ジグザグ山歩き

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101年目のロバートキャパ

2014-04-13 22:20:52 | 美術館、博物館
恵比寿にある東京都写真博物館に行き、「101年目のロバートキャパ」展と「黒部と槍」展を見てきた。目的はロバートキャパ展であったが、「黒部と槍」展も行っていたので、これも見たいと思って、見てきた。「黒部と槍」は、黒部の主と呼ばれた冠松次郎(かんむりまつじろう)、槍ヶ岳周辺の登山道を整備した小屋主の穂苅三寿雄(ほかりみすお)の撮影した山岳写真の展示である。大正時代、昭和初期の撮影で、もちろんモノクロではあるが、迫力のある写真が並んでいた。
キャパは戦時下にあって、同時代に生きた人々を映し続けたともいえる。特に、人の表情やしぐさなどをとらえるのが上手い。戦車の上で鼻をほじる男の子の写真もある。カメラを手に、戦場を駆け抜けたキャパは戦場以外でも人の喜びや悲しみ、苦悩の表情をとらえている。ユーモアあふれる作品がならび、人間に対する愛情や暖かみなども感じる。キャパは人柄的にも女性にもてて、イングリッドバーグマンとも恋に陥り、バーグマンからは結婚を切望されたともいわれる。女性の魅力もうまく引き出している。今回、最愛の女性といわれているゲルダ・タローの眠る写真も日本で初公開されている。キャパが最後に使っていたNikonのカメラや印刷原稿用にプリントしたビンテージプリントも展示してあった。

101年目のロバートキャパ」展
40年の生涯の中でスペイン戦争など5つの戦場を写した写真家として知られるキャパですが、約7万点とも言われる作品の中には、同時代を生きる人びとや友人たちへの思いをこめて写されたカットが数多く存在します。
本展は、キャパの真骨頂ともいえるユーモアや生きる喜びが表れた作品を中心に構成し、編集者としてキャパの盟友であり続けたジョン・モリス氏へのインタビュー映像などを通して、次の100年に向けた新たなキャパを見ていただく機会になります。
「伝説のカメラマン、キャパ」ではなく、挫折や失意を味わいながらも、笑顔を忘れず多くの友人と友情を深め、女性たちと恋に落ちたボブ(キャパの愛称)の等身大の魅力をこの機会にご覧ください。
(公式ページより)


「黒部と槍」展
初期山岳写真史にその名を刻む二人の偉業
東京都写真美術館では、戦前のわが国の登山史上もっとも著名な登山家の一人であり、黒部渓谷の地域探査や山岳紀行文で知られる冠松次郎と、北アルプスで最初期に山小屋経営を行い、山岳写真や槍ヶ岳を開山した播隆上人の研究でも知られる穂苅三寿雄を紹介する展覧会。同展は日本が世界に誇る美しい自然をテーマに、現存するオリジナルプリントや多彩な資料で初期日本山岳写真史にその名を刻む二人の偉業を検証する。
情報提供:イベントバンク