教育カウンセラーの独り言

今起こっている日本の教育の諸問題と受験競争の低年齢化している実態を見据えます。

「ギャンブル依存症はありふれた“病気”…大阪市は世論が反発するIR計画を撤回せよ!」【泉房穂の「ケンカは勝つ!」第40回】

2024年04月10日 16時24分10秒 | ニュース

「ギャンブル依存症はありふれた“病気”…大阪市は世論が反発するIR計画を撤回せよ!」【泉房穂の「ケンカは勝つ!」第40回】

「ギャンブル依存症はありふれた“病気”…大阪市は世論が反発するIR計画を撤回せよ!」【泉房穂の「ケンカは勝つ!」第40回】

「IRが話題になる今こそ、ギャンブル依存症対策の議論を徹底的にせなあかん。仮にカジノを進めるなら、環境整備と相談体制の確立が不可欠」(泉氏)

 大谷翔平選手の元通訳・水原一平氏が違法賭博に関わったとされる問題。私は事実関係を知る由もないが、彼が告白した「ギャンブル依存症」については一家言がある。

【写真あり】“炎上市長” 泉房穂氏
 私は弁護士として、ギャンブル依存症にともなう犯罪や家庭崩壊に、毎日のように向き合ってきた。
 その経験から言うと、ギャンブルは性犯罪や違法薬物と同様、理性の制御を超えた行為。まわりがやめさせようとしても、実現は極めて難しい。たんに叩けばすむという、簡単な話ではない。

 ところが、「ギャンブル依存症は自己責任」という論調が大勢を占め、それに端を発する「水原叩き」も起こっている。それはおかしい。さらに、学歴詐称疑惑から「あいつはもともと悪い奴だ」とか「嘘つきだ」などと言われているが、そもそも違法賭博とは関係ない。なんでも一緒くたにして人格攻撃に走れば、彼を追い込むだけや。

 ギャンブル依存症は、医学的には「精神疾患」とされ、日本でも人口の2~3%が発症しているといわれている。50人に一人はいる計算で、ありふれた “病気” 。

 加えて、ギャンブルは本人だけでなく、周囲の人間を巻き込む。DV(家庭内暴力)や離婚に繋がる。家のカネを持ち出して、借金もしまくって、最後は破産する。暴力に走る。子供が泣いていても顧みない。子供の進学が妨げられたりもする。お父ちゃんがギャンブルにハマることで、子供たちが泣いている家族を嫌というほど見てきた。

 ギャンブルに起因する犯罪も多い。目立つのは横領。会社のカネに手をつけるとか、自治会長が町会費を使い込むとか、例はなんぼでもある。

 そして、ギャンブルに必ずついてくるのがサラ金。ギャンブルにのめり込むと、サラ金に手を出すことが多く、よけいに引き返せなくなる。ここまでくるともう終わり。さらにギャンブルをして負けを取り返そうとするが、泥沼にはまるばかり。その現実を見てきた者としては、「ギャンブルNO」という気持ちがものすごく強い。

 ギャンブルの特徴は、勝ったままで終われないこと。勝てばそのカネをまたつぎ込むから、最後は必ず負けて終わる。勝ち逃げができない。負ければ借金をしまくり、家庭が壊れるというパターン。

 ギャンブルには経済効果があるといわれるが、ギャンブルそのものは何も生み出さない。客から賭け金を集めた胴元が自らの取り分を確保し、残りを客に分けるから、客は損をするに決まっている。

 たとえば競馬、競輪、競艇など、日本の公営ギャンブルの還元率は7~8割。2~3割を胴元が取る。100万円を集めて30万円を胴元が取り、残り70万円を分けるわけやから、儲かるのは胴元だけ。賭けた人間は、どこかで必ず損する仕組みになっている。でも、みんな自分だけは得していると錯覚するから、ギャンブルは成り立つ。

 カジノの胴元の取り分は2~3割よりもっと低いが、全体の金額が大きいから儲けは大きくなる。宝くじなんか、胴元の取り分は5割を超える。つまり、賭け金の半分以上をドブに捨てるのと一緒。

 3月25日にインターネット番組「ABEMA Prime」で、ギャンブル依存症について討論した。私はギャンブルに批判的な立場で発言したが、20代の出演者が「わずか3%のギャンブル依存症のために、97%の人の楽しみを奪うのか」と、疑問を投げかけてきた。

