おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

ステキな金縛り

2022-09-25 07:23:49 | 映画
「ステキな金縛り」 2010年 日本


監督 三谷幸喜
出演 深津絵里 西田敏行 阿部寛 竹内結子 浅野忠信 草なぎ剛
   中井貴一 市村正親 小日向文世 山本耕史 戸田恵子 浅野和之
   生瀬勝久 近藤芳正 中村靖日 大泉洋 佐藤浩市 深田恭子
   篠原涼子 唐沢寿明

ストーリー
若手弁護士エミは失敗続きで後がない三流弁護士。
彼女が新しく担当になったのは、資産家の妻を殺害した容疑で捕まった男の弁護。
そんなエミに対し、男は完璧なアリバイがあると無実を主張する。
なんと事件当夜、旅館の一室で金縛りにあっていたというのだ。
無実を証明できるのは一晩中彼の上にのしかかっていた落ち武者の幽霊だけ。
早速、旅館に確かめに向かったエミは本当に金縛りに遭い、なんと落ち武者の幽霊・更科六兵衛に遭遇してしまうのだった。
無実を確信したエミは、六兵衛に法廷での証言を依頼する。
こうして幽霊が証言に立つという前代未聞の裁判が始まる。
しかし、六兵衛の姿はすべての人に見えるわけではなかった。
しかもエミの前には、一切の超常現象を信じない敏腕カタブツ検事、小佐野が立ちはだかる。
人生のどん詰まりに立たされたダメダメ弁護士と、421年前に無念の死を遂げた落ち武者の間に生まれた奇妙な友情。
果たして彼らは、真実を導き出す事ができるのか……?


寸評
幽霊が法廷の証言台に立つと言うバカバカしい話なのだが、このバカバカしさに食いつけるかどうかが三谷作品を評価する上での大きな分かれ目だ。
バカバカしさを堪能できない者にとってはくだらなさゆえに正視できないだろう。
そこが三谷ワールドのファンにとってはたまらないのだと思う。
僕は映画自体を評価するわけではないが、少しは楽しむことが出来た。
楽しめた理由は、出演者がどの役でどの場面に登場するかを楽しみにして見ることが出来たからだ。
モノローグは妹の鈴子(竹内結子)が夫(山本耕史)と浮気しているのを知った姉の風子(竹内結子)がその場に怒鳴り込んできて逆に殺されてしまうという場面だ。
いきなり竹内結子の二役である。
落武者幽霊の更科六兵衛(西田敏行)は自分も無実の罪で粛清されたので、無実を訴える矢部五郎(KAN)を弁護する宝生エミ(深津絵里)を助けることになるのだが、ここからはチョイ役と言ってもいいような役で色んな俳優が登場してきて、監督も俳優もその役を楽しんでいるようだ。

エミが訪ねた旅館「しかばね荘」の女将が三谷幸喜作品では常連の戸田恵子である。
旅館の主人である 浅野和之が旅館の場所を教えるのだが、変な動きをしてミステリー性を出す。
帰りのタクシー運転手が生瀬勝久で、これがとんでもないロングヘアで六兵衛と対比される。
途中で入ったレストランのウエイトレスが深田恭子なのだが、ここで客の一人が見えないはずの六兵衛を見て驚くことで、なぜこの客には見えたのかの疑問を残して謎解きを高める。
居てもいなくても良いような人物も登場するが、それなりの存在意義だけは設定してある。
六兵衛の子孫で歴史学者なのが浅野忠信で、六兵衛は裏切り者ではないと証言する。
安倍晴明の子孫である安倍つくつくが市村正親で、六兵衛が見えた女として篠原涼子が登場し、夫婦共演を果たしている。
まだ売れていない役者として佐藤浩市が登場し、医者役で唐沢寿明が少しだけ顔を見せる。
向こうの世界から来た管理局公安が小日向文世なのだが、この男は映画好きでフランク・キャプラ監督の「スミス都へ行く」を称賛し、同監督の「素晴らしき哉、人生!」が見たいなどと言い出す。
映画ファンへの楽屋落ちのようなエピソードだ。
エミの上司である阿部寛の結末は漫画だが、それをフォローするようにエミの父親(草彅剛)を登場させしんみりさせる。
あれ? 誰か忘れていなかったかな?
裁判長が小林隆さんで、幽霊が見える法廷画家が山本亘さんで、テレビ出演していた心霊研究家が近藤芳正だったな・・・。

幽霊はものを食べたり触ったりできないが、息を吹きかけることはできると言う伏線をあちこちに張っていたのは細かい演出だった。
エミは恋人の売れない役者(TKOの木下隆行)と険悪ムードになったので、どうなったのかと思っていたら、エンドロールで写真が挿入され結婚して子供が生まれたらしいことがほのめかされる演出は小粋だった。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