転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



フランスの某雑誌に掲載されたポゴレリチのインタビューを
今朝から根性入れて、読んだ。
私は英語でも普段は読むのがイヤでイヤで、ましてやフランス語など、
もう眺めているだけで、気力がなくなって来るのだが、
ポゴレリチが何か言っているとなれば、話は別だ。

『なぜ楽譜を開いて演奏するのか』
『直前まで会場リハーサルを続けるのは、どういう理由か』
などと、インタビュアーが、なかなかイイところをツいていて、
ポゴレリチがまた、彼独特の、ケッタイな具体例を挙げつつ
(自分は、ロブスターが人知れず脱皮して成長するように、
自分のテクニックをより深めて来たとかナントカ)、
雄弁に持論を展開しているのが面白かった。

・・・と、しばらく忍耐して読み続けたところで、
私は、どうもさっきから知っている話が続いている、
ということに、気づいた。
全部が全部、馴染みの話題だというわけではないのだが、
ポゴレリチの例え話など、どこかで聞いたことのあるものが多く、
それもとても最近の、新しい記憶だという手応えがあって、
これってなんだったっけとしばらく考え、そうだ!と思い当たった。

このときのラジオ番組で言っていたことと、相当、カブっていたのだ。

実は、↑のラジオ番組では、ポゴレリチは英語で話していたのだが、
放送そのものはフランス語の通訳のほうが大きな音声で被さっていて、
ポゴレリチの言っている英語部分を聴き取ることなど、
語学力も気力も不足している私には到底ムリだったし、
勿論、フランス語音声を聞き取って理解する能力も私には無かった。
それで、バイリンガル、いやトリリンガルな、
某夫人と某マダムに丸投げして(殴)
ポゴレリチの話している英語(質問部分の仏語も)を書き取って頂いたのだった。

今、あらためてそのスクリプトを取り出して読み直してみると、
きょう私が取り組んでいたフランス語雑誌のインタビュー記事と、
多くの部分で共通した話題が語られており、
ポゴレリチの返答も同内容だということが、わかった。
どちらも昨年11月のパリ公演のときに取材されたものだろうし、
ポゴレリチのことだから、同じことを訊ねられれば、
百回でも同じ返答をしそうな気も、するのだが、
どうも、もしかするとこの記事は、放送と同じ素材から起こしたもの、
という可能性が、あるのではないかと思った。

やれやれ。
もともとはポゴレリチが英語で語ったものを、
現地ラジオではフランス語通訳つきで放送し、
その隙間からポゴレリチの英語を書き取って頂いたものを貰ったうえで、
私は今、フランス語雑誌に掲載された、ほぼ同内容のインタビュー記事を
フランス語で読み直して、確認しているというわけだ。

なんか、光栄の、行ったり来たり(爆)。

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