おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

プロフェッショナル

2023-03-02 07:18:05 | 映画
「プロフェッショナル」 1966年 アメリカ


監督 リチャード・ブルックス
出演 バート・ランカスター リー・マーヴィン ロバート・ライアン
   ウディ・ストロード ジャック・パランス ラルフ・ベラミー
   クラウディア・カルディナーレ ジョー・デ・サントス

ストーリー
1917年、メキシコ革命の時代。
数百名の革命派くずれの無法者たちが、山賊となって国境付近で暴れまわっていた。
その頃テキサス油田の持ち主グラント(ラルフ・ベラミー)の妻マリア(クラウディア・カルディナーレ)が彼らに誘拐され、身代金10万ドルを要求されていた。
グラントは妻をとりかえすため4人の男を雇った。
彼らはそれぞれの特技をもつ戦争専門家だった。
ファーダン(リー・マーヴィン)は、射撃の名手で4人のリーダー格。
エーレンガード(ロバート・ライアン)は馬に関しての専門家、ジェイク(ウディ・ストロード)は追跡と狩りの名人で、ナイフと弓矢の術は抜群だ。
そしてドルワース(バート・ランカスター)はダイナマイトの専門家といったぐあい。
4人は出発したが岩山と砂漠が広がる長い旅となった。
途中何度か革命軍に襲われ、各自の特技をいかしてきり抜けた。
メキシコ鉄道を見下ろす丘の上で4人は周囲を偵察した。
政府軍に守られた機関車が来た時、首領ラザ(ジャック・パランス)を先頭に数十人の革命軍が現れた。
列車はおさえられ乗員は全員射殺された。
敵の根城の近くまでたどりつき、その夜4人は攻撃を始めた。
ダイナマイトを仕かけ、マリア救出におもむいたところ、ファーダンとドルワースは意外な光景を目にする。
彼らはマリアを連れ出し、敵の本拠を爆破した。
4人のプロフェッショナルとマリア、一行5人の脱出が始まった。
砂嵐の中を、ラザ一味が追ってきた。


寸評
特殊な技術をもつ精鋭がミッションをこなす話は戦争アクション映画をはじめ何度も描かれてきた内容で、今回は西部劇の世界で繰り広げられる。
スターの名で客を呼べる映画があるとすれば、この「プロフェッショナル」はその内の1本であろう。
リーダーはリー・マーヴィンで、彼はバート・ランカスターと共にメキシコ革命軍に身を投じていた時期があったようで、今は山賊となっているジャック・パランスも同じ部隊で戦った仲間たちだ。
ジャック・パランスが誘拐しているのがクラウディア・カルディナーレで、彼女の救出に向かう仲間としてロバート・ライアンとウディ・ストロードがいるというキャスティングで、その名前を聞くだけでウキウキしてしまう。
それぞれの特技が披露されながら物語が進んでいくがロバート・ライアンの活躍場所がなかったように思え、年齢的にも渋い役回りの期待感が削がれた。

西部劇ではメキシコ革命もよく取り上げられる出来事で、1910年から1917年にかけて起きた革命だからここで描かれた時期はその最終局面の時代であろう。
リー・マーヴィン、バート・ランカスター、ジャック・パランスたちは革命軍に参加した傭兵だったのかもしれないが、彼らの革命に対する思いがいかほどの物であったのかはよく分からない。
クラウディア・カルディナーレは革命の大義に賛同していたはずだと言うが、バート・ランカスターは金の為だったと言い返している。
果たして彼らの本心は何処にあったのか。
バート・ランカスターとジャック・パランスは同じ部隊で共に戦った親友なのだが、親友としての描写は岩山の対決時のやり取りで感じさせるものの、もう少し何らかの方法で描き込んでいれば、二人の関係はもっと味わい深いものになったであろう。

初期の段階ではウディ・ストロードが活躍し、弓で相手を倒したり襲ってくる相手の人数を正確に把握する。
後半になるとバート・ランカスターがカッコ良すぎるくらい活躍する。
相手側の女チキータといい仲だった時があるようで、彼女との別れもホロリとさせられる。
何より岩山で一人、また一人と倒していく姿はヒーローを独り占めしている感がある。
お互いに傷つきながらジャック・パランスと会話を交わす場面は味わいがあり、その後の展開を納得させる。
意表を突いたのは、その前に描かれるジャック・パランスとクラウディア・カルディナーレの関係である。
誘拐事件の経緯も語られラストへの伏線となっている。
物語的には面白い展開であった。

プロフェッショナルのタイトル通り、彼らは仕事をやり遂げて手のひら返しを見せる。
これぞプロという結末が爽快であった。
「暴力教室」、「熱いトタン屋根の猫」、「冷血」などを撮ってきたリチャード・ブルックスにしてはこの作品は完全娯楽作で、監督作品をすべて見たわけではないが彼の作品歴の中では異色のように思う。
人物描写は単純明快、ストーリーも単純明快で気軽に見ることができる西部劇となっている。


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