どもの親の宗教による食物の禁忌など、
考慮しなければならないことが多々。
そのような事を子供たちの様子を交えながら丁寧に描いていました。

大きな調理釜での調理は、へたをすると「エサ」のように見えてしまうものですが、
本作を見る限りは、それを見てもおいしそうなのです。
もちろん学校の規模にもよりましょうが、ここの学校では、
オムライスの卵焼きをフライパンで一枚ずつ焼いていまして、その手間が大変そう。
一つ一つ形を作らねばならないスコッチエッグなどというモノもありまして、
こういうのは栄養士さんのやる気だけではダメで、
調理員さんの思いも共になければ、できあがらないと思います。

こうして作られたモノはきっとおいしくて、食べるのも楽しそうだなあ・・・。

 

私もかつては学校職員(教員ではないよ)で、数十年間給食を食べ続けていたので、
学校の給食事情のことはよく分ります。
札幌市も割と学校給食のコンセプトは芦屋市に近いと思います。

今時の給食事情を知るにも、良い作品です。

 

<Amazon prime videoにて>

「あしやのきゅうしょく」

2022年/日本/86分

監督:白羽弥仁

出演:松田るか、石田卓也、仁科貴、宮地真緒、赤井英和、秋野暢子

 

今時の給食事情度★★★★☆

満足度★★★★☆



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