映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ザ・クリーナー 消された殺人

2009年09月30日 | 映画(さ行)
ザ・クリーナー 消された殺人 [DVD]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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殺人現場の清掃を依頼したのは誰?

* * * * * * * *

殺人など、事故の起こった現場の清掃人が主人公。
・・・とくれば先日見た、「サンシャイン・クリーニング」を思い出します。
けれどこちらは、サスペンスものなので、ぐっとリアル。
血のりがべっとり・・・。
う~む、仕事の大変さが実感としてわかります。
女の子が気軽に出来そうなことではないかも・・・。
少なくとも、生半可な知識や装備ではダメですね。


さてこのストーリーの主人公サム(サミュエル・L・ジャクソン)はもと刑事、
今は事故現場の清掃を仕事としています。
ある邸宅の清掃を依頼され、完璧に仕事を終えました。
ところが翌日、鍵を返し忘れていたことに気づき戻しにいくと、
そこの奥さんは全く清掃のことなど聞いたこともないという。
もちろん居間が殺人現場になっていたことも。
ところが、そこのご主人が行方不明となっている。
・・・ということは、
あの現場は、この家の主人の殺害現場だったのか・・・?

この主人というのは、実は警察の汚職事件の鍵を握る人物。
何か組織的陰謀の罠にはめられてしまったようなのです。
一体、誰がなぜサムを罠にはめたのか。
物語は意外な真相へ向かっていきます。

まあ理屈はともかく、なんとなくこの人が怪しい
・・・という感じは見えてきちゃいましたが。
まともそうな人が、実は危ない人物。
現代的感覚にあふれています。

これは人がやりたがらない仕事ですが、
でも、誰かがやらなくてはならない、必要な仕事ですよね。
ほとんど、「おくりびと」に近い感覚の仕事。
そこにドラマを生む要素がある。
性格的にはまさに、ミステリに向いた仕事で、
もっと、いろいろなサスペンスが生まれてもおかしくなさそうです。
あれだけ完璧に事件の痕跡を消してしまえるなら、
遺体さえ片付ければ、殺人を隠蔽することも可能ということなんですね。
この清掃人が殺人者と組んだら怖い・・・。
というか、もともと知られたくない殺人なら、もっと現場を選ぶでしょうか。
つんないこと考えてしまいました・・・。
ミステリの読みすぎだっつーの。

でも、血のりはないけれど、
あれくらい徹底的に一度我が家も、掃除してもらいたくなっちゃいました・・・。

2007年/アメリカ/90分
監督:レニー・ハーリン
出演:サミュエル・L・ジャクソン、エド・ハリス、エバ・メンデス、キキ・パーマー


ザ・クリーナー 消された殺人


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「三匹のおっさん」 有川 浩

2009年09月29日 | 本(その他)
三匹のおっさん
有川 浩
文藝春秋

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さて、私としては久しぶりに読む有川浩。
「図書館戦争」にはハマりました。
なんといいますが、彼女のベタ甘の恋愛描写には中毒性があると思うのです。
まるで、ハーレクインのように・・・。
あるとき、ハタとそれに思い至った私は、
こんな本(失礼!)を読んでいたら、ダメになる・・・、
と、それ以後読むのを止めていたのですが・・・。
この本はですね、まさにおっさんが主人公なわけで、
そうベタ甘な恋愛ものではなさそう。
しかも、いろいろな方の書評でも結構評判がいい。
ということで、読んでみました。


ちなみに、私、例の「定額給付金」をきっちり、図書購入に充てたんですね。
普段そう気安くは買えない単行本の購入に。
なので、この夏は結構リッチな読書ができました。
自民党さん、このことにだけはお礼を申し上げておきます・・・・・・・・・。
そこまでやったのに、残念でしたね。


それで、この本なのですが、まず主人公となる三匹をご紹介しましょう。

定年退職後、近所のゲーセンに再就職した剣道の達人キヨ。

柔道家で居酒屋「酔いどれ鯨」の元亭主シゲ。

機械をいじらせたら無敵の頭脳派、工場経営者ノリ。

「ジジイと呼ぶな。せめて"おっさん"と呼んでくれ。」
という幼馴染、もと悪ガキの彼らは、いま「アラ還」。
つまり、還暦前後。
町内の自警団を結成します。
それも人知れず・・・、というところがかっこいいですね。
自称、地域限定正義の味方。
町内のいろいろ不穏な事件を片付けていきます。

ところが読んでいくうちに、実はこの本の真の主人公は、
キヨの孫である祐希ではないかと思えてきます。
高校一年の祐希は、一見ワルっぽい雰囲気なのですが、
これがなかなかどうして、正義感の強い素敵なヤツなんですよ・・・。
そして、ノリさんの愛娘、早苗の登場で、
一気にいつもの有川ワールドに突入。
でもそれはすごくいい感じの展開でした。
二人の初々しい感覚が、なんとも言えないんですよ~。
結局私は、やっぱりこういうのが好きなんですワ・・・。