 これは、私に言わせれば想像力の問題。その3%の人のまわりで、妻や子供の涙が流れているということを意識できるかどうかだと思う。

 そして、ギャンブルに手を貸すサラ金もどうにかせんとあかん。明石市長になった1年め、駅前のビルに入る計画だった複数のサラ金業者に出て行ってもらった。サラ金は今も明石市内になくはないが、少なくとも税金が投じられた空間にサラ金を入れないという強い覚悟で臨んだ。

 パチンコ店が、再開発計画で出店することも認めなかった。参加する権利があった店と揉めたが、毅然と対応し、代わりに子供の遊び場や図書館を造ったり、大型書店を誘致したりした。これらに関して裁判も起こされたが、最高裁まで争って勝訴した。

 また、条例を変えてパチンコ店の出店を規制しようとも考えたが、これは残念ながら実現しなかった。

 市長時代にはさらに、2022年9月から「全国ギャンブル依存症家族の会」と連携して相談窓口も開設した。弁護士資格のある専門職員を置き、この問題に詳しい医師とも連携して、テーマに特化した市民相談会を今も続けている。これは全国初で唯一。こうした対策がもっと広がってほしいと思っている。

 また、市職員に向けて研修をおこない、「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中紀子さんを招聘(しょうへい)した。田中さんとは前述の番組で共演した。田中さんは祖父、父、夫に加え、ご本人もギャンブル依存症だったが、今は克服し、当事者の支援をしている。

 田中さんは、大阪IRを推進する日本維新の会や自民党に「ギャンブル依存症対策をするから」と言われ、それを信じて計画に協力した過去がある。結局、依存症対策は進まず、田中さんは「騙された」との思いだそうだ。

 依存症の治療のためには、環境を変えることが不可欠。つまり、ギャンブルから遠ざけることが絶対条件や。だから近所にカジノ建設なんて、いちばんやってはならない。

 カジノができれば、確実にギャンブル依存症の患者が増え、不幸を招くことになる。

 IR誘致を表明していた横浜市は、市長選を経て撤回した。大阪市も、世論の反発をボディブローのように受けており、今からでも計画中止はあり得ると思っている。子供たちを不幸にするカジノに私は反対。

週刊FLASH 2024年4月23日号

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「ゆで卵」の“殻”がうまくむけないのはなぜ? 農水省が教える原因&対処法

2024年04月10日 15時53分22秒 | 食・レシピ

dメニューニュース:「ゆで卵」の“殻”がうまくむけないのはなぜ? 農水省が教える原因&対処法(オトナンサー) https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/otonanswer/life/otonanswer-199490?fm=twitter

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日食が終わってメガネをとると、青空に大きく広がる「X」に見えるケムトレイル。

2024年04月10日 15時32分23秒 | 国際・政治

日食が終わってメガネをとると、青空に大きく広がる「X」に見えるケムトレイル。これは、人体に被害を与えるケムトレイルではなく、新しい段階に突入する人類を励ますための、正義の味方軍の余興だという

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本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
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台湾統治時代の日本製の橋が、地震による崩落を免れた。

2024年04月10日 15時27分19秒 | 国際・政治

【Android版goo blogアプリ】画像が挿入できない事象について

台湾統治時代の日本製の橋が、地震による崩落を免れた。台湾統治は最も成功したといわれているが、その理由とともに見えてきたのは、朝鮮・満州統治の実態と、岸信介の知られざる顔であった

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本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
台湾統治時代の日本製の橋が、地震による崩落を免れた。台湾統治は最も成功したといわれているが、その理由とともに見えてきたのは、朝鮮・満州統治の実態と、岸信介の知られざる顔であった

◆〔特別情報1〕
 読売新聞は7日、「台湾地震で崩落しなかった日本統治時代の古い橋、被災地への輸送ルートとして『開通』…交通相『大先輩のお出ましだ』」という見出しをついて、次のように報道した。
「【台北=園田将嗣】台湾東部・花蓮沖を震源とする地震で崩落した主要道路の橋に代わり、約90年前の日本統治時代に建設された橋が活用されている。古い橋が強い揺れに耐えたことに驚きの声が上がっている。」
 やはりそうであったかという内容である。筆者は3月4日、「北朝鮮やトルコなどの災害において、中国製の橋やビルがボロボロと崩壊するなか、日本製の橋やビルは崩れることなく雄姿を留めているという。災害が世界で『日本ブーム』を呼び、日本は『金の卵』とされている」という見出しの記事で、国際政治情勢に詳しい情報通からの特別情報として次のように記述した。
「北朝鮮のダムや道路などインフラのほとんどは、日本製だ。かつて併合していた時のもので、これが80年もの時を経て、さすがに修理が必要になってきている。そうしたメンテナンスを、どうしても日本にやってもらいたい。というのも、切実な事情がある。日本の統治下の時代に架けられた橋は、80年近く経ってもびくともしないで今日まで保っているが、中国が架けた橋は、ボロボロ落ちているという。ひどい話では、軍隊が、ある中国が建設した橋を通っているときに、戦車ごと橋が崩れ落ちて、大惨事になったといのだ。ところが日本が架けた橋は、いまも頑強な雄姿を見せている」
 このことを裏付けることが、台湾の地で起きていたということである。台湾と日本の関係について、つい最近、ある会合において極めて貴重な話を聞いた。
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ホーム  TSRデータインサイト2023年度の運送業倒産345件に急増 人手不足・燃料高で採算悪化

