おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス

2022-09-23 06:42:09 | 映画
「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」 1999年 アメリカ


監督 ジョージ・ルーカス
出演 リーアム・ニーソン ユアン・マクレガー
   ナタリー・ポートマン ジェイク・ロイド
   イアン・マクディアミッド ペルニラ・アウグスト

ストーリー
遠い昔、はるか彼方の銀河系で、平和だった銀河共和国に混乱が訪れていた。
通商連合は辺境の惑星との交易ルートヘの課税問題に決着をつけるべく、武装艦隊で惑星ナプーを武力封鎖した。
即位間もない若き女王アミダラは連合の要求を拒否し、事態は悪化。
元老院は調停のため、ふたりのジェダイの騎士クワイ=ガン・ジンとオビ=ワン・ケノービを派遣するが、背後では暗黒卿ダーク・シディアスによって巨大な陰謀が進行していた。
交渉の場から追われたふたりのジェダイはドロイド軍によって侵略されるナプーに降り立ち、そこで出会った水中の種族グンガン族のジャー・ジャー・ビンクスの導きでナプーの宮廷にたどりつく。
ふたりは事態を打開すべく女王に脱出をすすめ、元老院の調停を求めるため、銀河共和国の首都コルサントを目指す。
一行は辺境の惑星タトゥイーンに逃れ、そこでクワイ=ガン・ジンは、器用で才気あふれる奴隷の少年アナキン・スカイウォーカーと出会う。
彼の内面に尋常ならざるフォースの力を感じ取ったクワイ=ガン・ジンは、彼の母親シミに説いて、彼をジェダイの騎士として教育することを決意。
ようやくコルサントに到着した一行だが、元老院では勢力を伸ばして新たに最高議長となったパルパティーンが、アミダラに都にとどまることをすすめるが、彼女は自らの星に帰って戦う決意を固めた・・・。


寸評
僕は「スター・ウォーズ」ファンではなかったが、宇宙物のシリーズとしては金字塔の一つとの認識はある。
本作は一応の完結を見た全三部作の前段階を、時代をさかのぼることによって示す物語の第一章と言える。
やはり「スター・ウォーズ」ファンのための作品となっていて、初めて見た人は面白さ半減かもしれない。
それは「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」がジェダイの騎士であるクワイ=ガン・ジンとオビ=ワン・ケビーノの活躍を描きながらも、アナキン・スカイウォーカーをメインに据えているからである。
なぜなら、このアナキン・スカイウォーカーこそが、あのルーク・スカイウォーカーの父であり、また暗黒の世界に堕ちてダース・ベイダーになるのだから。
そうすると、これからの物語はこの可愛らしい少年のアナキン・スカイウォーカーがどのようにして悪の世界に堕ちていったのかに焦点があてられるはずである。
と言われても、本作で初めてスター・ウォーズに触れた人には何のことか分からない。
やはり前シリーズを見ておかないといけない作品だ。

ジェダイの騎士としてクワイ=ガン・ジンが登場し、オビ=ワン・ケビーノは彼の弟子である。
奴隷の母から生まれたアナキン・スカイウォーカー少年もまた奴隷であるが、やがて彼はクワイ=ガン・ジンに超能力を見出されオビ=ワン・ケビーノの弟子となる。
母のシミ・スカイウォーカーは、アナキンに父親はいなくて自然に身ごもった子だというが、僕にはまるでキリストの再来とでも言っているように思えた。
そしてロボットキャラのC-3POがアナキンによって作られたことを知るが、ここでのC-3POはまだ配線むき出しの透けた状態で存在している。
パルパティーンが奸計を用いて最高議長に就任する経緯も描かれている。
そのように、登場人物の背景が簡単に説明されて、いかにもとっかかり編といった感じで、僕は物語としてのふくらみを感じなかった。

年数を経ているので、コンピューターによるグラフィックス技術は格段の進歩を遂げており、戦闘場面や登場してくるキャラクター描写はよくできている。
ただし、それは技術の問題であるから、さらに年数を経て見た場合には陳腐なものと化しているかもしれない。
直接対決するのはダース・シディアスの弟子であるダース・モールでグリップの両端から双方向に光刃を出すダブルブレイド・ライトセーバーを扱う。
ライト・セーバーによる戦いは、真剣勝負の凄みはないけれど、このシリーズの名物だけに見せ場ではある。

少年のアナキンがパイロットとしての高い素質をしめすポッドレースも時間を使って描かれるが、コンピューター・グラフィックスの技術進歩に酔いしれている所がある。
タイトルの「ファントム・メナス」とは見えざる脅威ということで、タイトル自体が序章を言い当てている。
したがって、観ている側としては歯がゆい感じがする作品になっていた。
先ずは新シリーズの幕開けと言ったところかなと思う。