キヨさん、シゲさんと武術の達人がいるだけあって、
それで事件にケリがつくこともあるのですが、力技ばかりじゃないですよ。

最後の第6話は、悪徳商法・詐欺商法の話です。
おっさんたちが探っていくと、
この被害者というのは、
店員たちが親切に応対し話を聞いてくれることがうれしくて、
せっせと店に通っていたのだということがわかってきます。
話し相手もなく、孤独なお年寄りたちが多く被害者となっていたのですね。
そこで彼らが動いたのは、
町内の会館などの空きスペースを、町内のお年寄りの憩いの場にすること。
一日入り浸ってもよし。
もちろんお金はかからない。

現役を退いたけれどまだまだ元気。
そういう人たちは今大勢います。
こういう人たちを活用しない手はない。
地域のコミュニケーションの核として、
こういう人たちが動き出したら、相当のことができそうだなあ・・・と、
現実の社会の方向性の一つのヒントでもあるような気がします。
そして、祐希たちのように、若い世代も一緒に活動できたらもっとステキ。

退職後の生き方のヒント。
社会の元気を取り戻すヒント。
それに、ほんのりうれしはずかしラブストーリーの色付けをして、
とっても楽しいストーリーに仕上がっております。
納得の一冊。

満足度★★★★★
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扉をたたく人

2009年09月27日 | 映画(た行)
老教授の心の扉をたたいたのは・・・

* * * * * * * *

愛妻に先立たれ、すっかり生きる意欲も働く意欲も無くしている老大学教授、
ウォルター(リチャード・ジェンキンス)。
そんな彼がある日、ニューヨークの別宅を訪れてみると、
そこにはなぜか見知らぬ移民の男女が・・・。

彼らは騙されてその家を借りていたのですが、
いくあてのない二人をウォルターは部屋が見つかるまでいてもいいといいます。
シリア出身の青年タレク(ヒアム・アッバス)は
アフリカの太鼓ジャンベの奏者。
部屋で練習をしているその音に魅せられて、
ウォルターはタレクからジャンベを習い始めます。
年齢も、生活の環境も全く異なる二人が、ジャンベを通して心を通わせていく。
ところが、タレクが入管管理局の施設に収容されてしまい・・・。

不法移民。
アメリカでは移民の受け入れは、以前は結構緩やかだったのですね。
ところが、あの9.11の事件以降、大変に厳しくなってしまった。
タレクも昨日今日アメリカにやってきたわけではありません。
何年も前に難民申請でやってきて、大学もこちらで出たのに、今更・・・。
まるで罪人のような管理局の扱いに、
ウォルターは、
なんでアメリカはこんな不寛容な国になってしまったのか、
と憤るのです。


気力をなくしてしまっていたウォルターは、
ジャンベの魅力に取り付かれたこともありますが、
このタレクの一連の出来事で、
社会に関心も出て、俄然頼りになるオジサマになってきますね。
行動的になり、生きる意欲が湧き出してきます。
守るべきものがあるとき、人は強くなりますね。

タレクはとっても好青年です。
ちょっととっつきにくいウォルターに気さくに話しかけ、ジャンベの手ほどき。
ライブにも誘うし、公演のセッションにも誘う。
こんな風に、人を元気にできるのは、一種の才能です。
その彼が、収容先で次第に元気をなくし、いらだっていくのは痛ましい・・・。
制度とはいえ、
あまりにも「人の心」を無視したありようは、
変えていくべきなのかもしれません。

一介の市民としては、おかしな法であっても従うほかありません。
そんなむなしさの中で、ウォルターにジャンベだけが残るんです。
ウォルターにとっては、このジャンベをたたくことが反骨であり、
生きる希望となる。
ここが、やや暗いこの作品の結末に、花を添えています。

名脇役といわれたリチャード・ジェンキンスの、
初主演にしてアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた作品・・・、
これも十分納得できました。

さて、後回しになってしまいましたが、このジャンベがいいですね。
私もたたいてみたい・・・。
ま、リズム感がないのでモノにはならないでしょうが、
それこそ誰も見ていない隙にたたいて遊んでみたいような・・・。
先日「ブラスト」のコンサートでドラム・コーを聞きましたが、
あれも良かったけれど、ジャンベのほうがもっといい。
音に表情があります。
そのうち機会があったら、ナマの演奏を聴きたいなあ・・・。

2007年/アメリカ/104分
監督・脚本:トム・マッカーシー
出演:リチャード・ジェンキンス、ヒアム・アッバス、ハーズ・スレイマン、ダナイ・グリラ



扉をたたく人:The Visitor 日本版予告篇


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ジョゼと虎と魚たち 

2009年09月26日 | 映画(さ行)
ジョゼと虎と魚たち(通常版) [DVD]

アスミック

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ジョゼは深海から脱出できるのか

* * * * * * * *

さてとどこから話しましょうか。
ジョゼ登場までが、なかなかいわく付きで楽しい。
大学生恒夫(妻夫木聡)は雀荘でバイトをしています。
近頃お客の噂では、近所にいつもボロボロの乳母車を押して歩いている老婆がいるという。
それも、最近からというのでもなく、もう何年も前から・・・。
それは、なくなった孫のミイラだとか、
お宝だとか、麻薬だとか・・・、
みな、好き勝手なことを言います。
そんなある早朝、恒夫が店長の犬を散歩させていると、
坂の上から突然乳母車が走ってくる。
老婆が転んで叫んでいる。
坂の下で泊まった乳母車を恐る恐る覗き込んでみると・・・
1人の少女が包丁を持って睨み返している!
目力のあるこの少女が、ジョゼ(池脇千鶴)です。
彼女は足が不自由で、乳母車で散歩していたのです。