2024年04月10日 15時10分48秒 | ニュース
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ホーム TSRデータインサイト2023年度の運送業倒産345件に急増 人手不足・燃料高で採算悪化
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2023年度の運送業倒産345件に急増 人手不足・燃料高で採算悪化
2024/04/09
2023年度(4-3月)「道路貨物運送業」の倒産

 2023年度の道路貨物運送業の倒産は、件数が345件(前年度比31.1%増、前年度263件)で、3年連続で前年度を上回った。年度で件数が300件台に乗ったのは2014年度以来9年ぶりとなる。

 四半期別の件数推移は、2023年4-6月が前年同期比11.6%増(60→67件)、7-9月が同63.3%増(60→98件)、10-12月が同27.0%増(74→94件)、2024年1-3月が同24.6%増(69→86件)と高水準で推移している。
 資本金別では、1千万円未満が253件(前年度比50.5%増、前年度168件)と、全体の7割以上(構成比73.3%)を占め、中小・零細企業の苦境が浮き彫りになった。

 負債総額は、595億9,100万円(前年度比36.1%増、前年度437億8,100万円)で、2年連続で増加した。10億円以上の大型倒産は前年度と同件数の5件だったが、5億円以上10億円未満が16件(前年度13件)、1億円以上5億円未満が135件(前年度80件)と前年度を上回った。中堅規模の倒産が増加し、負債総額を押し上げた。

道路貨物運送業の倒産 月次推移

 「人手不足」関連倒産は、48件(同118.1%増)で前年から約2.2倍に急増し、集計を開始した2013年以降では初めて40件を上回った。特に「求人難」(前年度8件)と「人件費高騰」(同3件)が各16件と大きく増加し、深刻な人手不足とそれに伴う人件費アップが運送業の経営を直撃している。

 燃料費の高騰などによる「物価高」関連倒産は、141件(前年度比76.2%増)と大幅に増加。資源エネルギー庁が発表する軽油価格は、2024年3月末時点で1リットルあたり154.1円だった。2023年6月中旬以降は150円以上で推移しており、軽油価格の高止まりが続いている。こうした状況から、2023年度は2023年4月、5月、2024年1月を除く9カ月で「物価高」倒産が10件台となり、燃料費などのコストアップが各企業の採算性を悪化させる要因となっている。

 4月1日から、ドライバーの時間外労働の上限が規制された。大手事業者では、長距離輸送に中継を設けたり、共同輸送で連携をとるなどの対策をとりつつ、コストアップ分の価格転嫁も進む。一方、下請業者が多い中小・零細企業では、「2024年問題」の対策が進まない企業も多いなか、価格転嫁の遅れから賃金アップの流れに追随できず、ドライバーの確保が難しい企業もある。燃料価格の高止まりによるコストアップでも企業体力を削られ、先行きの見通しが立たず、事業継続を諦めるケースが増加している。
 事業環境の改善が進まず、資金繰りが限界に達した企業を中心に今後も倒産が増加する懸念が高い。
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「100の理由」/大阪府・大阪市のアンケート調査を読み解いて見えてきた傾向と対策 【開幕1年前企画・第1弾】

2024年04月10日 14時55分36秒 | ニュース
10th anniversary
開幕1年前なのに万博が盛り上がらない「100の理由」/大阪府・大阪市のアンケート調査を読み解いて見えてきた傾向と対策 【開幕1年前企画・第1弾】

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共同通信・大阪支社

2024年4月5日 07:00
2025年大阪・関西万博の開幕まで、あと1年。税金が投入されている開催費用が膨らみ続け、「万博の華」である海外パビリオンは一部の国で開幕までの完成が危ぶまれています。

開幕に向けた気運は盛り上がるどころか、下落の一途。

このnoteでは3回シリーズで、その背景と今後の展開を先読みしていきます。第1弾では大阪府と大阪市によるアンケート調査を振り返り、第2弾では会場デザインプロデューサーであり、あの「リング」を考案した建築家の藤本壮介氏にインタビュー。第3弾では社内のZ世代座談会のもようをご紹介します(連日公開予定!)

