ゆうやの初出勤

ゆうやは水曜日に特別支援学校を卒業して、春休みは木曜日１日だけでした。

木曜日、私は１日中、事業所へ行く準備をしていました。
ゆうやの着替えや食事の際の自助具、排泄のための備品、作業の自助具など、１つ１つに名前を書きました。
そして、それらの道具などの使用方法も記入してそれぞれに貼付けました。

金曜日の朝、事業所から車で迎えに来てくださいました。
ゆうやは少しだけ不安そうにしていましたが、迎えに来てくださった方とは実習の時に話をしていたので、安心した様子でした。

初めて乗る車にワクワクしていました。
車のドアが閉められ、ゆうやは初出勤に向かいました。

「行ってらっしゃ～い。」

私はその後、家の用事を済ませてからお昼頃、事業所の様子を見に行きました。
ゆうやは早くもすっかり昼食を平らげていました。

イヤーマフを装着して、スタッフの方と並んで座っていました。
私の姿を見つけて少々驚き、目を丸くしていました。

私はスタッフの方と打ち合わせをしたり、自助具の説明をしたり～。
スタッフの方々はとても親切で優しい方ばかりでした。

ゆうやは不安なく、過ごせていたようです。
午後からは、学校の先生が作ってくださった自助具を使用して作業にとりかかったようです。
熱心に頑張ったようで、帰ってきたときには「ちょっと疲れた。」と言っていました。

私はその日、夕方から病院へ行かなければならなかったので、ヘルパーさんに食事介助をお願いしました。
ところが、ゆうやは「家で夕食を食べたい。」と強く希望しました。

私は病院を出てから急いで帰宅したのですが、ゆうやはすでに戻っていて、前の道路で待っていました。
ゆうやも疲れたのだと思います。
いつもなら喜んで外食するのですが、昨日ばかりは家でゆっくりくつろぎたかったのですね。

なにはともあれ、ゆうやの出勤初日は無事終わりました。
その夜、ベッドに入ったゆうやは、すぐに寝息をたてていました。

「ゆうや、お疲れさま。ゆっくりお休み～。」


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