ジョゼというのはもちろん本名ではありません。
彼女の愛読書、サガンの小説「一年ののち」の主人公の名前。
恒夫に名前を問われた彼女が、こう答えたのです。

祖母と二人で暮らしているジョゼは、
愛想が悪くてほとんど口も利かないのですが、
その料理の腕は抜群。
そして、なにやら変なことを良く知っている。
恒夫は、この少女にちょっと興味を持つのです。
たびたび、この家を訪ねるようになる恒夫。


このストーリーは下手をすると、
身障者を題材とした問題提起のストーリーになってしまうところです。
でも、この作品は違う。
恒夫は、ただ単純に、この非常に個性的な少女を好きになったんです。
その個性というのがまあ、一般的にはハンディと呼ばれるものなのですけれど。

ジョゼのお婆さんも、強烈ですよ。
昔の人なんですよね。
「この子は壊れ物だから、人様の前には出せない。
何にもできないものが、人様よりいい思いをするなんてとんでもない。」
・・・と、こんな風です。
それでもゴミステーションから本を拾ってきたり、
乳母車で散歩させてくれたりするだけまだいいのですけれど。

単純にジョゼが好き。
ボランティア気分でも、同情でもない。
恒夫にとってはそれだけのことなのに、周りの受け止め方が違うんですよ。
よくも悪くも何か『特別』なこととしてとられてしまう。
その周りの特別視が恒夫にとって段々つらくなってきたのではないかなあ
・・・と思います。
そしてまた、単純に「好き」というだけで、
将来までジョゼの生活を引き受ける覚悟も始めからなかった
・・・ということなのでしょう。
だから、これは普通に男女の出会いと別れ、
そういう物語と受け止めるべきなのかもしれません。

とはいえ、ジョゼがこれまでの心境を
「深海で一人ぽっちでじっとしていた・・・」
と語るシーンでは胸が締め付けられます。
ここで唯一CGが使われているんですが、すごく効果的です。
名シーン。
それから、ジョゼと恒夫の彼女(上野樹里)の対決シーンが結構気に入りました。
ジョゼに嫉妬した彼女は、ジョゼを殴りつけましたね!
身障者だからって、そんなことは関係なし。
この、変に気取らないところがいい。
「のだめ」のイメージがまだない上野樹里というのもいいですよ。

男泣きに泣く妻夫木くん。
先日も「ノーボーイズ、ノークライ」で観たなあ・・・。
うん。なかなかこれもよし。

2003年/日本/116分
監督:犬童一心
原作:田辺聖子
出演:妻夫木聡、池脇千鶴、上野樹里、新井浩文

ジョゼと虎と魚たち 予告 


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カムイ外伝

2009年09月25日 | 映画(か行)
この貝を別々に持っていると、いつか一つになろうとする

           * * * * * * * *

さてさて、いよいよ観ました。
お待ち兼ねの「カムイ外伝」。
カムイは松山ケンイチ。
これ、なかなかいいですね。
これまでアニメとか劇画とかを見ても、
俳優が誰ってあまりピンと来ませんでした。
でも、これはいい。
カムイを演じるには裸体もきれいで、
褌姿がサマにならなければね・・・。
(どこ見てるんだか)


全体に、原作を忠実になぞっていると思います。
藩主は、原作ではもっと普通っぽい感じですが、
映画では異常性を強調していますね。
そしてそのあやしい奥方(愛人?)の存在とか、
謎の絵師とか。
ここは原作にはない部分ですが、いい味付けだと思いました。
腐敗した権力。
反骨精神たっぷりでね。


さて、実写としては忍者の動きをどのように表現するか。そこが問題です。
うーん、ワイヤーアクションにVFXですか。
いかにも漫画チックになっちゃいましたね。
まあ、それはもともと漫画なんだから仕方ないか・・・。
でも、そうでなければどうするのか・・・。
アクロバットもどきの動きをカメラワークで工夫して、
もっとリアルな感じにならないもんでしょうかねえ・・・。
そうは言っても鮫のシーンはやっぱり無理ですね・・・。
でも、「変移抜刀霞斬り」がイメージできたのはすごくいい。
すごく納得しちゃいました。
しかし、こういうシーンがあまり目立つと
お子様向け作品になっちゃうところですが、
でも、生と死の狭間で生きていく人々、
カムイの孤独と苦悩、
サヤカとカムイの気持ち・・・、
こういった部分がきちんとしているので、
結構見られる作品になっていたのではないでしょうか。
それから、白い鳩のシーンがありましたね。
あれ、ジョン・ウー監督を意識しているんですよね。
クスッとしちゃいました。

ラストはちょっと原作と変えてありました。
原作は、怒りに燃えたカムイが、かなり残虐になっちゃうんです。
そこがまた、常になく感情をたぎらせる部分で、圧巻のシーンなんですが。
今作では、意外とあっさりしちゃってる。
カムイをそこまで悪人にしたくないという意図なんでしょうねえ。
やや不満が残ります。

それにしても、月日貝。
この貝を別々に持っていると、いつかきっと一つになろうとする・・・・・・・



良い話だなあ・・・。涙。涙。

2009年/日本/120分
監督:崔 洋一
原作:白土三平
出演:松山ケンイチ、小雪、大後寿々花、伊藤英明、小林薫


【公式】 『カムイ外伝』予告編 最新映画 出演:松山ケンイチ


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カムイ外伝-スガルの島- 白土三平

2009年09月24日 | コミックス
カムイ外伝-スガルの島- (ビッグコミックススペシャル)
白土 三平
小学館

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「カムイ外伝」。
今回は、映画を見る前の予習と行きましょう。
私は以前に読んでもいるし、
特にこのストーリーは最も好きな部分なのですが。
・・・でも、また読んでしまいました!

