眠る努力をしているよ

ゆうやは連日あまり眠っていませんが、元気にしています。

退院してきた翌日の夜、私が部屋に入っていくと、ゆうやは急に黙りました。
それまで１人で笑っていましたから、まだ起きていることはバレバレでした。
遅くまで起きていることはいけないと自覚したのか、寝たふりをしようと頑張っていました。

ゆうやは自分に言い聞かせようとするときは、必ず声に出してしまう習性があります。
その時も、やっぱり声に出して言いました。

ささやくような小さな声で、ゆうやは何度も言いました。
「し～。し～。し～。静かにしないとね。」

私は笑いそうになるのをじっと我慢して聞いていました。
そのうち、ゆうやは黙ろうとすることが辛くなってきたようです。

とうとう私に話しかけてきました。
「お母さん、おやすみなぁさぁい～♪」

ゆうやは満面の笑顔で嬉しそうに言いました。
ハイテンションな声のトーンは決して「寝ます。」とは聞こえませんでしたが、ゆうやは「寝るよ～。」と一生懸命PRしていました。

それは「しっかり寝たら、翌日電車に出かけてもいいよ。」と約束していたからです。
結局ゆうやは３時半まで起きていました。

翌朝、早くから目覚めていたようですが、約束が気になるのか、ベッドでじっとしていました。
１時間ほど我慢していましたが、いよいよ起き上がりたくなって「お母さん、トイレ～。」と言いました。

よくよく聞くと、やはりトイレに行きたかったわけではなかったようです。
「お母さん、ぼくゆっくり寝た？」
「う～ん、どうかなあ。」
「電車に行ってもいい？」

ゆうやは目を大きく開けて私の返事を待っています。
「行ってきて、、、、、いいよ。」

まあ、嬉しそうな顔～。
NOとは言えなかったゆうやのママでした。


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