さて、大阪府と大阪市は、万博への興味関心がどこにあるのかを探るため、定期的に大規模なアンケート調査を実施しています。

多岐にわたるアンケート項目を細かく追いかけると、「なぜ万博は盛り上がらないのか」という傾向と、「盛り上げるためのヒントはどこにあるのか」という対策が、おぼろげながら見えてきました。

アンケートを実施するための費用も、元をたどれば大阪府民・市民が支払った税金です。アンケートを一緒に読み解くことで、万博の在り方を考えていきましょう。

目次
■ 「行きたい」「どちらかといえば行きたい」は33.8%、開催近づき機運低下?
■ 6000人アンケート分析は61ページ分
■ 「万博開催を知っている」88.6%、ライバルの首都圏はスルーか
■ 項目別認知度1位はミャクミャク! プロデューサーの存在感に難あり
■ 若者ほど万博を知らない…
■ 来場のきっかけになり得るのはやはり空飛ぶクルマや海外パビリオン?
■ 「なぜ万博をやるのか」熱量のある発信を
■ 「行きたい」「どちらかといえば行きたい」は33.8%、開催近づき機運低下?
まずは、昨年12月のアンケートの概要を伝える共同通信の配信記事を見てみましょう。

万博PR期に来場意欲急落 費用高騰、建設遅れ影響か | 共同通信
2025年大阪・関西万博を巡り、大阪府、大阪市が機運醸成「重点期」と位置付けた昨年10~12月の期間...
nordot.app
数字は正直です。万博に「行きたい」「どちらかといえば行きたい」を合わせた人の割合は33.8%にとどまっています。調査を始めた2021年以降、下がり続けており、府市が機運醸成の重点期間と位置付けた2023年10-12月をまたぐ2回の調査では、期間中に開催費用の増加や海外パビリオンの建設遅れなどについてニュースが相次いだことも影響したのか、下落幅はより顕著となっています。

大阪府の吉村洋文知事はよく「万博のコンテンツが明らかになっていない今の段階で、3割もの人が行きたいと言ってくれるのは御の字だ」と強弁しています。しかし、開幕まではあと1年強しかありません。いつまでも「あとは来てのお楽しみ。乞うご期待!」で引き延ばせる状況は、とっくに通り過ぎているのではないでしょうか。3割という数字もそうですが、本来は近づくにつれて高まるはずの機運が下がっている事実は動かせません。

さて、一般的に新聞記事に書かれている内容は、その記事が扱うテーマのエッセンスに過ぎません。新聞紙面には物理的な限りがあるという都合上、記事には入れることができなかった情報がたくさんあります。

■ 6000人アンケート分析は61ページ分
今回の新聞記事の基になったアンケート調査はこちらです。https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/43352/00000000/qa2023-2.cleaned.pdf

PDFで61ページ分もの膨大な情報が詰め込まれています。今回の投稿では、新聞記事では伝えられなかった情報を順を追って拾い上げ、より万博への理解を深めてみようと思います。

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6000人の内訳は、大阪府内4000人、府外2000人です。
■ 「万博開催を知っている」88.6%、ライバルの首都圏はスルーか
さっそく具体的なアンケート結果を10ページから見ていきましょう。
万博自体の認知度は大阪府内で91.6%、府外でも82.7%あります。「悪名は無名に勝る」ということわざもあるように、万博関連ニュースが連日報道されるため「大阪で万博が開催されるらしい」ということは、全国的に浸透しています。認知度が最も低いのが人口が多く、大阪がライバル視する首都圏というのが気になるところです。

興味深いのは11ページです。一口に万博と言っても、内容は多岐にわたります。それぞれの項目別に「知っているか」を聞いた結果です。

■ 項目別認知度1位はミャクミャク! プロデューサーの存在感に難あり
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ダントツの認知度1位は、公式キャラクター「ミャクミャク」で、88.3%の人が知っていました。大阪府内に限れば90%を超えています。2022年に、3万3千件もの応募の中から命名されたミャクミャク。脈々と受け継がれている歴史や文化、といった意味が込められています。大阪府内では、駅のデジタルサイネージから路上のマンホールまで登場しており、ミャクミャクの姿を見かけずに1日を過ごすことは不可能に近い、というのが住んでいる者の実感です。目にする機会が増えれば、認知度や親近感が上がっていくのは、万博も(恋愛も?)同じなのかも知れません。もちろん、中身が大切なのは万博も(恋愛も?)同じです。