私が「カムイ外伝」を知ったのは、実はアニメが最初ですね。
1965年~1967年、白土三平作のこのコミックが少年サンデーに連載となりました。
その後アニメ放送があったのが1969年。
ちょうどそのころ、サンデー掲載分が単行本となったものを買って読んだのだったと思います。
その初期作品にも、ちゃんとこのストーリーがすでにあって、
「月日貝」という題名だったと思うのですが・・・。
またこれがもう少し後で、ビッグコミックスに劇画として連載になりまして、
これが外伝だけで11巻出ています。

この本は丸ごと、今回映画化された部分の原作をピックアップしたもので、
カムイ外伝初心者にはお得です。


まず、カムイとは何者か・・・。
非人の村に生まれたカムイ。
少年カムイは、いわれなき差別をどうしても納得できない。
この差別から自由になるためには強くなることだ・・・、
そう思ったカムイは、忍者の道を選ぶ。
やがて天才的な忍者となったカムイは、
しかし、その忍者の世界も、権力者が支配する矛盾に満ちた世界であることに気づき、絶望する。
ついには、組織を抜けることになるが、これは忍びの世界では死を意味する。
自分が生き抜くためには、つぎつぎに襲い掛かる追忍を倒さなければならない。
逃亡者カムイの血にまみれた孤独は続く・・・。

この章は長いカムイの旅の、ほんの断片ではありますが、大変重要な部分。


カムイが流れ着いた島に、カムイと同じ「抜け忍」のスガルが漁師の妻として暮らしている。
カムイはこの一家や、この島に馴染んでいく。
特にスガルの娘サヤカの、純粋でまっすぐな好意をまぶしく感じてしまう。
しかし、この一家に迫る危機。
そしてまた、カムイとスガルに迫る追っ手・・・。


カムイはストイックで常に冷静。
そんなカムイがほのかな恋心を抱き、そしてこれまでになく、
自分の感情をあらわにするシーンがあって、ドラマチック。
カムイ外伝を映画化するとすれば、確かに、ここしかないのです。
特に月日貝のエピソードは心に残ります。
海に生きる人々の生活がリアルに表されていまして、
また、鮫や魚の躍動感、素晴らしいです。
こんなに完成されたものを、わざわざ映画化なんかしなくても・・・、
と思ってしまうのですが、
でも、観ないではいられない、ファンの心理・・・。
映画版、カムイはいかに・・・?!

「カムイ外伝」を読んだら、「カムイ伝」も読みましょう。

「カムイ伝講義」というのも、ありますよ。


満足度★★★★★


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ヒメママ 3

2009年09月22日 | コミックス
ヒメママ 3
玖保 キリコ
マガジンハウス

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「ヒメママ」は、前巻でハルオ一家が引越をし、
リサと離れてしまったので、それで終わりかと思っていたら、
ちゃんと続きがあったんですねえ。
せっかく離れたところに越してきたハナの期待もむなしく、
たびたびやってきてはわがまま放題のリサなのでした。

さて、この巻ではなんとリサがブログに挑戦(しようとする・・・?)
リサの友人、ひろみさんは非常にまともな、良識ある人物なんです。
何でリサと気が合うのか不思議なくらい。
そのひろみさんが、なんと近頃ブログをはじめた。
それですっかり置き去りにされたような気になって、悔しくて、
リサもパソコンを使い始めることに・・・。
今まで、触ったこともなかったので、
ハナの友人に手ほどきをうけるのですが・・・。
ハマりきったリサは、ネット中毒でやつれ果てた姿に・・・。
ブログまではたどり着けるのか???
新しいことにも挑戦。
前向きなのはいいですね。


それからこんなこともありますよ。
新しい土地で、カイの幼稚園ママたちの輪にデビューのハナ。
そこのボスママというのが、これまた、自分勝手でわがまま。
ちょっと困り者。
他のママたちも迷惑そうなんだけど付き合いを断れない。
そんな時、やってきたのがリサで、
ボスママとリサの対決になっちゃいます。

ドキドキ。

でも、これはもう、リサにかなう相手がいるわけがない。
リサは、かまわず言いたいことをズバズバ。
周りの皆も内心拍手喝采。
普段は迷惑なリサなのですが、こんな時には頼りになる。
こんな風にいつも意地悪なだけでないのが、リサの魅力なんですよね・・・。

なんだか、いつも人のよさそうなオバサンをしているのも疲れるので、
こんな風になってみたい・・・。
しかし、つい人の思惑が気になってしまう私などの器では、
所詮無理だろうなあ・・・。

満足度★★★★☆
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ダーティハリー3

2009年09月21日 | クリント・イーストウッド
ダーティハリー3 [DVD]

ワーナー・ホーム・ビデオ

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女性刑事も運命からは逃れられない・・・

            * * * * * * * *

さて、ダーティハリーの3作目ですね。
これは2作目からは3年ほどあとに作られたもの。
今回は過激派グループが敵となるわけですね。
はい、一応過激派ということになっているけど、
実は思想的なものは何もなくて、単に金目当ての犯行、
と言うことになっていたね。
相変わらず、人の命を狙おうなんていう奴の人権なんか認めない!
という強気のハリーは、
やはり、上司からも市民からも非難を受けてます。
冒頭では、人質を取ってスーパーに立てこもった犯人めがけて、
車で突っ込む、ハリー。
よし、よし、ダーティハリー健在。


今回、彼の相棒となるのは女性刑事のムーア。
しかも新米。
女なんかに刑事が務まるもんか、
と始めのうちハリーは連れない態度なんですけどね。
アメリカでも女性の社会進出が始まった時期ということですね。
作品中では、市長の人気取りの方針で女性を刑事に採用した、ということになっているんですけどね。
今なら、女性刑事なんてあたりまえ。
下手すると男性もついていけない・・・なんて設定はざらですからね。
はい。映画も世につれるのであります。


さてしかし、ご存知の通り、
ハリーの相棒というのは命のリスクが非常に大きいのですよね。
そうです。この映画中でも、
始め組んでいた気のよさそうなフランクという人は、
ハリーと一緒の時じゃなかったのですが、殉職してしまいました。
となると、このムーアも危ない・・・。
女性も例外じゃない、といいましょうか・・・。


この作品で面白いのは、この過激派グループが、
アルカトラズ刑務所を根拠地としていたというところ。
あの、島になっていて、
脱出不能の刑務所として名高いところですね。
もう使われていなくて、廃墟になっているんだけどね。
そこに市長が誘拐・監禁されたわけ。
クリント・イーストウッド出演で
「アルカトラズからの脱出」というのがあったんじゃない?
はい。それは、このあと、1979年の作品ですね。
あ~、じゃ、そのうち見ることになるんだね。
そういうこと。
坂の街、サンフランシスコ。ここもちょっと行ってみたいな。


1976年/アメリカ/97分
監督:ジェームズ・ファーゴ
出演:クリント・イーストウッド、タイン・デイリー、アルバート・ポップウェル
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ココ・シャネル 

2009年09月20日 | 映画(か行)
恋多き波乱の人生

           * * * * * * * *

今何かと話題になっているようです。
ココ・シャネル。
・・・なんていっているうちに、
もう一つのココ・シャネル「ココ・アヴァン・シャネル」も公開になっています。
どうせなら、二つ見比べるのも一興でしょう、ということで、
観ないつもりが、つい観てしまいました。
さほどブランドには関心がない私。
でも、さすがにシャネルはあまりにも有名です。
知っておいても損はない。

この作品のココ・シャネルは、超ベテラン、シャーリー・マクレーン。
若き日のココ・シャネルは、新人のバルボラ・ボブローバが演じています。
シャネルが15年のブランクを経て、コレクションを開催したものの、失敗。
そのシャネルが若い日を回想し、自らの半生を語ります。


シャネルは子供の頃に母を亡くし、孤児院で育ちました。
孤児院を出てからお針子として働き、そこで将校エチエンヌと恋をする。
しかし、貧しい孤児のお針子では、名門の将校と結婚など夢の夢・・・。
自らデザイン、製作した帽子の店を開くけれどもぱっとしない。
・・・けれどそこでまた、新たな恋。
苦労の果てに、仕事は成功していくのですが、
一般的に言う女性の幸福、結婚はできないのです。
でもまあ、結婚はできないけれども、
常にパトロンがいて、それが成功の鍵となっている。
このあたりが、波乱万丈ですよねえ・・・。

シャネルが他から際立っていたのは、
それまでとにかくコルセットで締め付けていた女性のドレス。
これをうんと着やすく動きやすくしたことのようです。
一次大戦中、ジャージ素材を用いた女性用の服が、人気となりました。
こんな風に、彼女の人生、ドレスの変遷・・・、
とても丁寧に語られている作品だと思います。


さてところで、この映画では語られていませんが、
Wikipediaによりますと、もっと劇的なエピソードもありますね。
つまり、この映画で15年のブランクといわれていますが、
なぜそこで15年ものブランクができてしまったか、ということです。
それはちょうど二次大戦下、ドイツの支配下にあったフランス。
シャネルはドイツ将校と愛人関係になっていたというのです。
・・・そのおかげで、戦時中も生活に困らなかったであろうことが想像できます。
そして終戦。
彼女はドイツの協力者として、フランス中から非難を受けてしまう。
そのためスイスへ隠遁。
しばらくの後、フランスに帰国。
そうして初めてのコレクションだったんです。
・・・だから、不評はデザインのせいだけではなかったのかもしれませんよね。
こんな大事なエピソードをすっ飛ばしたのは、
やはり、シャネル側からの圧力なのか???
ここを映画にしたほうが、
よほど人間味あふれ、ドラマチックになったと思うのですが・・・。