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次いで、60%前後の認知度がある項目には、海外・企業パビリオンや会場を取り囲む木造の巨大屋根「リング」、垂直に離着陸できる電動の乗り物「空飛ぶクルマ」などがあります。

いずれも「万博会場に足を運べば見たり触れたり体験できたりするもの」です。海外パビリオンに行けば、飛行機を使わずとも160カ国もの国々の文化、伝統、芸術などのエッセンスが詰まった展示を目の当たりにできそうです。共同通信のnoteでは、海外パビリオンなどの情報を先取りしたマガジンも作成し、随時更新中です。ぜひ下記リンクからご一読下さい。

万博パビリオンの歩き方|共同通信・大阪支社|note
「2025年の大阪・関西万博って、どんなパビリオンができるの?」 このマガジンは、そんなあなたの疑問を“少しだけ”解消する
note.com
企業パビリオンは、50年後の未来社会では当たり前になっている技術の最初の第一歩がお披露目されるかも知れません。実際、1970年万博で現在のNTTが展示した「ワイヤレステレホン」は、いまは世界中で使われているスマートフォンの原型でした。

木製リングは、完成すれば世界最大級の木造建築物です。1周2キロ、高さは最大20メートルで、上に登ると会場内や大阪湾が一望できるそうです。もちろん、それが果たして350億円という巨額の整備費用に見合うものかどうかの判断は、実際に見た人に委ねるしかないのかも知れません。今はまだ、知名度の上昇率だけがその存在感の証しです。

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2024年2月撮影
空飛ぶクルマは、乗客から料金をもらって乗せる商用運航の実現を目指していますが、機体の安全性を保証する手続きが進んでいない現状があります。このあたりが万博盛り上げの鍵を握ってくるのでしょうか。

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万博での商業運航を目指し、2023年3月に大阪城公園で行われた「空飛ぶクルマ」の実証飛行
開幕まで1年を残した今の段階で、興味・関心の大前提となる認識すら進んでいないものもあります。それは、認知度は30.2%にとどまっている、8人のプロデューサーが企画するシグネチャーパビリオン(テーマパビリオン)です。

8人のプロデューサーはこちらの「テーマ事業プロデューサー」です。

プロデューサー紹介 | EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト
2025年の万博、日本、大阪・関西で開催!テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。
www.expo2025.or.jp
いずれも、既にさまざまな業界で活躍していたり、メディアで露出したりしている有名人ばかりですね。それなのに、この8人がそれぞれパビリオンを企画・展示することすら、多くの人が知らないのが現状です。取材をしていても、各パビリオンがどのようなものになるのかはあまり見えてきません。

8人が多忙を極めて準備が進んでいないのか、あっと驚く展示を開幕直前まで出し惜しみしているのかは分かりません。ただ、これだけ価値観が多様化し、娯楽の在り方も人それぞれの時代において、何かに興味関心を持ってもらうためには、戦略的なプロモーションが必要不可欠です。万博に逆風が吹いているからこそ、8人が持つ発信力を惜しみなく投入するべきではないでしょうか。

■ 若者ほど万博を知らない…
12ページのデータはなかなか深刻です。

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各種のパビリオンや空飛ぶクルマなど、万博で披露されるさまざまな項目のほとんどで、年齢が高い人ほど認知度が多いという事実です。裏を返せば、若者ほど万博を知らない、という事実です。いつの時代も、流行を作るのは若者です。今回の万博も、テーマに「未来社会」を掲げていますが、その未来社会を形作る若者に振り向いてもらえないのは、なぜでしょうか。今は、疑問を投げかけたまま資料を読み進めることにします。

■ 来場のきっかけになり得るのはやはり空飛ぶクルマや海外パビリオン?
全体として、来場意向度が下がり続けているのは冒頭の記事の通りです。アンケートは、そこから一歩進んで「何が来場のきっかけになり得るか」(27ページ参照)を聞いています。機運醸成の反転攻勢になるヒントが隠れていそうですね。