恋多く、波乱に満ちた人生。
さて、オドレイ・トトゥ版は、どんな物語を見せてくれるでしょうか。
こちらも楽しみです。

2008年/アメリカ・イタリア・フランス/138分
監督:クリスチャン・デュゲイ
出演:シャーリー・マクレーン、マルコム・マクダウェル、バルボラ・ボブローバ、オリバー・シトリュック


ココ・シャネル 映画予告


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「はじまりの歌をさがす旅」 川端裕人

2009年09月18日 | 本(その他)
はじまりの歌をさがす旅 (角川文庫)
川端 裕人
角川書店(角川グループパブリッシング)

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川端裕人さんといえば、やはり冒険小説ですね。
この物語は、広大なオーストラリアの砂漠の冒険の物語。
音楽活動に行き詰まりを感じていたハヤトは、
写真でしかしらない曽祖父に関連する謎の旅に招待され、
オーストラリアに旅立ちます。
ところがそこで、いきなり身ぐるみはがされ、
砂漠の真ん中に放り出されてしまう。
さあ、砂漠のサバイバルの始まり・・・。

ハヤトの曽祖父、和島洋は
若い頃にオーストラリアへ渡ったまま、日本には帰ってこなかった人です。
だから彼の奥さんなどは、ひどく彼を恨んでいたらしい。
しかしハヤトはそんな曽祖父にひそかにあこがれていたんですね。
このたび、その曽祖父が亡くなり、
旅のゲームの勝者が残された遺産を継ぐことができるというのです。


このストーリーを読み解くためには、オーストラリアの原住民、
アボリジニについての知識が不可欠です。
・・・う~ン、ちょっとむずかしい。
私も、よく知っているわけではありません。
ただ、『裸足の2600マイル』という映画がありましたね。
白人とアボリジニの混血の子供達が強制的に親から引き離され、
白人としての教育を受けさせられた・・・
そういう歴史問題は、とても印象深い。

このワジマは、アボリジニの社会に溶け込み、
アボリジニと共に生きてきたのです。
時には子供達の収容所を襲い、子供達を救い出す旅をして・・・。
だからワジマはアボリジニの中ではヒーローです。
しかし、問題はワジマが行く先々でタネを撒き散らしたこと。
子供を作りまくって、今ではその子孫が数千人・・・、
というのも、実に壮大ですね。
ここまでくるともう、浮気の範疇では語れない。
偉業とも言うべきか。

さて、長い砂漠の旅が終わった・・・と思っても、
まだ物語の半分しか進んでいません。
この先どうなるの?・・・と思ったら、
今度はアボリジニの独立国家を設立しようという騒ぎに巻き込まれるのです。
・・というか、もともとそれはワジマの悲願でもあり、
そもそも、この旅の目的でもありました。
オーストラリアの鉱山で取れるもの。
それはウラニウムなんです。
それを利用しようという、ちょっと怖い話になっていきますよ。

読んでいてはがゆいのは、
ハヤトやリサの歌のシーンがたっぷりあるのに、
うまくイメージできないところ。
アボリジニの歌がどんなものか、良くわからないので・・・。
この辺は、本当の音で、ぜひ聞きたいところです。
多分、とても朴訥でシンプルで物悲しい・・・
そういうものなのだろうなあ・・・と。
アボリジニは文字を持たず、歌で記録を残したんです。
だから彼らも、新しいアボリジニの歌を作る。

そういえば、アボリジニの楽器、ディジリドゥも作品中に出てくるのですが、
これなども、私は全然知らなかったのです。
ところが、たまたま、先日「ブラスト」のコンサートに行ったら、
この楽器が出てきました!
なるほど。
かろうじて、この楽器だけはイメージがつかめました。

全編を通して、ハヤトは自分にとっての歌の意味を取り戻してゆきます。
壮大で、ソウルにあふれた物語を堪能しました。

満足度★★★☆☆・・・というか3.5。
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画家と庭師とカンパーニュ

2009年09月17日 | 映画(か行)
画家と庭師とカンパーニュ [DVD]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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故郷で取り戻す人間らしい気持ち

* * * * * * * *

舞台はフランスのカンパーニュ地方。
初老の画家が、都会の暮らしに疲れ、故郷のカンパーニュに戻ってきたのです。
庭師としてやってきたのは、かつての幼馴染。
小学校ではワルガキの二人でした。
一緒に遊んだ二人も、その後は全く別々の人生をたどります。

画家は成功し、豊かな都会暮らし。
しかし、妻とは離婚寸前。

庭師は、ずっと地元にいて鉄道で働きとおし、
今は以前からやりたかった庭師の仕事についている。

そんな二人ですが、たちまち以前のように打ち解けて、
豊かな自然と時間の中で様々なことを語り合います。


緑に包まれたこの背景がいいですね。
のんびりと田舎暮らし。
ささやかな家庭菜園。
ここで作った新鮮な野菜で、ラタトゥイユなど作るとよさそうですね。
そしておいしいワインがあればもう言うことなし!

こんな中で画家が次第に庭師に共感していくのです。
庭師の実直で、職人気質で、
生活の中で身に付けた一つの芯のようなものが光る。
妻を愛し友を気遣い・・・。
まさに、このやさしい土地に包まれて培われた人物。
ところがある日、庭師が腹痛を訴えて・・・・。

静かで、やわらかい光と緑に包まれた作品です。
このような癒しの空間に、私も身をおいてしばらく暮らしたい・・・。
ちょっと、疲れ気味間かな???


ダニエル・オートゥイユは、
「ぼくの大切なともだち」、「八日目」で、おなじみです。
・・・そういえば、どれも、日々の生活で疲れ、
ちょっと自分勝手になってしまっていた初老の男が、
ふと出会った人の影響を受けて変ってゆく。
そんなストーリーですね。
常の自分とは、あまり接点のない人。
そういう人との出会いの中で自分も変ってゆく。
だから人生って面白い!


2007年/フランス/105分
監督:ジャン・ベッケル
出演:ダニエル・オートゥイユ、ジャン=ピエール・ダルッサン
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南極料理人

2009年09月16日 | 映画(な行)
食べてみたいな、伊勢えびのエビフライ

* * * * * * * *

南極のドームふじ基地に料理人としてやってきた西村(堺雅人)が語るストーリー。
ストーリーといっても、特にストーリーはありません。
基地の一年を描いているわけなので・・・。
原作は実際に南極観測隊で料理人をした西村淳さんのエッセイ「面白南極料理人」。

ドームふじ基地というのは、
昭和基地から1,000㎞も内陸に入ったところにあって、標高3,810m。
これは富士山より高い位置・・・。
年平均気温が-54℃。
ペンギンもアザラシも何もいません。
昭和基地からは雪上車で20日かかる・・・。
そんなところへやってきた男8人。
究極の左遷(?)にして究極の単身赴任。

まあ、それぞれの役割・仕事はあるわけですが、
単調な毎日の中で楽しみは食べることだけ、という感じですね。
どんなところへ行っても、食べることは生きる基本。
しかし、ただ食べればいいというものでもない。
みんなで一緒に食べる。
ここがミソですね。

メンバーは次第に髪が伸びひげも伸びて、むさ苦しくなって行くのと同時に、
一つの家族のように気持ちのつながりができていくのですね。
「同じ釜の飯を食った」同士、ですね。
この、超閉鎖された空間を共有する8人に関わるあれこれ。
とてもユーモラスに語られています。


この西村さんの作る料理は、どれもとてもおいしそうなんですよ。
これなら、毎日食べることだけが楽しみになるのも無理はない。
中でも、圧巻は伊勢えびの特大エビフライ。
見ただけでげんなりして、
皆さんやっぱりさしみにするべきだった・・・なんていっていましたが。
う~ん、でも、こんな贅沢なエビフライ、食べてみたいですね~。
すごいですね~。
おにぎりもやけにおいしそうだったし、ラーメンは極めつけ!
材料豊富に手に入る我が家の方が、
よほど貧しい食生活って、どうなんでしょ・・・?


さて、南極の冬はずっと太陽が顔を出さず、夜ばかりが延々と続きます。
こうなると、いよいよ皆がおかしくなってきます・・・。
日本の家族や社会から孤立し、
置き去りにされてしまったかのような閉塞感、孤独。
こんなときに力になるのは
やはり、日本の家族からのFAXであり、電話の声なんですね。
待ってくれている人がいる。
そう思うことが力になります。
そしておいしいご飯があればもう怖いものなし!

西村さんは、家族から「いなくて清々する」
・・・なんて言われて来たんです。
ちょっぴりさみしい・・・。
いやいや、でも本当は奥さんも子供も、お父さんの帰りを待ちわびている。
こんなふうに素直ではない、家族の情景もたのしいですね。

極寒なのに、とってもあったかい。
オススメ作です。
ちなみに、この作品ロケは南極じゃなくて、北海道の網走だったそうな・・・。

2009年/日本/125分
監督・脚本:沖田修一
出演:堺雅人、生瀬勝久、きたろう、豊原功補、西田尚美



『南極料理人』


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「シー・ラブズ・ユー/東京バンドワゴン」 小路幸也

2009年09月14日 | 本(その他)
シー・ラブズ・ユー―東京バンドワゴン (集英社文庫)
小路 幸也
集英社

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お待ちかね。
さっそく、引き続き読みました。
東京バンドワゴンの続編です。

話は、前作からそのままの続きですね。
東京下町の老舗古本屋「東京バンドワゴン」を営む、堀田家8人家族の物語。
あ、いえ、お嫁さんが1人来たので9人。
実体のない人がもう1人。
それと、猫4匹。犬2匹。

相変わらず賑やかな家族で、
すでに亡くなったこの家のおかみさんが語り手、というところも同じです。

赤ちゃんが置き去りにされたり、
自分で売った本を一冊ずつ買い戻すおじさんが現れたり、
相変わらず変な事件が続出しますが、
これがなかなかホロリと来る種明かしとなる。
いい味出てますねえ・・・。


そしてまた、この家族はどんどん増殖していくんですよ・・・。
妹が1人。
お婿さん1人。
挙句に赤ちゃんが二人。
・・・そして、もしかしたらまたお嫁さんが1人・・・?
賑やかで楽しそうで、うらやましい気もするのですが、
現実的なことを考えると、
洗濯とか食事の支度とか・・・うわー、大変そう。
でもまあ、家事の担い手もたくさんいますよね。
・・・トイレとか、お風呂とか、
いつになったら自分の番が回ってくるのか、なんて心配はありそうだなあ・・・。
はは、ハナから、フィクションなので、
そんな余計な心配する必要はないんですけどね。