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来場のきっかけになり得る第1位は33.5%の人が挙げた空飛ぶクルマです。電車に乗ると、小さな子どもが先頭車両から見える光景に釘付けになっている様子を時々目にしますね。人間は、遺伝子レベルで乗り物への興味・関心が組み込まれているのかも知れません。空飛ぶクルマも、鳥のように空を舞い、航空機のような空港がなくともビルの屋上ほどのスペースがあれば離着陸し、地上を走るタクシーで遭遇する渋滞も無関係で、数十キロ先まで10分足らずで行けるという絵姿には、とても夢があります。

ただ、万博ではその搭乗券は「プラチナチケット」になりそう。1970年大阪万博では、米国の月探査船アポロが持ち帰った月の石を見るために、何時間も並びました。コスパ(コストパフォーマンス)だけではなくタイパ(タイムパフォーマンス)が重要視される時代に、万博での空飛ぶクルマがどれだけの人を納得させられるかは、心許ないのが正直なところです。

万博で商用運航「厳しい」 空飛ぶクルマ、芝田ANA社長 | 共同通信
ANAホールディングスの芝田浩二社長は14日、共同通信のインタビューで、2025年大阪・関西万博で運...
nordot.app
次いで高いのは、26.4%の海外パビリオンです。一つの会場で半年間、160もの国・地域が集まる機会は、そうそうありません。とはいえ、格安航空会社も普及し、海外への距離は昔と比べてずいぶん低くなりました。当然ながら、海外パビリオンに足を運ぶよりも、実際の現地へ行った方がより多くのことを感じられるでしょう。それでも、その奇抜な外観を含めて、海外パビリオンは見るものを「ワクワク」させるポテンシャルを秘めています。

その代表格となる各国が自前で建設する「タイプA」は、複雑なデザインに伴う難工事などが日本の建設業界に敬遠され、一部の国では建設スケジュールが遅れています。建設を間に合わせるために、あの手この手が考えられているようですが、万博の理念やテーマに沿った形の解決が望まれます。

万博海外館、10月完成「無理」 複数国が超過予測、工程形骸化(共同通信) - Yahoo!ニュース
 2025年大阪・関西万博に参加する海外各国が自前で建設するパビリオン「タイプA」を巡り、日本国際博覧会協会(万博協会)が
news.yahoo.co.jp
18-29歳では、他の年代とやや異なり、プロデューサーのテーマパビリオン、ジェンダーやSDGs関連、デジタルサービスといった項目の順位が高い傾向があるという分析があることにも留意する必要があります(29ページ参照)。

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■ 「なぜ万博をやるのか」熱量のある発信を
アンケートの詳細分析もいよいよ佳境です。人々は、どのような手段で万博についての情報に触れているのかの分析です。

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圧倒的なのはテレビです。73.3%もの人が、テレビから万博の情報を得ています。インターネットのニュースサイトや新聞が続きます。

一方で、インスタグラムやX、YouTubeなどは10%前後しかありません。

ここに、「若者が振り向かない万博」の一つの要因があるのではないでしょか。若者が情報を入手する主要ツールであるSNSを通じた情報発信が、圧倒的に不足しているのです。

政治家の中ではかなり強い発信力を持つ吉村知事は、万博に逆風が吹く中、自身のXで万博関連の投稿を繰り返しています。しかし、トレンドを作る若者に、万博は「映える」と思ってもらうのは容易ではありません。

万博の開催意義に見合うコンテンツを提供するのは大前提です。その上で、「なぜ万博をやるのか」について、それを見る人・聞く人を引きつける熱量のある言葉で、多様な情報伝達チャンネルを通じて発信し、若者にリーチすることが必要なのではないでしょうか。

見出しに書いた「100の理由」には足りませんが、そろそろ万博1年前3回連続企画の第1弾を終えようと思います。不足分とそれを解決する答えは、リングを生み出した藤本壮介氏にインタビューした第2弾(6日午前7時更新)と、共同通信大阪支社のZ世代記者が万博にもの申す第3弾(7日午前7時更新)に譲ろうと思います。ぜひご一読下さい。(丸)

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日刊ゲンダイDIGITAL シラけっぱなし大阪万博…「機運醸成」に国費40億円ムダ遣いで ... シラけっぱなし大阪万博

2024年04月10日 14時42分25秒 | ニュース
日刊ゲンダイDIGITAL
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シラけっぱなし大阪万博…「機運醸成」に国費40億円ムダ遣いで ...
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シラけっぱなし大阪万博…「機運醸成」に国費40億円ムダ遣いでますます“負のスパイラル”に ... 約1年後の来年4月13日に開幕を控える2025年大阪・関西
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