これだけいろいろな年代の人がそろっていれば、
どんなストーリーもOKですね。
この先もまだ楽しめそうです。
続編もすでに出ていますが、こちらはまだ文庫になっていない。
楽しみに待つことにします。
私は、研君の行く末が楽しみだなあ・・・。

満足度★★★★☆
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「東京バンドワゴン」 小路幸也

2009年09月13日 | 本(その他)
東京バンドワゴン (集英社文庫)
小路 幸也
集英社

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この本はまさに、ホームドラマですね。
舞台は東京下町の古本屋「東京バンドワゴン」。
この家はなんと8人の大家族。
泣いたり笑ったり、にぎやかにいろいろなドラマが展開しますよ。

特異なのはこのドラマの語り手が、今は亡きこの家のおかみさん。
明治から続くこの店の三代目店主、勘一の奥様のサチさんです。
残念ながら2年前に亡くなっているのですが、
なぜかこの家に残ったまま、皆を見守っている。
つまり、幽霊なんですが、全然怖くありません。
家族の中にはサチの気配を感じるものもいるのですが、
むしろうれしく思っているみたいですね。
そのサチさんの語りは、穏やかでやさしく、
またそれがこの本のいい味を深めているわけです。

さて、この二人の1人息子が伝説のロッカー我南人(がなと)。
60歳の今もやはりロック魂は健在で、
「LOVEだねえ・・・」が口癖。
この風来坊の父親の下に娘、息子、孫などがいまして、総勢8名。

しかし、それにとどまらず、
ご近所の人や書店のおなじみさん、
いろいろな人が出入りして、まことに賑やかなのですが、
皆さん個性豊かで、
誰が誰やらわからなくなったりもせず、とても楽しく読めてしまいます。


そして、これがまた、単に人情話というだけでなく、
日常の謎、ミステリ要素もたっぷり。

例えば、一話目、「春/百科事典はなぜ消える」。
朝、店になぜか見たことのない百科事典が置かれていて、
夕方にはまたなくなってしまう。
そんなことが、毎日起こります。
一体誰が、何のために???
この「犯人」は、ある女の子だったのですが、
その理由を聞くと、やや事件のにおいが・・・。
しかしまた、更に話が進み、意外な展開を見せます。
謎が謎を呼ぶ、この展開も魅力的。
一冊でいろいろな要素の楽しみ方ができてしまいまして、お得な一冊です。


さて、なんだか大家族がうらやましくなってしまいます。
この家族の食事のシーンが本当に賑やかで楽しいんですよ。
核家族化の著しい昨今、こういう家はめずらしいですしね。
特に食事は皆でわいわいいいながら楽しく食べるのがいい。

この本は続編もあるので、すぐに読みたいと思います!

満足度★★★★★
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96時間

2009年09月12日 | 映画(か行)
やるときはやる! 鋼鉄の意志と行動力

         * * * * * * * *

ごく平凡に物語りは始まります。
中年男、ブライアン(リーアム・ニーソン)は1人暮らし。
別れた妻は金持ちと再婚し、娘と共に暮らしている。
ブライアンが妻子に愛想をつかされたのは、
どうも仕事で忙しすぎたためらしいのですね。
しかし、今は仕事も辞めて
せめて娘を見守るために、娘と同じ町に暮らしている。
しかし、妻も娘も、ブライアンと会うのは迷惑そうだ・・・。

ふむふむ、近頃とても多いパターンです。
こういうとき、ひとたび職を退いてしまうと、
男性ってとたんに所在無くしょぼくれてしまう。
・・・実は仕事をしている『昼間のパパ』こそ、
一番かっこいいのですけれど・・・。


そんなある日、娘が友人とパリに行き、誘拐されてしまう・・・。
敵は身代金目的などではなく、
最近裏社会で勢力を広げている人身売買組織・・・。
若い娘を誘拐し、薬漬けにして、無理やり売春婦に仕立ててしまうという。


さて、お立会い! ここからが凄いんですよ!
実はこの父親、もとCIAの秘密工作員。
身に付けた知識と行動力で、あっという間に犯人グループを割り出し、
娘救出のためパリへと向かう。
目的のためには手段を選ばない。
空港で暴力沙汰などまだ序の口。
単身敵地へ乗り込み手当たり次第銃をうちこむ。
口を割らせるためには拷問も辞さず。
冷静な判断力と鋼鉄の意志。

おお~。
あのさえないおじさんの豹変に、ただただ圧倒されるのでした。
ストーリーとしては全くシンプルなんです。
意外などんでん返しがあるわけでもない。
ただひたすら、父親の強烈なまっしぐらの救出劇があるだけ。
そこのところが、『力』なんです。
小細工なし、ストレート。
ぐいぐい進む力業。
こういうのも、なかなか悪くありません。
変な小細工のないところが、かえってよかった。

愛は勝つ!・・・です。


2008年/フランス/93分
監督:ピエール・モレル
製作:リュック・ベッソン
脚本:リュック・ベッソン、ロバート・マーク・ケイメン
出演:リーアム・ニーソン、マギー・グレイス、ファムケ・ヤンソン、リーランド・オーサー



映画「96時間」トレーラー


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